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mc1397

2014年07月30日

岩倉市地域公共交通会議傍聴報告

平成26年度第2回岩倉市地域公共交通会議を傍聴して
岩倉市デマンド型乗合タクシーは、昨年10月から1年間の実証運行中であり、本年10月からの本格運行を目指して、現在、その見直しが行われています。地域公共交通会議で話し合われており、その会議を傍聴しましたのでその内容をメモを基に報告します。
1日時:平成26年7月30日(水)午後2時30分~午後4時
2場所:市役所7階 会議室7
3出席委員:13人(磯部中部大学教授、名鉄バス、名鉄西部交通、県バス協会、県タクシー協会、県交通運輸産業労働組合、中部運輸局愛知運輸局、県地域振興部交通対策課、県一宮建設事務所維持管理課、江南警察署交通課、区長会、民生児童委員協議会、市長、)
4内容
○報告事項(当局から報告)
(1)岩倉市デマンド型乗合タクシー実証運行の実績報告について
  資料(閲覧のみ返却)により報告があった。
  ・4月から6月までの実績: 4月573人(1日当たり27.3人) 5月632人(1日当たり31.6人)6月610人(1日当たり29.0人)
  ・6月末登録者数 1,303人(4月2日時点1,223人から80人増加)
   うち65歳以上は1,123人(86%)
・予約不成立件数 4月以降 1日当たり0.5~0.8件
  ・チケット乗車が多い。利用者累計6,001人うち登録実利用者人数570人

(2)乗降場所の追加について
  資料(同)により報告があった。
  ・岩倉病院を2か所とした(北はサテライト、南は正面玄関)
  ・大地整形外科を追加した。
  ・乗降場所数は91か所(公共施設20、駅2、病院25、歯科22、バス停4、公会堂18)

(3)予約受付期間変更の実施期間延長について
  資料(同)により報告があった。
 ・変更前 1週間から当日1時間前まで→変更後 1週間から当日30分前まで
 ・5月1日~6月30日実施した。各月の1日当たりの乗車人員は、4月27.3人、5月31.6人、6月29.0人と4月に比べ増加している。
 ・変更したことにより、1日当たりの利用人数の増加、1日当たりの予約不成立件数は変わりなかったこと、運転手やオペレーターに対し好評との利用者の声、運行業務などに問題はなかったこと、タクシーへの影響はないとの名鉄西部交通の回答があったことは評価できた。

○協議事項(当局から提案)
(1)岩倉市デマンド型乗合タクシー実証運行の評価について(案)
 資料(同)により提案があった。
 ・評価基準
  ①1日当たりの利用人数
   基準策定時の現状値 29.5人/日(1月~3月平均値)
   目標値       40人/日(4月~6月平均値)
   達成状況      29.3人/日(4月~6月平均値)
             30.3人/日(5月~6月平均値)
   *目標は達成できなかったが、若干は増加している。
  ②実利用人数の割合
   基準策定時の現状値 41.7%(510人/1223人)
   目標値       50%(6月末)
   達成状況      43.7%(570人/1303人)
   *目標値は達成できていないが、徐々に増加している。
  ③今後の運行について
   目標値の達成に向け努力する。10月からの本格運行を実施していきたい。

