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mc1397

2016年07月14日

行政視察報告

行政視察を報告します。
 平成28年7月11日(月)、12日(火)に、市議会創政会の一員として、視察に行ってきました。その内容を次のとおりお知らせします。
(1)静岡県磐田市
 説明者:議長、建設産業委員会委員長、議会事務局長、主任
 調査事項 「磐田市中小企業及び小規模企業振興基本条例について」
 主な内容は次のとおり。
①条例制定の背景
・磐田市議会の会派から、議会による中小企業等の振興を目的とした条例制定の提案があった。
・この提案を各会派の代表者が協議し、(仮称)中小企業振興基本条例策定検討会議の設置を決定した。策定検討会議は、副議長を座長に、全会派から選出された委員7人の合計8人で構成した。
②策定検討会議の活動内容
・平成26年7月から平成27年1月までの間、14回の会議を開催し、中小企業振興基本条例の先行事例の研究、市執行部・商工会議所・商工会などからの報告、意見交換、調査等を行って、中小企業等の現状を把握し、条例案について協議した結果、全員の総意により「磐田市中小企業及び小規模企業振興基本条例(案)」を取りまとめた。
・条例(案)の特徴的なものとして、「議会の責務」の条文を決定したこと。この規定は、議会が中小企業及び小規模企業の振興に関し、市長等の事務執行の監視・評価を行うとともに、中小企業等の声を市政に直接反映するため、政策提言に努めるとしたもので、議員提案政策条例に議会自らの姿勢を明確にしたものである。
・「議会への報告」については、市執行部と協議、調整を行った結果、資料作成が大変であることから執行部の理解が得られず、条例に規定しないこととなった。その代案として、「中小企業及び小規模企業振興基本条例第4条(議会の責務)に規定する監視及び評価で行うこととする執行部の報告並びに政策提言について」を確認事項とした。
・企業訪問による実態把握調査・・・109社を委員3班にて訪問し実態を把握した。
・磐田商工会議所との情報交換会
・磐田労働基準監督署及びハローワークとの情報交換
・先進地視察・・・熊本県合志市、静岡県富士市
③条例案検討に当たって留意した事項
・議会事務局職員が担当したが、法制執務に詳しくないことから、執行部の例規担当との条文の確認が必要であった。
・議会から提案する政策条例であることから、市執行部との調整に気を遣った。施策を推進する上で、当局の協力が必要との思いと議会の思いが合致しない点で難航した。
④「磐田市中小企業及び小規模企業振興基本条例」は、市議会初の議員提案による政策条例として、平成27年2月定例会最終日(3月24日)に提案され、全会一致により可決した。

■質疑応答
問 条例第10条に「協議の場」の設置とあるが、その実施状況は。
答 条例の施行前から、魅力産業支援会議を設置しており、「協議の場」はそれを想定して規定したもので、議会はそのメンバーに入っていない。
問 条例制定後の議会の動向はどうか。
答 2年間位をかけて、計画を委員会で策定したい。第4条の議会の責務をどう果たしていくのかが問われている。
問 検討会議の8人の委員で企業訪問を始め条例案の検討など大変な業務であったと思うが、議会事務局職員の支援はどうであったのか。
答 事務局の支援はあったが、報告書などは議員で作成した。
問 事務局の役割は何か。
答 市執行部との条例素案の協議などを行った。条例制定後は執行部の業務となるので、連絡調整を行う。
問 具体的な施策は。
答 本年5月に施策の中間報告を受けている。
問 ハローワーク訪問の趣旨は。
答 求人の市内状況調査として行った。
問 会派間の調整は難しかったのではないか。
答 議員同士の信頼関係が大事と思う。

■所感
 岩倉市では毎年、市商工会から商工業の振興や活性化の陳情をいただくが、それが具体的な施策につながっていないのが現状である。市の予算も補助事業としての振興策はあるものの、独自施策は弱い。市の執行機関と商工会との協議や連携は、桜まつり、夏まつり市民盆踊り、市民ふれ愛まつりなどイベントレベルでは緊密な関係であるが、中小企業や小規模事業者の商工振興策となると、なかなか結実しないのが現状である。こうした状況を打破し、議会からアクションを起こすべきではないかとの思いから、磐田市の事例を勉強させていただいた。中小企業や小規模事業者の実態把握、経済団体や公的機関との情報交換、各会派間の協議・調整などを経て条例案へとまとめるのはなかなか至難の業であるが、こうした政策提案を行うべき力を付けつつ、より市民のためになる政策案づくりを進めることが求められていると感じた視察であった。

