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2014年11月21日

研修報告

平成26年度第3回市町村議会議員特別セミナー報告書
平成26年11月21日
報告者 黒 川  武

1研修期間  平成26年11月17日(月)~18日(火)
2研 修 先  全国市町村国際文化研修所(大津市)
3研修内容
○11月17日(月)
■講義「地域の社会経済の存続に向けた行財政システムのあり方」
    講師 沼尾 波子 氏(日本大学経済学部教授)
 主な内容は次のとおり。
1.日本経済の展望と地域の戦略
1) 名目GDPの推移
・平成24年 59,359億ドル 世界第3位 世界に占める割合8.2%
平成6年 48,600億ドル 世界第2位 世界に占める割合17.8%
*世界に占める割合は落ち込み、日本の国際的地位は低下している。アベノミクス戦略は割合の増加を目指している。
*平成24年の主要国
第1位 アメリカ 162,446億ドル 世界に占める割合22.4%
第2位 中国    82,241億ドル 世界に占める割合11.4%
2) 経済活動別(産業別)GDPの主要な構成比(平成24年)
・農林産業 1.2% 割合は高くない。付加価値を付けるのは限界で、成長戦略でどこまで売れるのかが課題
・サービス業 19.9% 割合は高い。
・第3次産業が74.9%で、これが日本の経済活動の姿である。
3) 3つの生産要素
・土地・・・増えないし、変わらないもの。
・資本・・・どのくらい投下できるのか。
・労働力・・人口減少、担い手減少、生産年齢人口の減少
・3つの要素にプラスされるのが情報と技術
*生産水準をどう維持するのかが課題である。
*戦略はいろいろある。外部の人材に依存するのか、オンリーワンの資源・人材・技術で生き残れる経済基盤をどう構築するのか。価格競争で生き残りは困難である。
*地域の特性を見極め、付加価値をどう付けていくのか。
2.いくらあったら暮らせるか?
1) 3つの経済システム・・・どういう社会を描くのかにより異なる。
・市場(交換)・・・貨幣
・政府(再分配)・・・行政サービス
・社会(互酬)・・・地域の助け合い
2) 現金収入がいくらあれば暮らせるか?
・東京の若い人は金がないと生活できないという危機感がある。田舎では金がなくても生活できることへの驚きがある。東京にこだわらない人が増加している(移住の増加)。
・全国消費生活実態調査では年額350万円
・最低生活水準
・生活保護費 年額約156.8万円・・・厳しいが、田舎では生活できる。
・基礎年金(満額)年額772,800円
・所得税課税最低限 年額103万円
・地域おこし協力隊員の手取り額 年額192万円
*子育て世代は教育、医療が心配、退職者は医療、介護が心配・・・自治体の支援は重要
*群馬県上野村の例・・・人口の17%がⅠターン(30~40代)
 首都圏で働いていた人が移住し、家賃、教育の費用がかからず、豊かになったとの声がある。企業誘致ではなく、林業の仕事(キノコ栽培、バイオマスなど)など資源を活かしている。リクナビで募集し、面接には行政の職員が同行し、入村と入社をセットで考えている。都会と同じ収入は無理だが、可処分所得では豊かになる。安心・安全な暮らしのデザインを描けるのかが課題である。
3.多世代が共存する空間はどこへ?~人口構造の変化とコミュニティ
1) 日本の人口の推移
・日本の人口は近年横ばいであり、人口減少局面を迎えている。2060年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は40%近い水準になると推計される。
・家族の変化と高齢世帯の増加・・・4割以上の世帯に65歳以上の家族がいる。
夫婦のみの世帯は29.9%、単独世帯は24.2%で、ケアの担い手不足が地域の課題
・近隣との行き来の有無・・・行き来あり4割、行き来なし5割
4.社会保障制度とその財源
1) 年々増加する社会保障給付費・・・年額115兆円で、GDPの20%を超える。
・平成18年度 89.8兆円、平成27年度見通し 116兆円、平成37年度見通し 141兆円で、差額の25兆円は消費税10%分に相当する。誰が払うのか、棚上げとなれば国債発行となる。