<質疑、意見>
このまま漸増の場合、財政への影響はどうなるのか。また事業者の経営はどうか。→事業者への委託料は利用者料金を差し引いて支払っている。1か月135万円位の委託料である。利用者が増加すれば市の負担は減る。事業者の経営が悪くなることはない。
・目標値が1日当たり40人と設定し予算を組んでいるので、下回ると持ち出し増となる。
・利用者が午前中に偏り、午後の利用が少ない。健康づくりと絡めてさくらの家、南部老人憩いの家、各公会堂へ引っ張り出して午後の利用が増やせないか。
・今後の努力の内容は。登録しても一度も使わない人の分析は。予約不成立で利用を断念する人もいるのではないか。妊婦の利用状況は。→登録者へデマンドニュースを送り、イベント情報や午後の利用を促している。11月、12月は予約不成立が続出した。うんざりして止めた人もいる。子育てや妊婦の方には子育て支援センターや健康センターにチラシを置いて周知している。今後も外出支援を促進していく。
・昨年10月は登録者を増やすため、ムリムリ登録をお願いした方もいる。1月以降の登録状況を分母に分析できないか。→コンビニクルシステムを確認する。
・行事に参加したいが、手段がない方がいる。個々の登録は難しいので、団体で登録できないか。利用する人を入れて考えたい。小牧市民病院の利用の場合、バス停までデマンドで行き、乗り継ぐが、その連携はどうか、帰りの乗継はどうか、団地の元派出所跡地を待合に使ってはどうか。→地域の福祉の視点でデマンド交通の話をしていく。
・登録に来てくれではなく、老人憩いの家での登録など利便性を検討する。
・乗継拠点など待つ場も必要。安全快適も一つの方向
・免許返納者がゼロとなっているのは。→免許返納者は増えている。統計上、65歳以上に入れてあるので、返納者欄は空欄となっている。→免許返納者は350人中14人である。
民生委員:早く来てもらうのが魅力、どれ位早くなるのか。→30分前でないと均一にならない。投薬の前に予約するなどの利用者の工夫も必要。
・利用者に使途を聞いてはどうか。本当の目的地は乗継なのか、スーパーなのか。交通ボランティアで登録や予約を実験的に行ってはどうか。→357人に聞いた調査では、通院205人、買い物9人、公共施設66人、銀行4人、趣味娯楽35人、市外15人、その他23人の回答だった。実際の使い方を調査する。
・利用の伸びしろはある。福祉の中で利用形態を考える。
会長:当局案では「10月から本格運行したい」とのことだが、目標達成はできていないが必要なものであるとして、全会一致で本格運行を了承することとする。
 *次回 8月28日(木)午前10時

<所感>
地域公共交通会議の傍聴は三回目となる。事前に議会デマンド交通事業特別委員会で担当者から説明を受けているので、会議において各委員がどのように判断するのかを主に傍聴した。市民の代表ともいうべき区長会長や民生委員児童委員協議会の代表者が市民の声を代弁する形で積極的に発言されたことは評価できた。ともすれば発言を控えがちになりそうだが、それだけ市民にとってデマンド交通は重要なものとなりつつあることなのだろう。特に利用者の声、地域福祉という視点からの発言は頼もしく感じた。今回の会議で、10月からは本格運行へ移行することが承認されたことから、第3回目の会議は、本格運行計画案が提示されるものと思われる。利用者からは乗降場所の拡大(スーパー)の声があるが、商工会との調整が終わっていないと聞くので、どこまでできるのか、担当者の努力が待たれる。交通弱者向けの施策として、85歳以上のすこやかタクシー助成、イキイキライフの有償運送事業、そしてデマンド交通としてそれぞれの役割があるが、市としての交通政策が体系化されていないのが現状である。残念ながら、地域公共交通会議で本来であれば計画を協議すべきであるが、デマンド交通に限定しての協議にとどまっている。今後、議会での議論が必要と考える。
以上
  

Posted by mc1397 at 22:07Comments(0)TrackBack(0)

2014年07月17日

研修報告

第16期自治政策講座報告書
1日 時 平成26年7月15日(火)13:00~17:10
2場 所 アクトシティ浜松研修交流センター
3主 催 自治体議会政策学会
4テーマ 生命を守る政治-安全・安心なまちづくりと自治体の責務
5講座内容
○第1講義「災害復興の3年を見る-政治・行政は何を後藤新平から学ぶのか」
  講師 青山 佾(明治大学大学院ガバナンス研究科教授・元東京都副知事)
 主な内容は次のとおり。
■後藤新平とは
・水沢藩 陸奥国胆沢郡塩釜村出身(水沢市を経て現在の奥州市)
・東北小藩下級武士の家系で、11歳の時が明治維新であった。
・占領軍の給仕として雇用、育成され、医師となったが、児玉源太郎に見込まれ、台湾総督府民政長官、満鉄総裁、東京市長、内務大臣兼帝都復興院総裁を歴任した。
*親権が絶対の現代に比べ、明治維新後は、官軍の占領下にあった地域から優秀な少年を育成するシステムがあった。子どもは社会が育てるという考え方が当時あった。

■関東大震災当時、東京市長であった後藤新平は何を考え、復興を実行したのか。
・大震災後、軍部は首都を内陸に移すことを主張したのに対し、後藤は東京のまちづくりのための次の考えで復興計画を立案し実行した。
 ①遷都せず
 ②東京を欧米に負けない近代都市にする
 ③金のことは心配するな
   ↓構想が雄大
  幅広の道路・・・44mの幹線道路(昭和通り)
  広軌鉄道・・・半世紀後の新幹線へと進展
  共同溝
  日比谷公会堂・・・市民が政治を議論する場
*関東大震災に比べ、東日本大震災は南北600kmに影響が及び、しかも工業地帯、漁業地域など異なった様々な地域での復興である。それぞれの地域で考える。現代は成熟社会であり、低成長、少子高齢化、価値の多様化、生活の質の向上を求めるなどが特徴とされる。

