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2014年07月07日

研修報告

自治体議会政策学会・研究会主催
 第1回議員激論会「教育の制度改革と議会の役割」
1日時:平成26年6月30日(月)13:30~16:30
2場所:測量年金会館 3階 中会議室(東京都新宿区)
3出席者:全国の市町の議員23人、主催者3人(竹下譲、中邨章、並河信乃)
4内容 主な内容は次のとおり
○問題提起
 竹下先生から「教育の制度改革と議会の役割」をテーマに、資料に基づき問題提起があった。その主な内容は次のとおり
①学校教育は何のためか?
・「生きる力を育むため」と文科省は言うが、検討されていない。三重県教育委員長当時、発言しても相手にされなかった。
・こうして鍛えられた子どもたちが将来、どういう社会を築くのか?
・現在の日本の最大の問題は、人口減少、高齢化
    ↓
 2040年時点での消滅可能性都市896
    ↓
 これに対抗するためには、バランスの取れた人口の配置が必要では?
    ↓
 地元での定住、地方への移住
    ↓
 そのためには、地元のために生きる人間の教育が必要
・今の学習指導要領による学校教育は、これに逆行しているのでは?
 学習指導要領による教育=全国的画一的な学校教育、とりわけ東京に集中する傾向を生み出す。
・学校の自由な裁量で教えることができない学校
 昭和16年公布の「国民学校令」以来の伝統、「皇国の道に則って初等普通教育を施し、国民の基礎的錬成を行う」ことを目的、これ以前は各学校の裁量
②地方を活性化するための学校教育は?
・それぞれの地域に必要な人材育成が必要では?
 公立小中学校で何をどのように学ぶかは各自治体で決定!勉強の仕方、先生の裁量を取り戻す。
・各自治体が〃教育権〃を国家から取り戻す必要!
 明治5年の「学制」以来、昭和15年まで、各自治体に「教育権」あり!
    ↓
 これができるのは「議会」ではないだろうか?
③各自治体が有為な人材育成のための〃教育〃をするには?
・〃よき教員〃の確保!各市町村が教員を採用!
 教員の採用は、いまは県教委の仕事?(文科省の指示に従って?)
 教員は、一般に都市部の有名校を希望!
    ↓
 これでは地元のことを考えた教育ができず!
 今の教員は、多くがノイローゼになる!(保護者のいじめ!)
    ↓
 これを改善するために独自の工夫!
 *三重県の事例(竹下氏が三重県教育委員長当時)
  ・面接重視で神経の太そうな受験者を選考・・・図太い人を採用
  ・〃講師〃のなかから、校長の推薦で優先的に採用・・・講師で補てん
  ・小学校教諭試験の体力能力重視・・・体力のある人、鉄棒の試験を重視
  ・教員資格のない人に資格を授与!・・・相可高校ではコックを先生にした。免許なしだが、資格を与える。
      ↓
   文科省から厳しい注意があった。議会は無関心
 大阪府北部の5市町村は教員を独自で採用
・独自のカリキュラムの採択
 それぞれの自治体に合ったカリキュラム
 *三重県の事例
  ・相可高校・・・食物調理科(まごの店運営)で、調理の教員採用
          生産経済科(伊勢茶、垣の加工品、スーパーで販売)
  ・農業高校・・・実習時間の大幅増(トマトの品種改良に生徒の意欲あり。)普通教科も実習時間内での試み
  ・連邦制高校・・・過疎地域の学校の統合をせずに、3つの高校を合体して、先生が授業に合わせて移動する。校長は1人、副校長が常駐。校舎性高校
      ↓
   先生の抵抗で、数年後に統合(失敗)
・教科書、教材の選定を
 ・自治体単位、学校単位で選ぶ方が良いのでは?今は文科省の強い締め付け
 ・議会の後押しがあればスムーズにいく。
・授業形態の工夫
 ・小人数教育・・・効果がない場合もあるが、要は先生の問題。算数を分かっていない先生が教
える。子どもが理解できず→疑問に先生が答えられず→子どもの迷い→駄目になる。
 ・電子黒板などの使用・・・児童生徒が自分でイメージする能力を損なう?わかったような気分になるが、離れると分からなくなる。イメージがない。後で繰り返しができない。
・教育長、総合教育会議に任せることができるか?
④いよいよ議会の出番でないか?
・これまで、議会は教育に関しては簡単な一般質問をするだけで済ましてきたが、これからは文科省と張り合わなければならない場面が頻繁に出現してくる。
・文科省に従順な体質を持つ教育委員会事務局では無理な話。
・地元を考えた教育を!