・保険料収入は過去20年横ばいで推移、ギャップを埋めるのは公費(租税・公債)
2) 平成26年度予算の3大支出・・・社会保障費(31.8%)、国債費(24.3%)、地方交付税交付金等(16.8%)
歳入の約4割以上を公債金に依存
3) 公債費残高・・・26年度末で780兆円、国民1人650万円、他国と比べて日本は急激に債務残高が膨張している。
4) 社会保障と税の一体改革
・消費税10%のうち、5%引き上げ分は1%が新規分に、残り4%分は機能強化や機能維持の充てられる予定である。
・中間層の「痛税感」は北欧より大きい。デンマークでは25%の税でも高いと感じる割合は日本より低い。日本では払った税の実感が持てず、増税への反発がある。
5) 地方における財源不足額
・平成26年度 10兆円の不足を国債と臨対債で補てんしている。
・地方交付税は国税5税を原資にしているが不足しており、特例加算や臨対債で補っている。
・合併前算定の交付税について延期の要望があるが、どこまで続くのか。
5.どう支えるか?~高齢者介護の事例から
1) 地域包括ケアシステムの構築
・地域で支え合うというが、ニーズの把握、サービス供給基盤の構築、多様な担い手の連携・協力、地域での介護保険料の負担、マンパワーの確保など施設介護から在宅介護への体制が作れるのか。
2) 人的連携の視点(住まいの確保前提)
・人の確保、担い手の確保が課題
6.オランダのボクステル市の事例から
・地域での暮らしに関する総合プラットホームを開設し、医療、福祉、文化等幅広い役割を果たしている。運営は行政と民間非営利団体で行い、各団体の専従スタッフが対応している。
7.地方行財政の重要性と信頼性の回復
1) 地域によってニーズは異なる。
・大都市圏:高齢者数の増大とサービス供給体制の整備
・過疎地域:総力戦で地域を支える必要性
*全国どこにいても、安心な暮らしが確保される社会となるような基盤整備とニーズに応じたサービス供給の仕組みづくりが求められる。
2) 行政や政治に対する信頼回復
・租税負担を通じて、安心な暮らしが確保されるという信頼性の回復が必要
8.自治体を取り巻く状況
・財政難、職員減、公平性の担保、組織の縦割りの弊害
・地域コミュニティの現場では、今ある状況の中でやれることを考えようとする。保育所の待機児童数を半減させるとか、お母さんが働くために子どもを預けざるを得ない状況になったとかに対し、理由を付けて「無理ですね」となるが、どうやるかという模索と繋がりの構築が必要
9.地域の社会・経済の再構築に向けて
・負担とサービスについて、安心感と信頼の繋がりをどうつくるのかが行政と住民の間にいる議員の役割ではないか。
・地域のサービスに必要な負担を地域で担う・・・地域コミュニティの活動拠点整備と財政支援、1%寄附条例を通じた地域活動への支出など
・地域通貨の発行で地域経済循環構造の構築
・担い手の確保、育成
・これからの自治体に求められること
 ・目標とするビジョンの明確化・・・10~30年後のわが町のビジョン。どう変えるのかという戦略で見える化し、どうつくるのかという参加と話し合う場を
 ・合意形成プロセスの不確実性に対する「抗体」を育てる・・・行政は嫌がるが、行政と議会で参加し話し合う場を
 ・行財政運営における目標管理型の仕組みづくり(モラルハザードを生まないことも重要)・・・予算編成において、どういうゴールを目指すのか、ゴールは進化し変化する。
□質疑
問 アベノミクス戦略による円安、インフレ誘導の影響はどうか。
答 安倍政権は景気対策で日本経済を牽引するため、国債の買い支え、量的緩和策を進めている。法人税率の引き下げと地方の外形課税標準の拡大という伸びるところは伸ばすという政策を行うが、地域の中小企業への負担は増加する。円安、コスト増は中小企業にとってマイナスの影響となる。地域間、産業規模の格差は拡大する。

■講義「この国のゆくえと地方政治のあり方」
    講師 武村 正義 氏(元内閣官房長官)
 主な内容は次のとおり。
1.戦後70年の日本
(1) 経済成長は成功した
・どん底から世界の先進国へ
・現在の状況は、中国や韓国から歴史認識をめぐり反発がある。韓国は植民地支配での出来事を忘れていない。中国は日中国交回復の際、戦争責任を一部の軍国主義者とし、賠償請求をしなかった。しかし、戦争への反省が日本にはない。原発事故の責任についても総括がされていない。