(2)静岡県菊川市
 説明者:議長、議会事務局長、企画財政部長、企画政策課長他
 調査事項 「総合戦略・農学芸スクール事業の内容について」
 主な内容は次のとおり。
①農学芸スクール事業の位置づけ
・「菊川市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に位置づけられている事業の一つ。
・総合戦略の基本目標のうちの「抜群な子育て環境で家族が幸せに暮らせるまち」の施策として位置づけられ、併せてシティプロモーションの実施にもつなげるもの。
・人口ビジョンとして、2040年には41,563人(本年7月1日現在、47,980人)、2060年には36,000人を確保する。(岩倉市は2040年には43,000人を目指す)
・菊川市の人口動態は近年、自然動態(出生・死亡)では死亡が出生を上回り、社会動態(転入・転出)では転入が転出を上回っている。
・インターネットアンケートによると、首都圏では「菊川市を知らない人」が57%、菊川市を訪れた目的は「目的地に行くとき通過する」が25.6%、「出張や会議」が17.9%の状況である。
②農学芸スクール事業の主旨・目的・事業内容
・主旨、目的・・・小中学生のコミュニケーション力や論理的思考力など「生きる力」を育むため、農業を軸に学校や家庭では体験できない成長機会を提供する。総合戦略の目標である「地方への新しい人の流れをつくる」ことを目的に、首都圏の親子などに菊川市を第2のふるさととして認知、訪問してもらうため、農業体験や地域住民とのふれあいの場を提供する。
・事業内容
カリキュラムの整備・・・参加児童や生徒の「生きる力」や「起業家精神」を育む仕組みを構築するため、大学教授や教育、農業などの専門家の協力を得てカリキュラムを策定する。策定会議月1回開催。
通常企画の実施(通称:菊川ビレッジ)・・・市内児童・生徒から希望者を募り、拠店農地を中心とした農業体験、加工や流通を含めた各種学習プログラム、販売体験などを実施する。
長期休暇企画の実施・・・主に首都圏在住の児童・生徒親子を対象に、宿泊を伴う農業体験スクールを開催する。夏休み2回、冬休み1回の予定。
法人の立ち上げ準備と広報・・・継続的な人材育成事業とするため、地域で運営する体制を構築するための法人の立ち上げ準備を進める。事業活動等の情報を積極的に首都圏等へ発注していく。
③農学芸スクール事業の運営体制
 農学芸スクール事業事務局・・・菊川市が(株)エムスクエア・ラボに委託し、5名で事務局を構成((株)エムスクエア・ラボから3名、(株)JTBコーポレートセールス企画開発局旅いく推進室から2名)。事務局を支える体制として、カリキュラム策定委員会(大学教授3名)、地域サポーター(営農指導者、大学生、高校生)、企業サポーター(地域金融機関等)を配置している。
④カリキュラム&スケジュール(中学1年生から3年生までを対象)
2016年6月~8月末・・・チームワークを醸成し、農業を知る。受入れ体制を整える。
9月~2017年3月・・・作付から販売までの一連の農業を体験する。
2017年以降・・・販売計画(作付計画)、種の調達仕入、商品企画、販売準備などの農業経営を経験する。
⑤農学芸スクール事業の概要
拠点づくり(市内児童・生徒の募集、拠点づくり、農地づくり、周辺との連携)
・経営戦略室・・・空き家を事業の経営戦略室として活用する。生徒たちの部屋として学習の場、農機具等の保管場所として利用する。
・拠点農地・・・不耕作であった農地(およそ1反)を賃借する。
生産(米、野菜など計画を立てて栽培、指導は地域ベテラン農家)
・先端テクノロジーを活用した生産・・・エムスクエア・ラボが専門とするデータサイエンスやメカトロニクスを活用した生産の体験。
商品づくり(地域の加工業者と商品づくり、収穫した野菜等の販売、流通や販売方法の体験学習)
第2のふるさと(首都圏等の親子を対象とした長期休暇企画の開催、商品の首都圏での販売など)
⑥農学芸スクール事業の目指すもの
●移住先は過去に縁があった場所
●優秀な人が居る所に優秀な人が集まる
 
■質疑応答
問 菊川市の農業の状況は。
答 お茶の生産には厳しい時代で、廃業・縮小の方もいる。他方、水田など農業生産法人は増加している。
問 企画政策課で農学芸スクール事業を推進しているが、庁内の連携はどうか。
答 事業を通じて移住や定住化を進めるが、教育委員会や農業担当などと横断的に推進している。
問 ベテランの農家が指導しているが、ボランティアかどうか。
答 謝金を支払っているが、ボランティアの方もいる。
問 商品の販売先は。
答 エムスクエア・ボラで販売体験をするが、販売先は市内のスーパー、県内のショッピングセンター、東京のデパートなど。
問 中学生を対象とするとのことだが、学校との関係はどうか。
答 中学生が対象で、3年間の部活動と捉えている。生産、販売などの一連の流れを体験する。
問 現在の農業の状況は。
答 子どもの参加は日曜日のみのため、栽培しやすく、加工しやすいハーブやゴマを植え付けている。次年度以降は子ども自身で考えてもらう。
問 学校側の考えは。
答 校長の考えにもよるが、学校の活動とかぶらなければ了解とのこと。現在は中学生13人が登録している。

■所感
菊川市は地方創生・総合戦略の一つに「農学芸スクール事業」を重点にし、人口減少の防止策として移住、定住化を目指している。首都圏からは2時間の位置にあることから、対象を首都圏としている。東京一極集中が進む中、着想としてはユニークな事業ではないかと思う。昨年度、全国的に国の肝いりで進められた地方創生・総合戦略は、いかに人口減少を食い止めるのかが焦点となっている。岩倉市は南部の川井・野寄地区の農用地を工業化する戦略を立てている。雇用を生み出し、定住化を進めるものである。ほぼ同規模の人口を有する菊川市とは戦略の立て方が大きく異なるのは、両市の置かれている地域性によるものである。地方創生に正解はないと思う。将来を見据え、地域性を活かし得ることがまちの存続のカギを握るのではないかと思う。本年度からスタートした菊川市の「農学芸スクール事業」はまだこれから実践段階へと進む中での視察となったが、地域資源や人材を最大限活用するという着想には学ぶべき点があると感じた。3年間の期限付き事業とのことであるが、3年後にどう展開されているか、再度訪れたい菊川市である。
以上  

Posted by mc1397 at 22:43Comments(298)TrackBack(0)