■仮設住宅と復興住宅
・阪神淡路大震災(平成7年)当時は、危機管理がなかった。その反省から生活支援法が制定され、住民の再建へとつながったが、その教訓が生かされているのか。
・仮設住宅は1戸当たり700万円の建設費。ここで住めるのは2年間、その後は復興住宅となるが、なぜ最初から復興住宅(市営住宅)を作らないのか。仮設住宅は避難者対策として、後で困ると分かっていながら建設した。仮設住宅は市町村負担はゼロだが、復興住宅は市町村負担がある。何とも説明しづらい住宅計画である。災害救助法(昭和22年制定)が改善されずにあることが問題である。
・三宅島の火山噴火当時は全島避難であったが、後に村営住宅(2000戸)を建て、神戸の教訓を生かした。住んでいるところに戻るのが基本、元通りの生活を取り戻すこと。
・孤独死が災害対策のメルクマール(指標)となる。復興住宅ではコミュニティはなし。ケースワーカーは書類に追われている。行政は、分類化はするが機能しない。人間の尊厳を尊重する。孤独死をなくすことが成熟社会の使命で、福祉の指標となる。
・アメリカの復興住宅はトレーラーハウス(700万円/台)
・避難所はやむを得ないものだが、体育館は支援物資が占領し、人は脇に追いやられる。
・避難所での炊き出しは、レトルトばかりでなく、手作りも組み合わせる。
・介護士、心理士などの専門職が不足している。

■義援金
・義援金は赤十字などの大手を通じると、時間がかかりすぎるし、場合によっては団体の人件費に使途されることもある。
・東日本大震災では、東京ボランティアグループはニューヨークの市民団体から大震災発災後の3月末、4月末に各5千万円の振り込みがあった。これを原資に、南三陸町にボランティアの拠点を作り活動をしている。当初に活躍したのはNGOであり、彼らは海外の経験から慣れている上、資金の集め方に熟知している。
・義援金などの寄附については、大手を充てにするのではなく、普段から、どこから支援を受けるのか、NGOとのつながりなどを考える。寄附金はアメリカの市民団体など国際的に集める工夫をする。

■後藤新平から学ぶ(後藤語録)
①長期計画
・1921年5月、東京市政要綱(8億円計画)(当時の東京の予算は1億数千万円)
 街路、下水、公園、学校、市場等の15項目のインフラ整備
・1923年の関東大震災後の復興計画の下敷きとなった。
②人材育成
・教育重視(学歴でなく学力重視)「学校を出たときは、改めて社会的新書生とならねばならぬ。西洋でドクトルの学位を得て後、いざこれからと言って勉強する。」「一に人、二に人、三に人」
③市民(地域自治)の力
・「都市計画は健全なる自治の精神を離れてはいけない」
・「生きとし生けるものの本能の中に、自治という力がある」
・「自治は市民の中にあって、決してよそにはない」
・「市民一人一人が市長である」
④富国強兵か殖産興業か
・「公の利益の為、必要な施設に要する費用は、出ずるを計って入るを制す」
・「交通機関は、営利より公共の利便を本旨とすべきである」
・「(欧米諸国に対して)科学と情報で生き残れ」
⑤国民本位
・「国と国との条約の如きは形式にすぎない。両国の親善は民と民との交わりにある」
*約90年前、後藤新平は自治と自立を説いていた。東日本大震災以後、草の根の交流が進んでいるが、被災者対策として土盛り防災(嵩上げ)の考えが主流となっている。堤防と防災の組み合わせは画一的な考えである。多額な費用を投じるのであれば、シェルターのような建物でいいのではないか。それぞれの地域のまちづくりはもっと多様であっていいのではないか。それぞれの地域が決めることである。