(2) 戦争のない平和な日本だった
・過去70年間、一度も戦争をせずに来た。
(3) 国民は4万ドルの暮らしを享受している
・中国は5千ドル、韓国は日本の半分で、世界トップランクのレベルにある。
2.そろそろ転換期を迎えている
(1) 成長はもう続かない
・無限の成長はない。曲がり角に来ている。地球規模の人口は70億人で、地球の容量には限界がある。無限の成長は不可能と気付くべきで、今の恵まれた暮らしをどう維持するのかという持続可能性を探るべきである。
・安倍政権の景気対策はうまくいくのか。日銀の量的緩和でも、金は銀行で止まっている。賃金は物価上昇に追いつかず、実質には下がっている。正念場を迎えている。スタグフレーションが起こり始めている。
(2) 人口は減っていく
・数年間で100万人の減少で、深刻な問題である。50年後には8600万人の推計で、70年前の日本の人口に戻る。少子化対策に手が付けられていない。
(3) 世界一の巨大な赤字の国だ
・税収50兆円の20倍の1千兆円の借金である。
(4) もはや大国の時代は終わった
・大国へという意欲が明治のころからあった。戦前は軍事力の強化で大国化、戦後は経済大国となったが、いまや中国のGDPは日本の倍である。大国を意識しないことである。
3.何が必要か
・豊かな生活レベルを維持するという成熟社会を目指すという質の時代ではないか。自治体は人口を競わず、一人ひとりの暮らしを考える。ローカルカラーを失い、均一化した日本になっている。発想を逆転し、個性あるまちづくりを目指すこと。
4.個性的な地方の時代へ
(1) 江戸時代には地方に個性があった
・300諸藩には個性があった。江戸時代の暮らしや経済に学ぶ。
(2) 戦後の自治は輸入されたものだが、根づいたか
①歳入の自治はなかった
 ・歳入の議論がない。歳入を自らが考える訓練をしていない。法令による縛りがあり、歳入の自治を認めて来なかったことが反省である。
②タテ意識がまだ強い
 ・国の補助金や交付税頼みで、国や県を見て仕事をする体質からの脱却が必要である。自分たちのまちを中心に考える。
③自治への住民の関心は薄い
 ・タテ意識が強い。自治体の仕事や予算に関心を持たないと自治は前進しない。関心を持つほど自治に近づく。
④議会は首長を監視できているか
 ・首長を厳しく監視する。議員一人ひとりが研鑽し磨き、首長とやり合うこと。それが議会の活性化に繋がる。
□質疑
問 無駄を削減し新しい事業をしたいが、既得権の住民から反発がある。どうやればいいのか。
答 これからの時代への姿勢ではないか。財政規律は必要。見直し、カットで必要な事業を提案すること。有権者は分かってきている。努力を幅広く訴えてはどうか。
問 沖縄の知事選挙で民意が出たが、その評価と基地問題の考えは。
答 基地の74%が沖縄にある。防衛上、力点が沖縄にいくが、なぜ是正できないか。沖縄以外は容易ではない。選挙で辺野古移設は困るという結果となったが、政府は認識すべきである。強引に作ることは慎むべきと考える。
問 地方議員に求められているものとは何か。
答 地域住民の代表として体を張っていることに誇りを持ってほしい。4年間の実績を訴え、自信を持ってチャレンジを。

○11月18日(火)
■講義「人口減少社会における地方創生と自治体の役割」
    講師 加藤 久和 氏(明治大学政治経済学部教授)
 主な内容は次のとおり。
第1章 人口減少時代の到来と少子化問題
1) 人口の推移と動向
①人口の推移
 2010年 128,057千人
 2014年 127,090千人 967千人の減(0.8%減)
②高齢化と年齢構造
 2010年 65歳以上の人口割合 23.0%、75歳以上の人口割合11.1%
2012年 65歳以上の人口割合 24.1%、75歳以上の人口割合11.9%
*人口減少と高齢化が併せて進む。
2) 少子化の要因
①結婚行動の変化:晩婚化
 女性の初婚年齢 1980年25.2歳→2000年27.0歳→2013年29.3歳
②社会経済の環境変化:子どもを持つことのコスト上昇、育児と仕事の両立する社会システムの不備、結婚や出生などの価値観の変化、雇用情勢の悪化
3) 少子化対策は必要か?
