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2021年06月24日

議会定例会報告

令和3年6月(第2回)岩倉市議会定例会報告

 6月3日から22日までの会期日程で開催され、報告4件、諮問2件、議案11件を審議し可決・同意されました。なお、委員会提出議案1件、議員提出議案2件が可決されました。また、陳情2件の提出がありましたが、「聞き置く」の扱いとなりました。

〇報告第2号 情報公開及び個人情報保護に関する運営状況の報告について
 情報公開に関する運営状況(令和2年度)請求件数72件、全部公開⒓件、一部非公開52件、非公開8件
 個人情報保護に関する運営状況(令和2年度)請求件数24件、全部開示4件、一部開示10件、不開示10件

〇報告第3号 令和2年度岩倉市一般会計予算継続費の繰越報告について
 令和2年度の「岩倉北小学校屋内運動場等複合施設建設事業」他1件の繰越計算書が報告されました。

〇報告第4号 令和2年度岩倉市一般会計予算繰越明許費の繰越報告について
令和2年度一般会計予算の3件の繰越明許費繰越計算書が報告されました。

〇報告第5号 令和2年度岩倉市公共下水道事業会計予算の繰越報告について
 令和2年度の「公共下水道工事」の予算繰越計算書が報告されました。

〇諮問第1号 人権擁護委員の推薦につき意見を求めることについて
 市内在住の大野代志子氏が適任となりました。

〇諮問第2号 人権擁護委員の推薦につき意見を求めることについて
 市内在住の杉浦真弓氏が適任となりました。

〇議案第50号 岩倉市監査委員の選任について
 市内在住の内藤充氏が同意されました。

〇議案第51号 岩倉市路上喫煙の規制に関する条例の制定について
 喫煙者と非喫煙者がともに快適に生活できるまちづくりに寄与するため、路上喫煙に関する規制を規定するもので、市民参加の路上喫煙等規制条例検討委員会(5回開催)でまとめられたものです。条例は9条建てで、市、市民等及び事業者の責務、路上喫煙禁止区域の指定等及び路上喫煙の禁止、指導等の内容です。議決後は、岩倉駅東西の駅前広場を路上喫煙禁止区域に指定するために、当該区域の住民、事業者等の意見聴取、指定、看板設置などの手続きへと進め、本年12月1日から完全施行となります(指導の規定以外の施行は本年9月1日です)。

〇議案第52号 岩倉市表彰条例の一部改正について
 主な内容は次のとおり
 ・本年の市制50周年記念式典(12月1日)に当たり、従来、内規に基づき5周年ごとに顕彰してきた特別功労表彰及び特別表彰を明文化すること。
 ・一般表彰及び自治功労者表彰の対象の見直しと明確化。
 ・特別功労表彰の対象及び特別表彰の明文化。

〇議案第53号 岩倉市税条例等の一部改正について
 主な内容は次のとおり
 ・非課税限度額における国外居住親族の取り扱いの見直し
 ・住宅ローン控除の特例の延長等・・・住宅ローン控除の控除期間13年の特例が延長され、令和4年末までの入居者が対象となる。
 ・固定資産税の課税標準の特例措置・・・雨水貯留施設の償却資産の課税標準を3分の1と定めるもの。
 ・軽自動車税関係・・・グリーン化特例の見直し(2年間の延長)