■質疑
問 自治体から職員を派遣しているが、1年間で交代している。効果はあるのか。
答 土木や都市計画では派遣は必要である。1年交代は問題であるが、受け入れ側の態勢の問題もある。定年退職者を採用してはどうか。長期間にわたり定着すると、そこで首長にかつがれ政争に巻き込まれるおそれがある。
問 寄附金の在りようはどうか。
答 日赤のような大手になると協力義務が伴い、そのためには普段から医師などを確保するため、人件費がかかり、それに寄附金が使われる。草の根活動を行う団体に寄附するという意識を持つこと。東日本大震災では、地域のFM局が役に立った。災害復興予算で運営しているが、これが無くなると潰れることになるので方策が必要である。
問 仮設住宅をより良いものとするためにはどうすればいいのか。
答 避難所、仮設住宅、生活用品の支給という3点セットが災害救助法の考えで、これで運営することに問題がある。成熟社会にふさわしい生活の質的充実が求められている。復興住宅についても、民間住宅の活用など多様の方策があっていい。現行法の改正が必要と考える。

○第2講義「6兆円の消費者被害や虚偽表示-消費者市民社会実現へ消費者教育と自治体の責務」
  講師 西村 隆男(横浜国立大学教育人間科学部教授、消費者教育推進会議委員(会長代理))
 主な内容は次のとおり。
■消費者被害の拡大と脆弱な消費者
①消費者被害
・高齢者被害の拡大(金融商品、不動産投資、健康食品)
・未成年者トラブルの購入金額も高額化
・インターネット関連被害の増加(架空請求、ゲーム課金)
・生活困窮者の消費者トラブルの増加(貧困ビジネス)
・障がい者の消費者トラブルの顕在化
②食品偽装
・外食メニューのインチキ表示
・産地偽装
・冷凍ものの〃鮮魚〃
  ↓
 景表法改正(2014)都道府県知事に対する措置命令権限の付与

■消費者行政の対応(2004年消費者基本法)
①消費者政策の理念
・消費者の権利の尊重(べースは消費者安全)
・消費者の自立の支援
②消費者政策の内容
・安全確保の強化
・消費者契約の適正化
・消費者教育の充実
・苦情処理及び紛争解決の促進

■地方消費者行政の現状
・市町村消費生活センター設置の増加(750か所)
・相談件数は漸増(90万件)
・市町村全体の4割は消費生活相談員を未配置
・市町村の6割は専門的資格を有しない相談員を配置

■消費者教育推進法の成立(2012年8月10日成立、12月13日施行)
①目的
・消費者が自主的かつ合理的に行動することができるよう自立の支援
・消費者教育の機会が提供されることは消費者の権利
・国及び地方公共団体の責務の明確化
②消費者教育とは
・消費者の自立を支援するため、消費生活の関する教育及び啓発活動をいう。
・幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行う。
・学校においては、教育職員の消費者教育に関する研修を義務付けているが、動きは鈍い。
・地域における消費者教育の推進については、高齢者、障害者等に対する消費者教育のため、民生委員、社会福祉主事、介護福祉士、その他の支援者に対し研修、情報提供等の措置を講じること。
③消費者市民社会のポイント
・公正で持続可能な社会の実現
・世代を超えた社会経済のあり様や地球環境への配慮
・積極的な社会参画
④地方公共団体の責務
・消費者教育に関する施策を策定し実施する責務を有する。
⑤消費者教育推進地域協議会
・都道府県及び市町村は、協議会を組織するよう努める。
・設置状況は15都府県、2政令市
・消費者教育推進計画の策定・・・9都府県、1政令市が策定している。
⑥消費者行政と教育行政の連携等(連絡協議会の設置)
・設置状況は、都道県では約半分、市町村では5%である。
・設置による成果では、約8割が「関係部局との情報や課題認識が共有できた」とする一方、「教材、広報物の作成」は2割にとどまっている。
⑦人材の育成等
・市民が判断し選択できるようになるためには、それを進める人材の育成が必要である。
・学校現場では教職員が、地域ではリタイアした元気のある人や経験者がその対象と考えられる。
・コーディネーターの育成(消費者行政、教育委員会、福祉などに精通した人材の育成)
・現在、国では行政職員、コーディネーター、地域のサポーターという三層構造のあり方を検討している。