・子どもは社会の宝で、社会全体にとって有益な存在であり、子どもは公共財的な性格とみなすことができる。
・子どもを育てるための支援として租税を投入することは是認される。それが少子化対策の根本の考え方である。
4) 少子高齢・人口減少社会の課題
・経済成長と労働市場→労働力人口の減少、貯蓄率低下、技術進歩の鈍化など
・社会保障制度→社会保障給付の増大、財源の確保、世代間公平性など
・社会的多様性→コミュニティの維持、社会的活力など
・地域、都市構造→地方の高齢化、限界集落、コンパクトシティなど
・家族のありよう→単身化、家族規範の変化など
第2章 地方消滅?極点社会の衝撃
1) ストップ少子化・地方元気戦略
 基本的な姿勢
 ・「不都合な真実」を正確かつ冷静に認識する。
 ・対策は早ければ早いほど効果がある。
 ・基本は「若者や女性が活躍できる社会」を作ること。       
2) 希望出生率1.8:実現可能な数値
・2013年時点で沖縄県は1.94、宮崎県は1.72であり、達成可能な範囲である。
3) 基本目標
①地方から大都市へ若者が流出する「人の流れ」を変える。「東京一極集中」に歯止めをかける。
・若者の流出は地方の人口減少の最大要因である。
・このままでは、多くの地域は将来消滅するおそれがある。出生率が上がっても母数となる若年女性が流出すると人口減少は続くことになる。
②「人の流れ」を変えることを基本目標に
・「人の流れ」を変えることは日本全体の「出生率向上」にも結び付く。
・「東京一極集中」に歯止めをかけ、東京圏は「国際都市」へと発展。
4) 論点
①地方の少子化をどう改善するか
・産みやすさへの支援:出生率の引き上げ、少子化対策
・数の確保:若者の地方定住、都市部からのJターン等、雇用の創出
*キーポイントは「高学歴女性の雇用と生活満足感の向上」:自分に合った仕事、文化、ライフスタイルなど満足させること。
②東京一極集中をどう考えるのか
・東京の強さを削ぐことではなく、地方を強くすることがポイント
③拠点をどこにおくか
・キーワードは「選択と集中」「コンパクト化」
 地方中枢拠点都市、高次地方都市連合、地域活性化プラットホーム
第3章 人口減少時代の地域づくりと自治体の役割
1) これまでの地域の活性化とその限界
・産業誘致、雇用の創出→縮小する国内需要、拡大する海外市場に対応可能か
・地域資源の利用→持続可能か、雇用を生むか
・文化、歴史等の発信→経済効果はあるのか、財政の逼迫
 農村、自然環境等の保全→誰が負担するのか
2) 〃地方活性化〃の限界
・市町村の限界:生活圏と市町村行政区域との齟齬、市町村単位での自立は困難
・一村一品運動の限界:特産品一つで活性化するには限界がある。
・企業誘致の限界:企業誘致の戦略はグローバル化の視点
・大学誘致の変改:18歳人口減少により、大学経営そのものが難しい。
3) 自治体間競争-ゼロサム・ゲームと自治体の疲弊
・圏域の経済、人口は有限であり、経済や人口を奪い合う〃ゼロサム・ゲーム〃は自治体が疲弊するだけの結果に終わる。
4) コンパクトシティと生活圏:コンパクトな中心部+周辺部とのネットワークの形成
①コンパクトシティによる都市機能の集約化
②周辺市町村とのネットワーク化
③課題
 ・既存の居住者との権利関係
 ・周辺住民の中心部への移動:どうインセンティブを持たせるか
 ・地価:中心部の上昇と周辺部の低下
5) 地方創生の条件
 ・雇用創出と生活満足
 ・高学歴、20-39歳女性の活用
 ・拠点都市への集積支援
 ・周辺市町村は「コンパクト化」
 ・バラマキの排除と効率化
6) これからの自治体の課題
 ・自治体間の連携:広域化と役割分担
 ・30年後を考えた自治体連合と新たな集約
 ・面的な合併から機能面の合併へ
 ・都道府県、市町村という枠組みの再考
 ・残る自治体と消滅する自治体
□質疑