〇議案第54号 岩倉市都市計画税条例の一部改正について
 地方税法の一部改正により生じた項ずれを改めるもの。

〇議案第56号~58号 岩倉市道路線の認定、廃止及び一部廃止


 令和3年度補正予算の概要 
〇一般会計補正予算(議案第49号、55号及び59号
 補正額は3億1,412万2千円で、総額は160億8,997万8千円となります。
主な補正の内容は次のとおりです。
企画費 SDGs普及推進委託料 275千円
 SDGsの普及につながる取組を日本福祉大学の学生と連携して進めるための委託料。
市制50周年記念事業 405千円
  こいのぼりの折り紙でギネス世界記録に挑戦するため、折り紙協会への委託料などの経費。
公用車購入事業 5,260千円
  購入後25年を経過した公用車(特別職、議長等)を廃車し、新たな車両を購入するもの。
交通安全事業 自転車乗車用ヘルメット購入費補助金 400千円
  県と協調して事業を実施し、若年者(7歳~18歳)及び高齢者(65歳以上)の自転車乗車用ヘルメット購入費の補助金(上限2000円×200個)。県費充当200千円(1/2)
防犯推進事業 特殊詐欺等対策電話機等購入費補助金 150千円
  高齢者世帯を狙った特殊詐欺に対し、特殊詐欺等対策電話機等の購入費を補助するための補助金(5,000円×30件)。
安全安心カメラ設置管理事業 1,538千円
 安全安心カメラ10台を設置するための経費
児童福祉総務費 子育て世帯生活支援特別給付金(その他世帯分)支給事業44,300千円
  新型コロナウイルスジ感染症の影響が長期化する中で、低所得の子育て世帯の生活を支援するため、ひとり親世帯以外の世帯に対する生活支援特別給付金の支給に必要な経費(給付金、人件費、消耗品費、郵送料など)。全額国費となります。
社会福祉総務費 プレミアム商品券特別支給事業 39,662千円
  新型コロナウイルス感染症対策として、低所得世帯を対象に市内店舗で使用できる商品券を支給するための経費。1世帯に1セット(7,500円分の商品券)を支給する。全額国費充当
老人福祉費 高齢者地域見守り事業 1,261千円
  新型コロナウイルス感染症対策として、高齢者のサロン活動等でのオンラインによる地域活動を支援するため、タブレット端末や通信端末等を導入するための経費。全額国費充当
生活保護総務費 新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金支給事業6,278千円
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、社会福祉協議会が実施する総合支援金の再貸付が終了するなどにより、特例貸付を利用できない生活に困窮する世帯のうち、一定の要件を満たすものに対して、生活困窮者自立支援金を支給する経費(人件費、郵送料、自立支援金など)。全額国費充当
衛生費 新型コロナウイルスワクチン接種事業 72,815千円
  集団接種日程の増(22回→100回)に伴い、医師に加え歯科医師や薬剤師等の協力を得るための謝礼及び接種会場の運営体制等の業務委託料の増額。また、現在、市職員が行っている医療機関等接種会場へのワクチン配送を委託する業務委託料の経費。全額国費充当
環境衛生費 環境衛生事業 1.463千円
 名鉄岩倉駅前周辺において、路上喫煙禁止区域を指定するにあたり、禁止区域内における喫煙所仕切用植栽、禁止区域案内看板、路面貼付シール等を設置するための委託料。
商工振興費 2,930千円
 中小企業・小規模企業活性化行動計画改定事業委託料 1,430千円
 ビジネスサポートセンター運営費事業費補助金 1,500千円・・・販路拡大、人材確保、BCP(事業継続計画)策定に対する補助金
新型コロナウイルス感染症対策プレミアム商品券発行事業 89,755千円
  新型コロナウイルス感染症対策として、市内の消費を喚起するため、市内店舗で使用できるプレミアム付き(50%)商品券の販売等をするための委託料。1セット5,000円の商品券購入額で2,500円分(50%)のプレミアム分を付け、7,500円(500円×15枚)の商品券を発行し、1人最大2セットまで購入可能(市内在住者に限る。)、予約販売のみとする。プレミアム商品券発行総額は、2億2,500万円(7,500円×30,000セット)、うちプレミアム分の総額は、7,500万円(2,500円×30,000セット)とするもの。
 商品券の使用期間は、令和3年9月14日から令和4年1月16日まで。
 国の臨時交付金及び県の補助金を充当する。
道路新設改良費 物件調査業務委託料 5,159千円
 稲荷町・曽野町地区における市道南427号線について、道路の延長工事(15m)を実施するための物件調査業務委託料。
石仏公園整備事業 測量設計等委託料 13,299千円
 平成27年度策定の基本設計について、運動施設としての占用面積や貯留機能等の見直しを行うにあたり、当初の設計の修正を行うための業務委託料。
消防施設費 修繕料 4,831千円
 防火水槽(2基)の簡易耐震化をするための修繕。
中学校教育振興費 修学旅行等キャンセル料補償金 2,009千円
 中学校の修学旅行の延期に伴うキャンセル料の補償金。全額国費充当
図書館費 セルフ貸出システム等導入委託料 324千円
 新型コロナウイルス感染症対策として、図書館において新たにセルフ貸出システム(1台)を導入するための委託料。全額国費充当
文化財保護費 織田伊勢守信安没後430年記念講演会講師謝礼 100千円
 市制50周年の記念として、織田伊勢守信安や岩倉城についての講演会開催の講師謝礼の経費。
総合体育文化センター施設改良費 
総合体育文化センター外壁改修工事等設計業務委託料 16,489千円

〇委員会提出議案第2号 岩倉市議会会議規則の一部改正について
 現在、設置されている公共施設再配置検討協議会の「協議等を行う事項」について、「公共施設の再配置に関すること」を「岩倉市公共施設等総合管理計画、岩倉市公共施設再配置計画及び岩倉市公共施設長寿命化計画に関すること」に改めるもの。

〇議員提出議案第1号 学校教育におけるデジタルトランスフォーメーションを適切に進めるための意見書・・・内閣総理大臣等へ送付されます。
〇議員提出議案第2号 弱い立場に置かれた多くの性犯罪被害者の救済を求める意見書・・・内閣総理大臣等へ送付されます。
以上
  