■消費者庁の取り組み
①地方消費者行政活性化基金(26年度予算では30億円)の活用状況
・基金の活用として、パンフレット等の啓発資料の作成、学習教材等の作成及び購入、指導者養成などがあげられるが、その活用状況は、全国の教育委員会を対象とした文科省のアンケートでは「行ったことがある」のは6%、「行ったことはない」は78%、「基金を知らない」は14%という状況である。
②先駆的プログラムの運用
・国から提案する政策テーマを踏まえ、地方公共団体独自の企画により先駆的事業を実施する。
・政策テーマは、「食の安全・安心の確保」「風評被害の防止」「消費者のための安全・安心地域体制の整備」「消費者被害回復制度の運用に向けた活動の支援」「消費者教育の推進(地域での推進体制強化及び事業者等のコンプライアンス意識の確立等)」である。

■教育委員会における消費者教育の事例
・消費者教育スモールステージ(岐阜県教育委員会)・・・児童生徒、保護者、地域住民を対象に、講演会やワークショップの開催
・消費者教育推進のための調査研究事業(伊勢市)・・・フェアトレード学習、環境に配慮した消費生活の工夫と実践
 *フェアトレードとは、途上国で生産される農産物や雑貨を安く買いたたかず、公正な価格で取引する取組のこと。
・キッズライフアカデミー(大阪府教育委員会)・・・小学校高学年を対象に、賢い消費者になるきっかけづくりとしての講座の開設
・ゆめ!さくら博(さくら市教育委員会)・・・ブース出店による情報提供

■消費者教育の課題
「予算がない」「指導者や講師となる人材がいない」「どのような取組をすればいいのか分からない」
「他の優先課題があり取り組めない」が教育委員会から寄せられている。

■課題解決の方策
「効果的な実践事例の紹介」「パンフレット・教材等の作成、配布」「定期的な情報提供」「多様な主体が連携・協働するための仕組みの創設」などが教育委員会から求められている。

■質疑
問 警察との連携はどうであるのか。
答 消費者安全法が改正され、地域連絡協議会に警察の関与ができるようになった。目的は二次被害の防止のため、カモリストに載った騙されやすい人への対応である。従来、行政と警察の連携は交通安全であったが、詐欺被害の防止、情報交換、ネットワーク化が可能となった。
問 教育委員会は外部講師に対し消極的のように思えるが。
答 教育委員会の壁は厚い。文科省は、消費者教育は教師が務めるものと考えている。社会経済情勢の変化から専門家による教育が求められている。
問 地域包括支援センターとの関わりは。
答 消費者教育推進地域協議会に福祉の人も関わるべきで、センターの人がコーディネーターを担うべきである。

□所感
 自治体議会政策学会主催の自治政策講座は従来から参加し、政策立案の勉強をさせていただいており、今回は日程の都合で2日間の講座のうち初日のみの参加となった。
 第1講義は、後藤新平の研究家として一流の青山先生から後藤新平の知られざる実像が講義され、東京のまちづくりの先見性に驚かされたと同時に、関東大震災の当事者としてのリーダーシップには学ぶべき点が多々あると感じた。東日本大震災発災以後の政府の対応、特に原発事故への対応について、今に至るも見通しのなさ、統治力不足の点からも、90年前の政治家の偉大さが際立っている。しかし、後藤新平の時代と現代では状況が異なっており、一概の比較は意味あるものではないと思うが、後藤語録にあるように「自治は市民の中にあって、決してよそにはない」「市民一人一人が市長である」という言葉は慧眼であり、いつの世にも通じるものである。心に刻んでおきたい言葉と思う。東日本大震災における教訓(避難所、仮設住宅、復興住宅、孤独死等の問題)は検証し、地域の防災計画や防災活動に生かさなければ、同じ轍を踏むことになると講座を聞いて感じた。
 第2講義の消費者教育については、一昨年の12月に施行された消費者教育推進法を取り上げたものであり、これから具体的に政策化しなければならない課題である。西村先生は内閣府の消費者教育推進会議委員などを歴任しており、消費者教育の第一人者である。消費者教育推進法を中心にお話があり、現在の状況、問題、課題が明らかになった。この問題を消費者行政の担当だけのものとしてはならない。教育委員会がどう関与していくのか、福祉行政はどうするのかなど、縦割り行政を横断的な行政に変えていかないと、この問題の解決にはつながらない。高齢者、障害者という弱い立場の人を騙すことは許してはいけない。そのためには消費者自身が判断し選択できる賢い消費者にならなければならないと思う。あらゆる分野の行政は連携し、地域と協働し、卑劣な犯罪を見逃さない、許さないという消費者市民社会の確立が急務と思う。
  