問 人口が減少するとしても、適正人口はあるのか。
答 適正人口は、環境、コミュニティ、生産性など時代とともに変わるもの。これが適正人口と絞るのは難しい。人口の減少を止めることが課題である。
問 極点社会を是正するには遷都構想を進め、地方へ移転することも必要ではないか。
答 遷都する財政的余裕がない。官公庁の移転費用の問題がある。東京に一定の機能を持たせ、地方は東京と違う強さを持つこと。東京と違うものを打ち出すこと。集積は大事なことで、分散は統一性を失うことになる。

■講義「武雄市のまちづくりに見る自治体経営と行財政」
    講師 樋渡 啓裕 氏(佐賀県武雄市長)
 主な内容は次のとおり。
○「爆速感謝」:武雄市の市政運営を表す言葉
①「爆」:爆発的なインパクトを地域から日本に与える意。
・武雄市の認知度を上げる。
・そのためにはTTP(徹底的にパクる)を進める。
・点から面へ
・戦略の一つとして「組む」がある。有名人(小泉進次郎、秋元康など)にコバンザメのごとくすり寄る。〃男芸者方式〃で最初の5年間はブランド力を上げた。自分だけでやらずに、他者と組むこと。ホームページはフェイスブックと、図書館はTSUTAYA+CCCと組み、ニュースになった。
②「速」:スピードは速い。スピードは最大の付加価値で、武雄市の特徴。
・形にしないと人は分からない。走りながら考える。
・百の議論より一つの実行で、会議を止めたがったが減らした。会議は長くても15分で結論を出す。
・副市長が実質の執行者で決裁を委任している。市長は議会と民間に対し対応する。
・図書館では、2012年1月23日にCCCのトップに会い、「図書館を任せたい」と言ったら、即「承りました」の返事であった。なぜ?と聞くと、図書館、病院、住宅はこれからやるべきものとのこと。2013年4月にリニューアルオープン。1年で実施した。図書館の件は随意契約で議会に提案したが紛糾した。仕事は行政とCCCの連合チームで進めた。2014年7月時点で89%の市民が満足している。
・走りながら考える。
・橋下徹氏曰く「武雄市役所は日本で最も意思決定の速い自治体」
 孫正義氏曰く「気が狂っている、ベンチャーの市長だ」
・自由にできるのが自治体、失敗しても取り戻せる。自由な発想を持つこと。
③「感」:利用者視点、利用者の感覚を大事にする。武雄市の根幹の考え方。自分が一市民の視点で考え、自分ならどのようにするのかを考える。
・「しない、遅い」→「まずやる。速い」
・決裁、報告、連絡、相談→禁止、ただし、悪い情報だけは入れること。
・ヨコの公平性→タテの公平性(時系列)
・職員の仕事ぶりが変化した。形は大事。
・通販事業:御田中米は2週間で2袋しか売れなかったが、ユーチューブに動画をアップしたら(出演は地元の農家の人)、2週間で187袋売れた。
・モノは売れなくても、物語は売れる。製品に物語があるのかどうかが狙い目である。
・市民を巻き込むこと。図書館では搬入に当たって市民ボランティア1000人が参加した。「この棚に自分が入れた」と親が子に自慢する。物語が生まれる。
・通販ネットワークは21自治体に拡大した。楽しくやってもらう。
・FB良品は海外市場へ(シンガポール)
・行政経営の考え方
   離
    ↖  この繰り返し。茶道、柔道の考え。師匠の教えを守り破り離れる。
  守→破 
  スティーブ・ジョブスの実践例
           離(アイフォン)
           ↖
   守(ウォークマン)→破(アイポッド)
武雄市の実践例
       離(FB良品)              離(世界へ)
           ↖           ⇒       ↖
  守(ホームページ)→破(フェイスブック   守(FB良品)→破(ポータブル)
この考えは次のように進化する。
        離
     離 ↗ 破
