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2013年07月30日

行政視察報告

市議会会派「創政会」の一員として、次のとおり行政視察しました。
創政会行政視察報告書 平成25年7月29日
報告者 黒 川  武
1視 察 期 間  平成25年7月25日(木)~26日(金)
2視 察 先   兵庫県相生市
          岡山県真庭市
3視察参加者 創政会5人
4視 察 項 目
 □兵庫県相生市
 (1)子育て応援都市宣言について
 (2)子育て応援・定住促進について
 (3)その他
 □岡山県真庭市
 (1)真庭市地域雇用創造協議会について
 (2)市税等滞納整理対策基本方針について
5視 察 内 容
□兵庫県相生市 7月25日(木)午後2時~午後4時
  相生市は兵庫県の西南端に位置し、姫路市へは山陽本線で東へ約21km(新幹線で約10分)、神戸市へ約76km(新幹線で約30分)の距離にある。風光明媚な瀬戸内海国立公園、西播磨丘陵県立自然公園などの自然景観を生かした観光施設を整備している。
  人口は31,033人(平成25年4月1日現在)、面積は90.45㎢である。
(1)子育て応援都市宣言について
(2)子育て応援・定住促進について
この二つの項目は共に関連しているため、一緒に取り扱うこととした。
企画管理部 宮崎定住促進室長から「定住・子育て促進事業について」次のとおり説明があった。
①第1期行財政健全化の取組
・相生市は、周辺自治体との合併を断念し、第1期行財政健全化計画に取り組み、平成17年度予算から5か年計画で約20%の削減を行った。投資的事業の見直し、繰上償還等による市債残高の削減、職員数、人件費の削減などにより27億6千万円の削減の効果があった。
・第1期計画の目標は達成したものの、人口減少による様々な課題が見えてきた。昭和50年の人口は42,008人であったが、平成22年には31,171人となり、35年間で10,837人の人口減となった。IHI(石川島播磨重工業)の企業城下町として発展してきたが、造船不況によるリストラで人口が減少した。
・近隣自治体や県、全国と比較すると、年少人口の割合は、相生市11.6%、赤穂市13.8%、たつの市14.0%、県平13.6%、全国平均13.2%となり、このまま続くと、約30年後の2040年には相生市の年少人口の減少率はマイナス62%となる。
②第2期行財政健全化計画
・この課題を解決するために、第2期行財政健全化計画がスタートした。この計画の方針の一つが「地域活力向上」で、これの取り組みが「人口減少対策に関する取り組み」及び「教育・子育て・少子化対策に関する取り組み」である。
・人口減少対策に関する取り組みの柱は、市外転出の抑制による定住人口の維持と市外からの転入促進による社会減対策である(社会的要因の解消)。
・教育・子育て少子化対策に関する取り組みの柱が、市の将来を担う子供の教育環境の充実と子育て環境の充実により、子どもを育てやすい環境整備である(自然的要因の解消)。
③第5次総合計画
・第2期行財政健全化計画と並行して総合計画が策定された。
・その中で、相生市が目指す方向の一つとして、「子育て応援都市宣言」「子育て世代を中心に定住促進を図る」ものである。
・相生市子育て応援都市宣言は、平成23年4月1日に宣言された。宣言内容は次のとおり。
  子どもは次代を担うかけがえのない存在であり、子どもたちが夢と希望をもち、健や
 かに育つことは、わたしたちの願いです。
  子どもを産み育てやすい環境をつくり、心豊かなたくましい人を育てることは、わた
 したちの使命です。
  わたしたち相生市民は、子どもの笑顔があふれ、子育てに喜びを実感できるよう、
 家庭、地域、学校、行政みんなが手を携え、地域全体で子育てを支えるまちを目指し、
  ここに「子育て応援都市」を宣言します。
④定住・子育て支援事業
・この宣言を指針とし、次で述べるように定住・子育て支援事業(あいおいが暮らしやすい11の鍵)が実施されている。