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2014年07月07日

研修報告

自治体議会政策学会・研究会主催
 第1回議員激論会「教育の制度改革と議会の役割」
1日時:平成26年6月30日(月)13:30~16:30
2場所:測量年金会館 3階 中会議室(東京都新宿区)
3出席者:全国の市町の議員23人、主催者3人(竹下譲、中邨章、並河信乃)
4内容 主な内容は次のとおり
○問題提起
 竹下先生から「教育の制度改革と議会の役割」をテーマに、資料に基づき問題提起があった。その主な内容は次のとおり
①学校教育は何のためか?
・「生きる力を育むため」と文科省は言うが、検討されていない。三重県教育委員長当時、発言しても相手にされなかった。
・こうして鍛えられた子どもたちが将来、どういう社会を築くのか?
・現在の日本の最大の問題は、人口減少、高齢化
    ↓
 2040年時点での消滅可能性都市896
    ↓
 これに対抗するためには、バランスの取れた人口の配置が必要では?
    ↓
 地元での定住、地方への移住
    ↓
 そのためには、地元のために生きる人間の教育が必要
・今の学習指導要領による学校教育は、これに逆行しているのでは?
 学習指導要領による教育=全国的画一的な学校教育、とりわけ東京に集中する傾向を生み出す。
・学校の自由な裁量で教えることができない学校
 昭和16年公布の「国民学校令」以来の伝統、「皇国の道に則って初等普通教育を施し、国民の基礎的錬成を行う」ことを目的、これ以前は各学校の裁量
②地方を活性化するための学校教育は?
・それぞれの地域に必要な人材育成が必要では?
 公立小中学校で何をどのように学ぶかは各自治体で決定!勉強の仕方、先生の裁量を取り戻す。
・各自治体が〃教育権〃を国家から取り戻す必要!
 明治5年の「学制」以来、昭和15年まで、各自治体に「教育権」あり!
    ↓
 これができるのは「議会」ではないだろうか?
③各自治体が有為な人材育成のための〃教育〃をするには?
・〃よき教員〃の確保!各市町村が教員を採用!
 教員の採用は、いまは県教委の仕事?(文科省の指示に従って?)
 教員は、一般に都市部の有名校を希望!
    ↓
 これでは地元のことを考えた教育ができず!
 今の教員は、多くがノイローゼになる!(保護者のいじめ!)
    ↓
 これを改善するために独自の工夫!
 *三重県の事例(竹下氏が三重県教育委員長当時)
  ・面接重視で神経の太そうな受験者を選考・・・図太い人を採用
  ・〃講師〃のなかから、校長の推薦で優先的に採用・・・講師で補てん
  ・小学校教諭試験の体力能力重視・・・体力のある人、鉄棒の試験を重視
  ・教員資格のない人に資格を授与!・・・相可高校ではコックを先生にした。免許なしだが、資格を与える。
      ↓
   文科省から厳しい注意があった。議会は無関心
 大阪府北部の5市町村は教員を独自で採用
・独自のカリキュラムの採択
 それぞれの自治体に合ったカリキュラム
 *三重県の事例
  ・相可高校・・・食物調理科(まごの店運営)で、調理の教員採用
          生産経済科(伊勢茶、垣の加工品、スーパーで販売)
  ・農業高校・・・実習時間の大幅増(トマトの品種改良に生徒の意欲あり。)普通教科も実習時間内での試み
  ・連邦制高校・・・過疎地域の学校の統合をせずに、3つの高校を合体して、先生が授業に合わせて移動する。校長は1人、副校長が常駐。校舎性高校
      ↓
   先生の抵抗で、数年後に統合(失敗)
・教科書、教材の選定を
 ・自治体単位、学校単位で選ぶ方が良いのでは?今は文科省の強い締め付け
 ・議会の後押しがあればスムーズにいく。
・授業形態の工夫
 ・小人数教育・・・効果がない場合もあるが、要は先生の問題。算数を分かっていない先生が教
える。子どもが理解できず→疑問に先生が答えられず→子どもの迷い→駄目になる。
 ・電子黒板などの使用・・・児童生徒が自分でイメージする能力を損なう?わかったような気分になるが、離れると分からなくなる。イメージがない。後で繰り返しができない。
・教育長、総合教育会議に任せることができるか?
④いよいよ議会の出番でないか?
・これまで、議会は教育に関しては簡単な一般質問をするだけで済ましてきたが、これからは文科省と張り合わなければならない場面が頻繁に出現してくる。
・文科省に従順な体質を持つ教育委員会事務局では無理な話。
・地元を考えた教育を!