  離 ↗ 破  守
  破  守
  守
④「謝」:謝る、ことわる、ありがたく思う、お礼をする。
・「公」を覆う「無謬の原則」への挑戦
・修正や謝罪を恐れない。
・GIVE&GIVE
⑤まとめ
・無駄な経験はない。STORYからHISTORYへ。職員にSTORYを与える。乗り越えればHISTORYになる。
・結果は必ず数字になる。新規住宅着工件数、路線価格、固定資産税収納率など
・人口は平成18年51,082人、25年は49,813人であるが、中心部の人口は18年が21,594人、25年が22,156人と、総人口では減っているが、中心部では増加している。人口増加は無理なので、一人当たりの所得を増やす。
・「いなか暮らし」という本によると、武雄市の住みたい田舎ランキングでは23年が5位、24年が2位とアップした。
・言い訳をしない、反省しない、前を向く、みんなと組み合わせて進める。
□質疑
問 質問主意書の条例化を考えているが、どう思うか。
答 一般質問で激論を交わしている。傍聴者も多いし、ケーブルテレビで放映している。乱用しなければ賛成である。
問 職員教育は。
答 あいさつができれば7割達成で、研修より本物の仕事を見せること。人は仕事でしか鍛えられない。
問 嫌な議員とは。
答 議員とは仲はいい。選挙でも連動している。議論はするが、根回しもする。企画の早い段階で議論している。
問 費用対効果は数字で出るのか。
答 数字で出ないものは止める。行っても実績が出ないものは止める。
問 投票率が高い要因は。
答 議員と市長の選挙を同時で行うこと。

■所感
 今回の講師は、二人の学者と二人の新旧の政治家で、それぞれ持ち味があり、充実したセミナーであった。
 沼尾教授の講義は、地域社会の経済の存続という視点から行財政システムのあり方を取り上げたもので、地域を語る場合の論点である。GDP、人口、社会保障というマクロから地域の抱える課題を抽出した講義であった。これからの自治体にとってやらなければならないことが鮮明になり、今後の自己研鑽の参考となる講義であった。
 武村正義氏の講義は、元内閣官房長官として一世を風靡しただけに、その語りには重いものを感じた。齢80歳とのことで、戦後70年を総括するに相応しい講師と言える。講演内容は、政界においても中道、中庸の姿勢であっただけに、率直に安倍政権への辛口の評論であったが、一強多弱の政局において新鮮に感じた。氏が語りの最後に触れた「個性的な地方の時代へ」はまさに、自治をいかに根づかせるのかという地方議員への叱咤激励であったと感じた。
 樋渡武雄市長の講義は今、最も注目され、旬の首長であるだけに会場の注目を浴びたものであった。地方自治体のトップランナーに相応しい自信に満ちた講義内容であった。武雄市は2年前に総務・産業建設常任委員会として視察に訪れた自治体であり、「フェイスブックの活用」について樋渡市長自らがその説明を行ってくれた。市長就任後、病院建設、フェイスブックの導入、図書館のリニューアルに伴うTSUTAYAとの連携など、その実績は揺るぎのないものであるし、万人が認めるものである。講義の中で自ら語った放言癖は議会とのトラブルを惹起するものであるが、政策提案の企画段階で必要な根回しを行い、メディアを活用し、話題性を持たせ、政策実行するという市長独特のプロモーション戦略があるのではないかと感じた。議会としても首長としても、大胆な政策、夢や希望にあふれたビジョンを市民に提案し実行するためには、理解と協力を得るためのプロモーション戦略が必要とされることを学んだ講義であった。議員として、学ぶことから、次は実行していく
ことに歩みを進めなければならない。積極的な政策立案や政策提言が求められていることを認識したセミナーであった。
以上
  

Posted by mc1397 at 22:36Comments(0)TrackBack(0)