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2021年06月16日

一般質問を行いました

令和3年6月定例会において、一般質問を行いました。以下、その全文を掲載します。

令和3年6月定例会 一般質問及び答弁
1 住宅等の耐震化の促進策について
(1) 耐震等関連事業に係る補助金の代理受領制度の導入について問う。
問-1 本年度から2030年度(令和12年度)までの10年計画である「岩倉市耐震改修促進計画」によると、住宅の耐震化の状況は、2019年度(令和元年度)末時点で耐震化率は89.8%であり、2003年度(平成15年度)から2019年度(令和元年度)までの民間木造住宅の実施状況は、耐震診断889件、そのうち94件の耐震改修に対して補助を行っています。しかし、耐震性がないと判断される住宅は1897戸(内訳は木造1603戸、非木造294戸)とまだ多く存在することから、住宅の耐震化の促進に努めるとあります。耐震改修を促進する方策の一つとして、補助金の代理受領制度を導入してはどうかと考えます。この代理受領制度とは、建物を所有する方などの申請者が市の補助金を受けて耐震改修工事を行う場合に、工事請負業者に補助金の受領を委任することで、事業者が直接補助金を受領することができる制度です。これにより、申請者は補助金相当額を除いた工事費を用意すればよいため、当初の費用負担が軽減されますので、多額な耐震改修工事がやりやすくなります。
 例えば、250万円の工事費の場合、補助金100万円と市単独補助金10万円を除いた140万円を建物所有者等が事業者に支払うことになります。事業者には補助金110万円が市から交付されます。
 この代理受領制度は、県内では4割近くの市町が導入又は実施予定と聞いており、近隣では春日井市と北名古屋市が令和2年度から、扶桑町が令和3年度から導入しています。お配りした資料の中に、「春日井市耐震関連事業補助金 代理受領制度のご案内」がありますので、ご参照願いたいと思います。
 また、愛知県が本年3月に策定した「愛知県建築物耐震改修計画~あいち建築減災プラン2030~」によると、「住宅の耐震化の促進」について、次のように記載されています。
 「耐震診断を実施した結果、住宅の耐震性が不十分と判定された場合、積極的に耐震改修を実施していただく必要があります。引き続き、市町村と連携して、住宅の耐震改修費の補助事業の実施等により、耐震改修の促進に取り組んでいきます。(略)耐震改修補助等において、「所有者に代わって工事施工者が補助金の受領までを代理で行うことができる」代理受領制度は、所有者が用意する費用の軽減につながることから、より使いやすい制度となるよう市町村と連携して、取り組んでいきます。」と記載されています。
 市の耐震改修促進計画によると、住宅の耐震改修費用は平均236万円程度で、耐震改修費補助を活用しても100万円以上の自己負担が生じることになり、この負担額が大きいことが耐震改修に踏み切れない大きな要因の一つになっていると記載されています。
 所有者は当初の費用を捻出するために定期預金を解約したり、ローンを組んだりして費用を用意しなければなりませんので、代理受領制度を導入すれば、所有者は改修工事費と補助金の差額分のみを用意すればよいため、一時的な金銭的負担を軽減することができます。
 この代理受領制度は、耐震改修のほか、耐震シェルター整備や木造住宅解体、ブロック塀等撤去など住宅・建築物安全ストック形成事業費補助金に掲げられている耐震等関連事業全般に適用できると思いますので導入してはどうでしょうか。
 本市では令和2年度に「岩倉市耐震改修促進計画」を策定し住宅の耐震化率を令和12年度末までに97%とする目標を掲げ耐震化の促進を図っているところです
 耐震関連事業に係る補助金の代理受領制度につきましては、議員から情報提供がありましたが、令和3年4月1日現在において愛知県内では名古屋市や春日井市など22の自治体で導入されています。
この代理受領制度を導入している自治体に確認しましたところ、申請の約4割がこの制度を活用しているという自治体もあり、申請者の準備する金銭的負担が軽減されることで補助制度を使いやすくなり、その結果、耐震化が促進される効果があるものと推察できます。制度の導入につきましては、既に実施している自治体を参考に検討していきたいと考えております。

問-2 関連でお聞きします。空き家等解体工事費補助金や住宅用地球温暖化対策設備設置費補助金など市の実施する他の施策の補助事業についても、コロナ禍の状況を考えると、できるだけ来庁せずに、また、利便性を高めるために代理受領制度が適用できる補助事業があると考えますが、検討してはどうでしょうか。
 空き家等解体補助金等など他の施策の補助事業につきましては、今後、他の自治体の状況を確認しながら、どのような事業に導入するのがより効果的であるかなどを研究していきたいと考えております。