○議員激論(以下は参加した議員の自由発言)
・論点は何か。制度の問題(政治的中立性、首長との関係)か、自治体で出来ることを考えるのか。
竹下:焦点を絞ると議論ができなくなる。議会は政治的中立性を利用して逃げている。住民は教育にうるさいから。
・障害児教育に30年携わっている。子どもを守る気概を持って活動している。授業参観一覧表を要求したら教委の反発がある。地域版教育とか寺子屋制度とか、自分のできることをやりたい。
・校長が課長となり、議案や資料を説明するとき震えていたが、何でと思う。現場では元気になる。議会と教育の関係とは?
・教育委員会制度改革について、新教育長は必要としない。組織は形骸化している。なぜ屋上屋を重ねるのか。手間がかかる制度になる。
竹下:いじめに対し的確なことができなかった危機管理の問題から、国が関与の見直しをすること、教育の形骸化に対し突然、総合教育会議がでてきた。何の意味もない。議会が教育をリードすること。議会が何もしないから、教委は国の言うとおりである。教委と地元がずれている。ここに議会の役割がある。
・常任委員会と教育委員会でトイレの様式化など話をしているが、教育委員には教育が見えていない。
竹下:教育委員は参考人で呼んでも、口出しすべきでないという思いがある。何の議論をするのか。教委の議事録の公開は50%、なぜ公表しないのか。国・県の二重の縛りがある。どこに接点を持つのか。議会が絡むこと。動こうとしない。議会に公表する前だから公表できないという言い分。踏み込みづらい。現場の先生へのストレスがある。発言しても現場とかけ離れている。教委が議会に絡むことはない。機能していない。実権は教育長にある。事務局に聞けば済むという議会の考え。教委の議事録は何の意味もない、形だけ。どんな人が教育委員になるかで異なる。教育長により大きく変わる。文科省の教育でいいのか。障害児教育は弱い。教育委員長に議場に座ってもらってはどうか。
中邨:論点は3つ、一つは新教育長の関与と教委の人事の問題、二つ目は手続きの問題で、議事録の公開、秘密会、個人情報など、三つ目は現場への介入はどこまでやるのかという問題。
並河:口出ししにくい。市民が発言できるように、議会が普通の人の意見を反映すること。貧困の連鎖を防ぐ。塾に行けない子どもへの対応として、塾の先生を呼んで勉強させることはおかしい。教育は変わっていない。
・オープンスクール活動として、地域でホタルを育てている。子どもが参加している。地域を巻き込み、地域に学校を開放すること。
・議会としての取り組みは、杉並区では放課後スペシャルなどがあり、議会が協議すれば可能であるが、教育プログラムに入り込んでもまとまらない。歴史教育は共産党と折り合わない。企業のリーダー教育を学校に持ち込んでいる。議員であることは隠して行っている。教育委員会ではイデオロギーの話は制度的にできない。
竹下:教員採用は自治体でできるが、議会で審議しないのか。品川区ではやっている。
・市独自の採用は財源的に難しい。補助金をもらわないとできない。過疎地に人は来ない。
竹下:教員の採用権、人事権、財政を県に要求できる。中核市は権限移譲で可能。周辺の市町村と一緒なら可能性がある。自治体での採用には金はついてくる。人事権は市で持つこと。議会で議決し住民に公表する。
・総合教育会議について、現状は予算とか施設のみ、人材を確保できるか。総合教育会議の危うさを感じる。議会はどう絡むのか。
・過去の教育委員会はどうであったのか。
竹下:戦後、地元、議会で決めていた。GHQの指導もあった。教育委員は公選や任命制。
中邨:自分が子どもの頃、朝ご飯は学校で出していた。外食券で学校で食べた。英語の授業も小学校から行っていた。
・教育委員を常任委員会に呼ぶことについて、非常勤職なので無理ではないか。学校独自でできることはある。コミュニティスクール(学校運営協議会)は教委で認めれば可能である。これが定着すると改善する。
・議会と教育委員会との懇談会を考えている。お互いの認識を共有すべきだ。
・多様な子どもに対応できていない。質問に答えられない先生、理解できない子どもを思いやる先生を。日本の国民性、良いところをなくそうとするアメリカ、英語教育は明治に導入されようとしたが、日本の心が大切として導入しなかった。
竹下:小学生に英語を教えるべきでない。即席の英語はすべきでない。
・制度改革で議会が関与しやすくなった。どう考えるのか。総合教育会議は首長の責任、議会は問題点を持ち込む。教育長の考えで行政は変わる。ふさわしい人を推薦する。教育委員は素人なので事務局の議案をシャンシャンと決定する。どうしっかりさせるのか。教育問題は人が中心。現場の教師は大変なので改善すること。原因を取り除くよう質問をする。首長の政治参加は良い面、悪い面がある。利害関係の多い人をチェックする。塾通いの生徒が増えている。
・権限が首長に集中するので、変わった首長が心配。教育委員会はどう変わるのか。岐阜県では中山間地の先生が止める人が続出したため、通える範囲の勤務地となった。良い先生を採用したいが、大胆な改革はしづらい。議会で大勢にならない。改革が進まない。保守的だ。
竹下:岐阜県は地元の企業の人が教育委員で形骸化していない。首長の権限強化は、指導要領の縛りがある。人事、予算面では変わっても、大勢は変えられず。決定権は議会にある。現場を見て考えて判断する。義務教育の経費は国県負担、運用権は自治体にある。常任員会と教育委員会の議論を。議員が教育委員を理解する。先生の採用は、今の体制に従うのか、従わないのかの違い、可能性はある。
並河:地方分権は20年前に始まったが、当時、教育分野で書く人がいなかった。中央集権の最たるもの。動かない限り改革できず。構造改革特区は自治体の提案だった。政策提案をしないと動かない。議会の提案は皆無、どんどん出すこと。
竹下まとめ:中央で改革してもよくならない。地方から改革を(土光臨調の考え)。三重県教育委員長当時、マニュフェストを提案し北川知事が同調した。議会改革を目指し、学会を設立し、さらに拡大し地方政治センターを設立した。しかし、センターは今春、廃止となったが、議員の拠点として今後も継続していく。
以上の発言内容は、メモを基に記したものです。