◇誕生をお祝いする事業
・出産祝金支給事業(子育て支援室) 12,503千円(平成25年度予算。以下同じ)
・子育て応援券交付事業(子育て支援室) 4,200千円・・・0歳から2歳まで利用でき
る子育て応援券(月額1,000円×3年分)
・子ども医療費助成の拡大(市民課) 47,743千円・・・0歳から中学3年まで無料化
◇食育・学校給食支援事業
・市立幼稚園給食の実施(学校教育課) 9,132千円・・・平成23年9月より週3回実
施(無料化)。
・給食費無料化事業(学校教育課) 107,-27千円・・・小学校、中学校(平成23年4月実施)、実施方法は、小学校の調理室で作り、幼稚園、中学校へ運ぶ親子方式。財源は予算の1%分114,000千円で、これにより保護者の負担軽減額は月額で、幼稚園2,000円、小学校4,000円、中学校4,500円となる。
◇保育支援と環境整備事業
・保育料軽減事業(子育て支援室・教育管理課) 54,371千円・・・幼稚園保育料の無料、私立幼稚園・保育所は月額8,000円の補助(限度額)。
・市立幼稚園預かり保育事業(教育管理課) 5,105千円・・・4歳児、5歳児を対象に16時30分まで、月額5,000円で実施。
・相生っ子学び塾事業(生涯学習課) 4,732千円・・・児童の安全な放課後居場所づくり、自学自習力と基礎学力の向上を目的に、地域に人や教員OBが小学5、6年生を対象に、週1回程度小学校の空き教室を活用して実施。教科は国語、算数、英語。
◇住居支援事業
・新婚世帯家賃補助金交付事業(建設管理課) 18,840千円・・・市内の民間賃貸住宅に新たに入居する、結婚3年以内で、夫婦のどちらかが40歳未満の新婚世帯に、月額1万円の家賃補助を3か年行う。
・若者定住促進奨励金(建設管理課) 26,920千円・・・新築または新築住宅を購入した40歳未満の夫婦または子どもを養育している二人以上の世帯に月額1万円を5年間(総額60万円)贈る。
・転入者住宅取得奨励金交付事業(建設管理課) 10,000千円・・・市外から転入し、市内に住宅を新築または購入した世帯に奨励金を交付する。1所帯30万円、18未満の子ども1人に5万円を加算し、総額50万円(年齢制限なし)。
⑤給食費無料化の事業実施前と実施後の反響及び状況
・事業実施前・・・全委員協議会で説明した際、「基本は保護者にある」「財政的に続くのか」「高齢者サービスが後退するのでは」という意見があり、財源は行革で生み出したもので、中長期のシュミレーションを行った上での実施を予定し、高齢者・福祉サービスの後退はないと説明した。
・事業実施後・・・市民の反応は、「食費の面で助かる」「配ぜんや食べることの教育をしてもらえ、好き嫌いがなくなった」「給食費の無料化で、若い世代への支援となった」「地元の食材を使い、栄養バランスも考えた給食での食育は税金のばらまきとは違う」という意見であった。しかし、事業廃止の声はないものの、事業が続くのか財政面で不安視する市民の声はある。
⑥事業効果
・住宅支援・・・平成23年度では、新婚家賃補助で59件(うち市外からの転入33件)、若者定住奨励で52件(うち転入10件)、24年度では新婚家賃補助で78件(うち転入48件)、若者定住奨励で71件(うち転入16件)の実績である。
・人口の推移・・・子育て応援都市宣言をする以前(平成22年度以前)は毎年300人超の人口減であったが、23年度、24年度は284人、256人の減少と減少幅が縮小された。
・社会増減・・・子育て応援都市宣言以前は200人超の社会減であったものが、23年度は100人の減、24年度は96人の減と減少幅が縮小されている。しかし、依然として転出者が転入者を上回っている。
・自然増減・・・出生数は大きな変動が無く推移している。
⑦今後の課題
・子育て応援都市として、子育て世代への周知割合も8割を超え、口コミで評判が広がっているが、都市計画区域の設定により住宅地の提供が思うようにできず、市外の安価な分譲地を求めて転出される方が多いため、対応が必要である。