2 教育格差を是正する施策の家庭への支援「奨学金制度」について
(1) 奨学金給付事業について問う。
① 評価及び課題について問う。
問 本年度から始動する第5次岩倉市総合計画の第2章個性が輝き心豊かな人を育むまち 基本施策9学校教育 単位施策(3)教育支援の充実 個別施策②家庭への支援の内容として、「家庭の経済状況により子どもの教育格差が生じないように、就学援助制度や奨学金制度等の周知を図り、保護者の経済的負担の軽減や継続的な学習環境の支援に努めます。」とあります。また、第2期岩倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略においても、「基本目標2子育て世代の移住・定住を促す」項目の展開方針2-2「若い世代が「住んでみたい、住み続けたい」と思える総合政策の推進」の中に、「義務教育後の子どもの育ちを応援する施策展開についても検討します。」と記述され、具体的な施策として「家庭への支援」が提示されております。
 2つの視点から、教育格差を是正し教育の機会均等のための家庭への支援の方策について議論をしたいと思います。
 1つ目の視点は、地方自治体として、教育格差を是正し教育の機会均等をどのように保障するのかです。2つ目の視点は、地域を活性化し子育て世代の移住・定住を促すために、地方創生として教育格差是正の施策である家庭への支援をどのように展開するのかです。
 昨年からのコロナ禍の中で、格差の拡大は「日本社会が抱える最も深刻な問題」と厚生労働省で年金局長などを歴任した香取照幸上智大教授は、本年4月9日の中日新聞の紙上で述べています。大変、傾聴に値する香取教授の発言を紹介したいと思います。
 格差拡大は、第一に社会の正当性に関わり、自分の社会がフェアな社会、支えるに値する社会だと思えるかどうか。フェアでないと思い始めたら誰もルールを守らなくなり社会は乱れ、連帯や協調は失われていくこと。第二に経済成長の足かせになる。経済も社会も支えているのは分厚い中間層で、中間層が崩壊したら経済も社会も成り立たなくなること。最後に、社会や経済の発展は、一人一人の人間が頑張ること、自分の希望や夢を実現するために人生を切り開いて努力をすることで実現される。一人一人の活力の総和が社会の活力で、公正でない社会、正当に報われない社会では人は希望を失い努力をしなくなる。格差の大きな社会は活力を失い発展が止まること。そして、日本の今の段階は、民意と政治がずれ始めている。民意をどう政治の中に組み込んでいくのか。民主主義への信頼が揺らいでいる時代だからこそ、指導者には民主主義を守るという強さ、胆力が必要である。格差を是正する処方箋として、社会で生み出された付加価値を公正に分配することを通じて分厚い中間層をつくり、社会の安定と経済成長を支え、民主主義を支える。社会保障は弱者救済のためだけにあるのではなく、社会を構成する全ての人のためにある。格差を是正するために社会保障がすべきことは、社会から落ちこぼれる人をつくらないこと。みんなが普通に働いて普通に生活していける社会をつくるのが社会保障の役割であると香取教授は述べています。共感するところ大でありますので紹介させていただきました。
 奨学金制度も教育格差を是正する社会保障の一つであります。前置きが長くなりましたが、具体にお聞きしたいと思います。
 現行の奨学金給付事業についてお聞きします。この事業は、平成25年12月第4回定例会において、補正予算110万円が奨学金給付事業として、初めて計上されました。この際の質疑では、「子どもたちの学ぶ機会の拡大という観点から、継続していただきたい。この制度が永年的に築き上げられるものであれば一向に値する。」という質疑に対し、「寄附者の意向で、今年度限りである。将来的に児童・生徒のために有効な方法と思うが、基金までは考えていない。」という答弁でありましたが、その後も奨学金給付事業は継続実施され、27年度から30年度までは110万円の予算、令和元年度から3年度までは120万円の予算で推移しており、各年度とも高校への入学準備費用として卒業生1人当たり10万円で使い切っております。いずれも事業の原資はふるさとづくり基金の積立金を活用しております。この間の質疑では、「恒常的な奨学金制度にしてはどうか。拡充してはどうか。」という質疑が繰り返し行われており、執行機関からは「寄附者の意向に沿って実施していること。生徒の家庭の状況や学業等の状況なども判断し、学校長の推薦により決定していること」の繰り返しの答弁であります。残念ながら、交わることのない質疑・答弁がこの間、行われておりますが、私は発想を変えて、新たな奨学金制度の在り方を考えてはどうかと思いますが、この件については後ほど、事例を含めて質問します。ここでは、現行の奨学金給付事業についてお聞きします。奨学金給付事業実施要綱によると、事業の対象者は、父母の交通事故等により遺児となった生徒、交通事故等により身体的に重度の障害がある生徒、家庭の経済事情等により進路選択をする上で支障がある生徒について、生活全般を通じて、中学生としてふさわしい態度・言動で過ごし、将来良識ある社会人として活躍できる見込みがあり、高等学校等へ進学後も継続して勉学に励み、かつ、学習意欲のある者を対象者として中学校長が推薦し、推薦後は、教育長、総務部長、健康福祉部長、教育子ども未来部長、小学校長の代表で組織する委員会で審査し、その意見を徴して市長が決定するとの手続となっております。生徒・保護者からの申請方式ではなく、推薦方式で選考し決定しております。生徒の家庭の経済事情等や進学に向けての状況を把握している中学校長からの推薦方式は妥当なものと思いますが、こうした選考の手続で問題や課題はないのか。中学校長の推薦に当たり、学校内での先生方の話し合い等は行われているのか。生徒・保護者から改善を求める意見はあるのか。推薦方式を原則としつつ生徒・保護者からの手挙げを認める考えはあるのか。奨学金給付事業は適正に実施されているのか。取り残されている生徒はいないのか。現時点での評価及び課題についてお聞きします。
 奨学金の決定に際し、出身中学校の校長の推薦に当たっては、担任を始め3年生を担当する教員で構成する学年会で協議し、その中で、経済的に恵まれない環境の中でも、家族を助けながら、学業や部活動に励んできた生徒が選考されています。進学にあたり、他の奨学金の利用予定者がいることや、手挙げによるものは、当否が難しいと考えています。
 この寄附者のご厚意に対しては、進学後も充実した高校生活等を送ることができているといった感謝の気持ちが届けられています。
 この事業は、経済的に恵まれない家庭への支援として、教育の機会均等に寄与しているものと評価しており、現時点では、現在の運用方法で奨学金給付事業を継続していきたいと考えています。

② 奨学金給付事業の拡充について問う。
問-1奨学金給付事業の拡充についてですが、細かく3点お聞きします。要綱の第2条に支給対象者の定めがあります。その中の「交通事故等」とか「家庭の経済事情等」の表記の「等」の範囲をどこまで運用するのか、恐らく事案を見ての解釈になろうかと思いますが、例えば、地震や風水害などの災害、父母や生徒が犯罪被害者となる場合、コロナ禍で家計が急変する場合など生徒の置かれている状況を幅広く支援する考えで対応されるものと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 この事業については、交通事故や病気、災害や犯罪被害者、コロナ禍での家計の急変など、原因を問わず、経済的理由により進学に不安を抱える生徒に対して奨学金を給付することで進学援助を行い、教育の機会均等を図ることが趣旨となっていますので、その趣旨に沿った運用を行っていきたいと考えています。

問-2予算の増額についてですが、事業創設当初から平成30年度までの予算額は11名分、110万円でありましたが、令和元年度から3年度までは10万円が増額され、12名分、120万円の予算となっております。この件は、予算案、決算案において繰り返し増額を求める質疑が行われていますが、執行機関の考えは「寄附者の意向に沿って実施している。」とのことです。この事業の原資は、ふるさと納税の寄附金であり、その意思は尊重すべきであります。それならば、一般財源を多少投入して、予算額を増額することが、寄附者の意向を尊重し充実した事業になるのではないかと思いますが、予算額の増額について、どのようにお考えでしょうか。
 令和3年度も寄附額に合わせて、予算額を計上し、この3月、市内中学校を卒業し、高等学校等へ進学した生徒12人に対して、1人当たり10万円の奨学金を支給しています。
 国や愛知県でも、令和2年度から国の就学支援金制度と愛知県の学費補助が大幅に拡充されたことに伴い、低所得世帯の授業料の負担は軽減されています。
 また、国の給付型奨学金事業として、授業料以外の教育費の負担を軽減するための制度もありますので、そちらの運用も注視していきたいと考えています。現時点では、寄附者の意向に配慮して、今後も寄附の活用により事業を継続することを考えています。