○所感
 議員激論会に全国から23人の市町の議員が参加し、学会のリーダーのアドバイスをいただきながらの意見交換となった。23人の議員はいずれも各議会の論客で問題意識を持ち、意識的に発言する諸氏であった。
 かねてから自治体議会政策学会の開催する研修には会派(創政会)として参加し、行政に精通している竹下先生から自治体及び議会改革のヒントを多々いただいているが、今回は、私一人の参加であった。
 誰が何を発言したのかは、本音を語るという開催の趣旨から控えさせていただくが、参加議員の教育への想い、日々の活動などが話し合われた。しかし、教育への議会としての関わりには、政治的中立性の観点から戸惑いがあるのが現状である。個人的には、職員当時は教育委員会事務局での執務経験はないものの、教育委員会が持つ自由な気風に憧れを持っていたが、叶うことなく退職したので、教育委員会に対する自分なりの想いはあることから参加したものである。
 長らく続いた教育委員会制度のあり方は、大津のいじめ事件を契機に、危機管理意識の希薄、組織としての形骸化が指摘され、教育委員会制度の改革(新教育長の創設、総合教育会議の設置、首長の権限拡大など)が政府によって進められている。これへの評価は、首長からは賛同されるものの、現場を預かる先生からは不安視される意見がある。政治的中立性・安定性・継続性が守られるのか、管理教育がさらに厳しくなるのではないか、総合教育会議で教育委員会と首長が対立した場合の扱いはどうなるのか、教育の振興に関する施策の大綱は首長の考えだけで策定されるのではないかなど危惧する意見が現場にはある。制度会改革の運用がどうなるのかが、今後の議論の焦点になる。
 今まで、議会は教育への関与は意識的に避けてきたように見受けられるが、今回の制度改革により関与しやすくなったと言える。議会本来の機能の一つである首長への監視、提案等を生かし、教育を首長と教育委員会だけの議論としてはならないと思う。子どもにとって教育はどうあるべきなのかを基本に、変えるべきところは変え、より充実した教育環境を目指さなければならない。
 かねてから岩倉市議会改革特別委員会において、議会と教育委員との懇談会を持ち、現状を話し合い、どう改革するのかを進めるよう提案をしており、実現するよう努めていきたい。まずはお互いが意見を交わし、教育を巡る問題意識を共有化することから始めたいと思う。
  

Posted by mc1397 at 14:50Comments(0)TrackBack(0)