○議員激論(以下は参加した議員の自由発言)
・論点は何か。制度の問題(政治的中立性、首長との関係)か、自治体で出来ることを考えるのか。
竹下:焦点を絞ると議論ができなくなる。議会は政治的中立性を利用して逃げている。住民は教育にうるさいから。
・障害児教育に30年携わっている。子どもを守る気概を持って活動している。授業参観一覧表を要求したら教委の反発がある。地域版教育とか寺子屋制度とか、自分のできることをやりたい。
・校長が課長となり、議案や資料を説明するとき震えていたが、何でと思う。現場では元気になる。議会と教育の関係とは?
・教育委員会制度改革について、新教育長は必要としない。組織は形骸化している。なぜ屋上屋を重ねるのか。手間がかかる制度になる。
竹下:いじめに対し的確なことができなかった危機管理の問題から、国が関与の見直しをすること、教育の形骸化に対し突然、総合教育会議がでてきた。何の意味もない。議会が教育をリードすること。議会が何もしないから、教委は国の言うとおりである。教委と地元がずれている。ここに議会の役割がある。
・常任委員会と教育委員会でトイレの様式化など話をしているが、教育委員には教育が見えていない。
竹下:教育委員は参考人で呼んでも、口出しすべきでないという思いがある。何の議論をするのか。教委の議事録の公開は50%、なぜ公表しないのか。国・県の二重の縛りがある。どこに接点を持つのか。議会が絡むこと。動こうとしない。議会に公表する前だから公表できないという言い分。踏み込みづらい。現場の先生へのストレスがある。発言しても現場とかけ離れている。教委が議会に絡むことはない。機能していない。実権は教育長にある。事務局に聞けば済むという議会の考え。教委の議事録は何の意味もない、形だけ。どんな人が教育委員になるかで異なる。教育長により大きく変わる。文科省の教育でいいのか。障害児教育は弱い。教育委員長に議場に座ってもらってはどうか。
中邨:論点は3つ、一つは新教育長の関与と教委の人事の問題、二つ目は手続きの問題で、議事録の公開、秘密会、個人情報など、三つ目は現場への介入はどこまでやるのかという問題。
並河:口出ししにくい。市民が発言できるように、議会が普通の人の意見を反映すること。貧困の連鎖を防ぐ。塾に行けない子どもへの対応として、塾の先生を呼んで勉強させることはおかしい。教育は変わっていない。
・オープンスクール活動として、地域でホタルを育てている。子どもが参加している。地域を巻き込み、地域に学校を開放すること。
・議会としての取り組みは、杉並区では放課後スペシャルなどがあり、議会が協議すれば可能であるが、教育プログラムに入り込んでもまとまらない。歴史教育は共産党と折り合わない。企業のリーダー教育を学校に持ち込んでいる。議員であることは隠して行っている。教育委員会ではイデオロギーの話は制度的にできない。
竹下:教員採用は自治体でできるが、議会で審議しないのか。品川区ではやっている。
・市独自の採用は財源的に難しい。補助金をもらわないとできない。過疎地に人は来ない。
竹下:教員の採用権、人事権、財政を県に要求できる。中核市は権限移譲で可能。周辺の市町村と一緒なら可能性がある。自治体での採用には金はついてくる。人事権は市で持つこと。議会で議決し住民に公表する。
・総合教育会議について、現状は予算とか施設のみ、人材を確保できるか。総合教育会議の危うさを感じる。議会はどう絡むのか。
・過去の教育委員会はどうであったのか。
竹下:戦後、地元、議会で決めていた。GHQの指導もあった。教育委員は公選や任命制。
中邨:自分が子どもの頃、朝ご飯は学校で出していた。外食券で学校で食べた。英語の授業も小学校から行っていた。
・教育委員を常任委員会に呼ぶことについて、非常勤職なので無理ではないか。学校独自でできることはある。コミュニティスクール(学校運営協議会)は教委で認めれば可能である。これが定着すると改善する。
・議会と教育委員会との懇談会を考えている。お互いの認識を共有すべきだ。
・多様な子どもに対応できていない。質問に答えられない先生、理解できない子どもを思いやる先生を。日本の国民性、良いところをなくそうとするアメリカ、英語教育は明治に導入されようとしたが、日本の心が大切として導入しなかった。
竹下:小学生に英語を教えるべきでない。即席の英語はすべきでない。
・制度改革で議会が関与しやすくなった。どう考えるのか。総合教育会議は首長の責任、議会は問題点を持ち込む。教育長の考えで行政は変わる。ふさわしい人を推薦する。教育委員は素人なので事務局の議案をシャンシャンと決定する。どうしっかりさせるのか。教育問題は人が中心。現場の教師は大変なので改善すること。原因を取り除くよう質問をする。首長の政治参加は良い面、悪い面がある。利害関係の多い人をチェックする。塾通いの生徒が増えている。
・権限が首長に集中するので、変わった首長が心配。教育委員会はどう変わるのか。岐阜県では中山間地の先生が止める人が続出したため、通える範囲の勤務地となった。良い先生を採用したいが、大胆な改革はしづらい。議会で大勢にならない。改革が進まない。保守的だ。
竹下:岐阜県は地元の企業の人が教育委員で形骸化していない。首長の権限強化は、指導要領の縛りがある。人事、予算面では変わっても、大勢は変えられず。決定権は議会にある。現場を見て考えて判断する。義務教育の経費は国県負担、運用権は自治体にある。常任員会と教育委員会の議論を。議員が教育委員を理解する。先生の採用は、今の体制に従うのか、従わないのかの違い、可能性はある。
並河:地方分権は20年前に始まったが、当時、教育分野で書く人がいなかった。中央集権の最たるもの。動かない限り改革できず。構造改革特区は自治体の提案だった。政策提案をしないと動かない。議会の提案は皆無、どんどん出すこと。
竹下まとめ:中央で改革してもよくならない。地方から改革を(土光臨調の考え)。三重県教育委員長当時、マニュフェストを提案し北川知事が同調した。議会改革を目指し、学会を設立し、さらに拡大し地方政治センターを設立した。しかし、センターは今春、廃止となったが、議員の拠点として今後も継続していく。
以上の発言内容は、メモを基に記したものです。