問-3 低所得世帯への公的支援についてです。本年5月10日付けの朝日新聞に、低所得世帯の高校生が大学進学をめざすにあたって、塾代や受験料などの負担が重く、受験自体ができない高校生もいる。公的支援の拡充が求められている旨の記事で、それによると、受験料や入学金などの費用の合計は、国公立大で平均約177万円、私立大で約189万円であります。こうしたなか、東京都は2008年度から、塾代や受験料を出すのが困難な世帯の中学3年生、高校3年生を対象に「受験生チャレンジ支援貸付事業」を実施しており、その貸付資金の内容は、学習塾等受講料は上限20万円、受験料は、中学3年生は上限2万7400円、高校3年生は上限8万円を無利子で貸し付け、高校や大学に入学すれば、返済は免除されます。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、収入が減少した世帯も利用できる制度です。こうした東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、他の自治体にはない、東京都独自の制度のようですが、本市の奨学金給付事業の拡充策として、検討してはどうでしょうか。
 ご紹介のありました事業は、単なる貸し付けとしてだけでなく、高校や大学等に入学した場合、申請により、返済が免除されるということですので、経済的に困難な状況にある子どもたちにとって有意義な事業であるとともに、貧困の連鎖の防止という観点からも有効であると考えております。
 この事業は、都や社会福祉協議会が主体となり、大きな財源を確保した上で実施されるような事業ですので、今後、研究していきたいと考えております。


(2) 地域の金融機関と連携し「奨学金制度」を促進してはどうか。
① 教育格差を生む要因は何かについて問う。
 文部科学省の令和2年度学校基本調査によると、高等教育機関である大学、短期大学、高等専門学校への進学率は、83.5%で過去最高であり、そのうち大学進学率は54.4%で、これも過去最高となっております。では、親の所得格差がこの大学進学率にどのように影響しているのかですが、内閣府の平成28年度子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究報告書によると、親の所得が800万円以上の家庭の進学率が約6割を超えるのに対し、親の所得が400万円以下の家庭の進学率は約3割しかありません。大学は義務教育ではありませんが、将来の人材育成や人的資本の形成を考えると、大学に進学したいのに、その希望が閉ざされることは深刻な問題であります。親の所得で子どもの将来が決まるという貧困の連鎖が若い世代から夢や希望を奪っているのが現代社会であると思います。
 教育は、人の成長の源であると同時に、格差是正の機能があり、子どもの環境の諸事情を乗り越えて貧困の連鎖を断ち切る鍵となります。
 教育には金がかかります。その教育費用は誰が負担するのかについては、一般的に「公的負担」「自己負担」「親負担」に区分されます。学生自らが奨学ローンなどで借金をするケースも多々あります。
憲法26条では教育の機会均等が謳われており、2020年4月から、高等教育の就学支援制度、いわゆる大学無償化が始まりました。これは、経済的な理由で学ぶ機会が失われることがないよう就学を支援する制度で、その支援内容は、授業料と入学金の減額や免除、給付型奨学金の支援拡充でありますが、対象となる学生は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生で、年収380万円未満の世帯の学生に限定されています。そのため、支援制度の収入基準に当てはまらない「中所得者」は自分で授業料や入学金、学生生活を送るための生活費を捻出しなければなりません。今の日本は「親負担」が主流ですが、中所得層そのものが正規と非正規の雇用という2極化の環境にあります。先ほど香取教授の発言にありますように、中所得層という中間層が崩壊しかねない状況にあります。層の厚い中所得層への支援が給付型奨学金制度の次への課題ではないかと考えます。
 昨年からのコロナ禍で、教育費用の「親負担」も学生自らの「自己負担」も、収入の減収や雇止めなどの雇用環境の悪化で大学等を休学、退学せざるを得ない状況にあり、昨年4月から12月までに休学した学生4434人、退学した学生1367人で合計約5800人に上っているという文部科学省の調査があります。今年に入ってからの第3波や変異ウイルスが主流となる第4波で、さらに困窮世帯の学生への影響が懸念されるところであります。こうしたコロナ禍の状況に対し、各大学においては学生への様々な支援策が講じられています。最近の報道(令和3年4月28日付け朝日新聞デジタル)によると、京都大学は経済的に困っている研究者志望の学生を支えるため、民間の賛同者から集めた寄附を原資に25億円の基金を新設し、来年度から返済不要の奨学金として月5万円から10万円の給付を検討しているとのことです。こうした動向に接すると、自治体として何かできることがあるのではないかとつくづく思います。
 教育格差の問題は、教育費用の負担だけの問題ではありません。所得が低い家庭の場合、生活することで手一杯となり、小さい頃から学習の環境に恵まれないなど教育環境をめぐる様々な格差が積み重なっており、お金だけでは解決できるものではありません。市が進めている生活困窮世帯の子どもに対する学習支援や進路相談、土曜学習などは小さな取り組みではありますが、やがて大きな成果を上げていくものと思います。
前置きが長くなりましたが、教育格差を生む要因は何であるのか、その要因を取り除くための施策は、どのように展開するお考えなのかをお聞きします。
 教育格差は、保護者の経済状況や家庭環境など、様々な要素が影響し合っているものと考えています。
 経済的に厳しい家庭や子どもたちが十分な愛情を受けることができず、学習する環境が保障されていない事例があることも、残念ながら存在しており、経済状態も含めて、このような生活環境が子どもたちに影響を与えていると考えています。
 そのため、学校現場において、経済格差が単純に教育格差につながることのないように、相談支援や土曜学習、トワイライト学習等、授業後の学習支援に引き続き努めてまいりたいと考えています。