○所感
 議員激論会に全国から23人の市町の議員が参加し、学会のリーダーのアドバイスをいただきながらの意見交換となった。23人の議員はいずれも各議会の論客で問題意識を持ち、意識的に発言する諸氏であった。
 かねてから自治体議会政策学会の開催する研修には会派(創政会)として参加し、行政に精通している竹下先生から自治体及び議会改革のヒントを多々いただいているが、今回は、私一人の参加であった。
 誰が何を発言したのかは、本音を語るという開催の趣旨から控えさせていただくが、参加議員の教育への想い、日々の活動などが話し合われた。しかし、教育への議会としての関わりには、政治的中立性の観点から戸惑いがあるのが現状である。個人的には、職員当時は教育委員会事務局での執務経験はないものの、教育委員会が持つ自由な気風に憧れを持っていたが、叶うことなく退職したので、教育委員会に対する自分なりの想いはあることから参加したものである。
 長らく続いた教育委員会制度のあり方は、大津のいじめ事件を契機に、危機管理意識の希薄、組織としての形骸化が指摘され、教育委員会制度の改革(新教育長の創設、総合教育会議の設置、首長の権限拡大など)が政府によって進められている。これへの評価は、首長からは賛同されるものの、現場を預かる先生からは不安視される意見がある。政治的中立性・安定性・継続性が守られるのか、管理教育がさらに厳しくなるのではないか、総合教育会議で教育委員会と首長が対立した場合の扱いはどうなるのか、教育の振興に関する施策の大綱は首長の考えだけで策定されるのではないかなど危惧する意見が現場にはある。制度会改革の運用がどうなるのかが、今後の議論の焦点になる。
 今まで、議会は教育への関与は意識的に避けてきたように見受けられるが、今回の制度改革により関与しやすくなったと言える。議会本来の機能の一つである首長への監視、提案等を生かし、教育を首長と教育委員会だけの議論としてはならないと思う。子どもにとって教育はどうあるべきなのかを基本に、変えるべきところは変え、より充実した教育環境を目指さなければならない。
 かねてから岩倉市議会改革特別委員会において、議会と教育委員との懇談会を持ち、現状を話し合い、どう改革するのかを進めるよう提案をしており、実現するよう努めていきたい。まずはお互いが意見を交わし、教育を巡る問題意識を共有化することから始めたいと思う。


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