② 相談体制について問う。
 世代をまたいでの貧困の連鎖を断ち切り、教育の機会均等を保障するための一つの方策として充実が期待されるものが「奨学金制度」であります。
奨学金は給付型と貸与型に分けられます。大学進学者の2人に1人が利用していますが、収入条件などにより対象者が限定されていたり、返済が必要な奨学金もあります。給付型は利用条件に制約があるため、多くの学生は貸与型を利用している状況にあります。
 現在の奨学金制度の仕組みは、一言で言うと複雑で分かりにくいものです。奨学金は、国や地方自治体の「公的」なものと企業や資産家の出資、善意の寄附金などで運営される「民間」のものがあり、それぞれ返済が必要な「貸与型」と返済の必要のない「給付型」に分かれますが、返済しなくていい給付型は成績と家庭の収入状況で審査され、誰でもその恩恵に浴せるものではありません。貸与型の奨学金は、返済時に利息の付く有利子のものと、利息の付かない無利子のものがあります
 全国の奨学金の制度数は、2016年度の統計によると、国、地方自治体、学校、民間団体が実施しているものは総数で11204制度あります。その中で、最大なものが、日本学生支援機構が運営する奨学金制度です。この機構は以前、日本育英会の名称でしたが、2004年に育英会が廃止され、機構に奨学金事業が引き継がれています。この機構は、文部科学省所管の独立行政法人で、日本のすべての奨学金事業予算額の約90%を占めており、2017年度の統計によると、年間貸与人員は129万人、年間貸与額は1兆156億円とのことで、多くの学生がこの機構の奨学金に頼っている状況です。機構の貸与型奨学金には無利子と有利子の2種類があり、上限利率は3%までと制限されています。2019年度の実績によると、月額の貸与額は、無利子の場合、2万円から6万4千円までと家庭の収入、国公立か私立か、自宅から通学か自宅以外からの通学かによって貸与月額が異なります。有利子の場合の貸与額は、2万円から12万円までの中からの選択となります。貸与イコール借入でありますので、返済を保証する連帯保証人や保証人という人的保証とか保証料が伴う機関保証が必要となります。なお、機構が保証人に全額返済を求めた訴訟について、先月13日、札幌地裁の判決は「支払い義務を超えた奨学金の返済は無効」と判断し、機構に返還を命じております。このように保証人を立てて借り入れる仕組みの是非が問われています。
こうした奨学金については、全国の高校で、3年生の1学期に機構のパンフレットが配布され、説明会が開かれたりするとのことですが、奨学金制度が複雑なため、分かりにくいと言われています。また、卒業後は返済が始まりますが、奨学金を滞納した場合、3か月を過ぎた時点で、個人信用情報機関に奨学生の個人情報や滞納履歴などが登録されます。いわゆるブラックリストです。滞納4か月目からは、機構の手から離れ、民間の債権回収会社に回収業務が委託され、督促を受けることとなり、それでも滞納が続くと、9か月目には裁判所に支払い督促の申し立てが行われ、給料の差し押さえなど法的措置の手続きが取られます。
 また、民間金融機関の「教育ローン」を始めとする貸与型の奨学金は、一部を除いて、実質的に「借金」と同じで、利息も含めて返済義務があります。卒業後は多額な「借金」というマイナスを抱えて社会人となりますが、利用者の中には、返済ができずに破綻したり、返済を延滞せざるを得なかったりするケースが少なからずあり、社会問題化しております。現在の雇用環境、特にコロナ禍にあっては、思うように就職ができなかったり、パートやアルバイトという雇用の存続も危うくなっております。その意味では、奨学金はメリットもあるが、リスクも大きいと言えます。
 そこで質問です。複雑で分かりにくい奨学金について、基本的に在学する高校で対応されるものと思いますが、生徒や保護者から市に相談や問い合わせがある場合、市の業務として、どのように対応されるお考えでしょうか。相談体制は整っているのでしょうか。
 大学進学に当たっての相談として、子育て支援課では、母子家庭等の方が対象となりますが、修学資金の貸付けの相談を受け付けております。
 また、生活自立支援相談室においては、生活困窮者の相談を受ける中で対象者がいれば、国の奨学金制度や社会福祉協議会の教育支援費などの制度を紹介しています。

③地域の金融機関と連携し「こいのぼり奨学金制度」の創設及び促進を。
 教育格差の問題を地方創生の視点からも捉えることが必要ではないかと思います。第5次総合計画及び第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略のスタート年にあたり、市独自の「奨学金制度」として、子どもの健やかな成長や立身出世を願う特産品の「こいのぼり」の名を冠した「こいのぼり奨学金制度」を、地域の金融機関と連携して創設し促進してはどうかと考えます。この制度の要は、奨学ローンは地域の金融機関が行うもので、市は、その元金と利息を一定の条件の下、負担するものです。既に実施されている事例を紹介したいと思います。
 鹿児島県長島町の「ぶり奨学プログラム」です。この町は、八代海に面し大小23の島々から成り立っています。町内に高校も大学もないため、高校時代から町外に出ることになり、卒業後もほとんどの若者が町の外で働くこととなり、若者人口の減少が続き、消滅可能性自治体の一つに掲げられています。
 長島町では、地方創生や地域の活性化の観点から、地域の信用金庫(鹿児島相互信用金庫)と2015年11月に「ぶり奨学金制度に関する連携協定」を締結し、政策や制度設計に取り組み、2016年3月から「ぶり奨学金制度」を導入しております。ちなみに「ぶり」という名称を冠にしたのは、長島町はぶりの生産が日本一であること、回遊魚かつ出世魚のぶりにあやかり、卒業後は地元に戻ってリーダーとして活躍してほしいとの願いを込めて名付けられています。
 人口減少という課題を解決し、関係人口を創出しながら移住・定住促進につなげていく仕組みとして生まれたのが「ぶり奨学プログラム」で、教育ローンの充実や就職のために情報環境の拡充を目的とした取り組みです。
 資料の中の「ぶり奨学プログラム」をご覧いただきたいと思います。
 この「ぶり奨学プログラム」の特徴は、奨学金を得た学生が高校や大学を卒業後、10年以内に地元に帰ってきて就職や起業を行えば、奨学金の返還を免除するという仕組みです。このプログラムの基本スキームは、ぶり奨学金助成制度、ぶり奨学ローン制度、ぶり奨学金寄付制度、ぶり就職・起業支援制度、ぶり交流制度の5つの柱から構成されています。自治体により企画された独自の奨学ローンを金融機関が実施した事例としては全国初で、金利は1.5%と一般的な金融機関の教育ローンや国の教育ローンより低く(2020年3月末現在)、利息は長島町が負担し、高校生には月額3万円、大学生・大学院生・専門学校生等には月額5万円を支給するものです。高校・大学等を卒業後は、一旦毎月奨学金を返済していき、卒業後10年以内に長島町に戻って申請すれば、移住の翌年度から10年間かけてすでに返済した元金分の補填として還付金が長島町から支給される仕組みになっています。高校から大学院まで通った場合は最大468万円プラス利息分が補填されることになります。
 真ん中の図表2は、大学卒業直後に町内に居住した場合のモデルで、高校3年間と大学4年間の7年間に奨学金が給付され、大学卒業後から奨学金の元金分の返済が始まりますが、同時に町から元金分の補填があり、返済期間の10年間は補填されます。利子分は在学中、在学後も含め、全額補てんされます。
 図表3は、高校卒業後の3パターンのモデルです。1番目のパターン 高校卒業後に町外に移住した場合は、元金の補填はなく、高校3年間と卒業後の10年間の返済期間の利子相当分のみ補助されます。2番目のパターンである高校卒業後、町内に居住した場合は、高校の3年間と高校卒業後の10年間の利子相当分と、元金全額が町から補助されます。3番目のパターンは、高校卒業5年後に町内に居住・就職した場合は、13年間分の利子相当分の補助と、町外転出期間の5年分の元金は最終的に補助され、期間が18年になるものの、実質、元利相当額全額が補助されるものです。
 地元に戻った若者が受け取る還付金の原資は、町が2016年に創設した基金から元金相当額を補填するもので、町の予算として当初に1億円の基金が用意されております。また、地元で獲れたぶり一匹当たり1円を基金に寄附したり、信用金庫が寄附商品を開発したり、ふるさと納税の一部を充てたり、町民からの賛助金などが原資として集まっています。
 2016年3月にスタートした奨学ローンは、毎年35名から40名程度が申請し、2020年3月末時点で累計183名の学生に支給されており、そのうち46名は高校や大学を卒業し、奨学ローンの返済が開始しているとのことです。46名のうち、地元に帰ってきた若者は11名ほどで、Úターンを促す効果と実績が出始めているとのことです。
 「ぶり奨学プログラム」」の画期的な点は二つあります。一つは、高校・大学等を卒業後10年間かけて返済・補填する期間は、制度として持続するという長い制度であること。そのために地域の信用金庫と協定書を締結したこと。さらには、ふるさと納税や町民からの寄附が原資の一部であり、行政だけの負担ではないことから、将来の町長や議員から「もうやめた」ということは言いづらくなるだろうし、町のみんなが支える奨学金だから「無駄遣いはやめよう」という気持ちが生まれることになります。もう一つは、これまでの移住定住政策は「100万円あげます」など他の自治体との移住者獲得競争が目につきますが、ぶり奨学プログラムは、子育てしやすく、出身者が戻りやすくするもので、他の自治体と競争するものではないことです。
 長島町のぶり奨学プログラムは、他の自治体でも制度化されており、富山県氷見市の「ぶり奨学ローン」、群馬県下仁田町の「ねぎとこんにゃく下仁田奨学ローン」、愛媛県上島町の「ゆめしま奨学金制度」、鹿児島県南大隅町の「ネッピー・みさきちゃん奨学ローン」とユニークな地元ならではの名称で、長島町とほぼ同様な形で導入されています。
  この制度の真骨頂は、行政が奨学ローンを始めるのではなく、民間主導として地域の金融機関が地方創生や地域の活性化のために、将来を担う子どもや若者に対して教育投資ができるかどうかにかかっていると思います。
地方創生は行政だけの課題でありません。岩倉の地で生活し、営業する全ての市民、事業者も含めて考えるべきことで、それぞれが持つ強みや役割を発揮してこそ、トータルとしての地方創生が成り立つと考えます。そこで、お聞きします。家庭の経済状況に関わらず、学ぶ機会を保障する奨学金制度の仕組みづくりと、地方創生の地域活性化の取組をリンクさせ、事例にあるように、行政の予算とふるさと納税など市民の寄附によって運用する基金を設置し、地域の金融機関に働きかけて金融機関主導型の「こいのぼり奨学金制度」を創設し促進してはどうでしょうか。
 ご紹介していただいた奨学金制度は、地域の金融機関やふるさと寄附金を活用するなど、優秀な人材を地元に戻ってもらうようにすることによるメリットもあり、大変すばらしい制度でありますが、市の政策としての考えと財源、そして金融機関との連携が重要なものとなりますので、今後の研究課題としていきたいと考えています。

④ 教育格差是正について、教育長の所見を問う。
 教育長は、コロナ禍という「予測困難な時代」の中、教育行政の舵取りをされて見えることに敬意を表するものであります。就任9か月を迎えて、現在、どのような思いをお持ちなのか、その心境の一端を答弁の中でお聞かせいただければと思います。
 教育長を拝命するにあたっての決意表明、その後の一般質問に対する丁寧かつ的確な答弁を拝聴し、教育行政を主導する教育長として、最適任者であることを実感しております。また、新学習指導要領に示された「主体的に学び続ける力の育成」や「社会の開かれた教育課程」という趣旨に沿った質の高い教育のしくみづくりへの取組について、どのように手腕を発揮されるのか、期待するところ大であります。
 昨年12月定例会における宮川議員の一般質問に対する答弁の中で、教育長は「ひながかえろうとするときに、卵の内側からひながつつくタイミングと親鳥が外側からつつくタイミングとが一致していることが大切である」という「啐啄(そつたく)同時(どうじ)」という禅語で教育行政の果たすべき務めを答弁しております。
 これからの子どもたちに求められるものは、グローバル・スタンダードとしての資質・能力の形成です。ただ学ぶだけでなく、学んだことを基に何ができるかを考え、それを自分の生き方につなげていくといった「主体的に学ぶ続ける力の育成」です。教育長が表現された「啐啄同時」という言葉は、共生社会に生きる子どもの教育として、教え教えられるフラットな関係性として心に響く言葉です。
 そこで、この機会にお聞きすることは、一般質問のテーマである教育格差を是正するための施策「家庭への支援」について、どのようなお考えで取り組むのでしょうか。貧困の連鎖を断ち切り、子どもたちの学ぶ機会を保障し、若い世代が夢や希望を持てる社会、まちづくりのために、教育行政としての方向性はどうあるべきか、教育長就任9か月を迎えての思いも含めまして、お聞きします。
 教育格差に対する質問ですが、教育格差は生まれ育った環境によって、受けることができる教育に差が生じることであると捉えています。貧困などが原因で、塾や習い事に通えない、あるいは上級学校に進めないなどが主に指摘され、教育格差であると認識しています。経済的な状況に関わって、深刻なのが、その子供の成長を共に喜ぶ大人の存在がないために、あるいはそのゆとりがないために、学ぶ意欲そのものが育たないということがあるのではないかと思います。子どもの発育、発達にとって、発達段階に即した適切な刺激が必要不可欠と思います。2年生の子どもがなぜ一生懸命に九九を覚えるのか。それは九九を覚えておけば将来、役に立つだろうとか、あるいは生活に役立つから九九を覚えておこうと考える2年生は一人もいません。なぜ子どもが九九を覚えるのかというと、大好きな先生が覚えなさいというからです。大好きな先生が励まし、寄り添い、見守り、できるようになると褒めてくれるから覚えるのだと思います。生まれたときから豊富に言葉をかけられ、笑顔を向けられて育った子どもは、自分が愛されていることを自覚して、その期待に応えようとします。すなわち、その子の成長を期待し、見守り、肯定的に評価する大人の存在が自己肯定感や向上心を養うことになると思います。しかし、頼れる親族が近くにいない世帯では、教育にまで手が回らない家庭も少なからず存在します。そのような家庭では、子どものやる気や自信を育てることができません。その意味では、そうした家庭が一番欲しているものは、教育にまで目を向けることができるゆとりを得るためのマンパワーかもしれません。それぞれの家庭に寄り添い、一緒に家事や育児を行うことで、育児に向き合うエネルギーを得るための伴走型の支援が求められていると言えます。これが市長が掲げている教育格差への対応も含めた子育て世帯包括支援の考え方と理解しています。経済的な支援に加えて、教員はもちろんのこと、保健師や保育士、民生委員やソーシャルワーカー、NPO、ボランティア、スクールカウンセラーなど子育て世帯に関わることができる大人が、それぞれの立場で連携し、ときには民間の力を借りつつ、切れ目のない人的な支援を行うことが、教育格差の是正には大切だと考えます。どのような支援が必要なのか。様々な選択肢を視野に入れつつ、できることから整えていくことによって、未来のみちづくり人である子どもたちを社会総がかりで育てることができる岩倉市となるよう努めてまいります。

毎回、教育長の話を聞いていると、自分自身が教えられているような感じがします。成長に終わりはないと思います。伴走型の支援、切れ目のない支援を施策として続けていくことでは、市長と教育長は息の合ったコンビというと失礼ですが、そういった形で教育行政を進められるだろうと思います。本年度は、教育振興基本計画中間見直しの年でありますので、質の高い教育のしくみづくりの取組、教育基本理念の実現を目指し、大いに手腕を発揮されますよう、ご期待を申し上げまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。質問と答弁のほぼ全文を掲載したため、かなりの長文となっております。時間にして約50分間の一般質問でした。
  

Posted by mc1397 at 20:10Comments(0)TrackBack(0)