(3)その他
・テーマによる視察後、担当職員の案内により近くで開催されている「学校給食展」を見学した。相生市の学校給食は幼稚園から中学校まで無料で実施されており、特筆すべきものと感じた。学校給食センター方式ではなく、7つの小学校で調理し、校区の幼稚園、中学校に搬送する方式であった(センター方式ではない理由は、市域の形状のため、センター方式では2か所必要となることから、小学校調理方式にしている)。
・給食展のテーマは「相生の宝を育む学校給食」で、食育クイズラリー、展示コーナー(学校給食の歴史、食育、地産池消など)、試食、食育講演会などが企画されおり、子どもから保護者までを対象にした丁寧で分かりやすいイベントであった。

■質疑
問 こうした施策について、議会の反応はどうであったのか。
答 市長の公約であったが、議会側には唐突と受け止められた。賛否両論の中、議会側も危機感を持っており、概ね「やってみては」の雰囲気であった。市長のタイミングの良い説明、高齢者より若者への危機感もあり、3年後の検証を条件に予算が議決された。
問 待機児は。
答 保育園では3歳未満児のニーズが多く、4月入所時は待機児ゼロであるが、年度途中は難しい。
問 子育て支援策は思い切った施策と思うが、それにつなげるきっかけは何か。
答 合併断念が大きなターニングポイントであった。第1期行財政健全化計画で約20%の削減効果があった。かたや2040年の年少人口のマイナスが62%という危機感もあり、歯止めをかけるには社会増など何か手を打つことが必要と考えた。
問 学校給食の評判は。
答 給食センターではなく、小学校で調理し、幼稚園、中学校へ搬送しているが、手作り給食のため、おいしいと評判である。また、30%は地産池消で地元の米、野菜、カキを使用しているが、数量の確保が課題である。
問 企業誘致や産業活性化ではどのような状況か。
答 近隣の自治体と比べ、土地価格が高い。面積のうち8割が山林で、企業の引き合いはあるものの提供できない。今後は遊休地の活用が課題である。利便性や子育て環境という発想で取り組む。
問 家賃補助1万円の根拠は。
答 平均家賃は6~7万円で、近隣より1万円高いので、その差を助成するもので補助金は年度末申請の後払いで交付している。
問 子育て応援券の評判は。
答 500円券を72枚出生時に配布する。2歳になるまでにサービスに対し使途できるが、使い勝手がよくないのが課題である。予防接種やタクシー利用、一時保育預かりに使われている。
問 学び塾の状況は。
答 5~6年生のうち2割が参加している。授業の問題集を繰り返し使う。自主自学で基礎学力のアップを目指す。午後3時から4時までで無料。先生は教員OBや地域の人。
問 11の鍵の施策のうち効果のあるものは。
答 家賃補助は効果がある。子育て世帯の幼稚園児の家庭を対象にアンケート行ったところ、医療費の無料化に91%、学校給食費無料化に84%が評価している。

■所感
  会派の行政視察として、相生市を選定したきっかけは、本年1月31日に相生市議会の議会運営委員会が「議会改革」をテーマに、本市を訪問した折、相生市の紹介の中で「子育て応援都市宣言」をしている旨の発言であった。第4次総合計画のまちづくり戦略の中で、「子育て世代の移住・定住の促進」を掲げている本市として、学ぶべき都市であると思い、今般、行政視察を行ったものである。
 11にわたる定住・子育て支援事業は、平成25年度予算のうち総額で約3億円であり、6つの課にまたがった体制で取り組んでいる。まさに相生市の将来をかけた重要施策である。かつてIHIの企業城下町として栄えたまちがどのように再生していくのか、どのように次代を担う人材を育成していくのか、全国の自治体が頭を悩ます中、一つの実証実験として注目するに値する自治体である。
まだ2か年度の実績しかないが、人口減少や社会減の幅が縮小されている。この種の施策の効果及び検証は長期的視野でもって行うべきものであるが、毎年約3億円の投資を継続する財政面での維持・強化がその鍵ではないかと思う。
本市における定住・子育て支援の施策はまだ検討中の状況であるが、会派の所属議員が一般質問で提案等を行うなど重要施策として位置付けており、本市のまちの魅力のアップ、「住んでよかった」「住み続けたい」「住みたい」と実感できる、持続的な岩倉のまちづくりにつなげていきたいと感じた行政視察であった。

□岡山県真庭市 7月26日(金)午前10時~正午
  真庭市は、平成17年3月、9市町村の合併により誕生した。岡山県北部、中国山地のほぼ中央に位置している。東西に約30km、南北に約50km、面積で約828㎢で、岡山県の約11.6%を占めている。人口49,454人、17,874世帯(平成25年7月1日現在)。
  蒜山高原、湯原温泉郷という観光地を有し、平成23年は426万人の観光客数である。同年に開催された全国B級グルメの祭典「B1グランプリ」で、「ひるぜん焼きそば好いとん会」がゴールドグランプリを獲得した。
(1)真庭市地域雇用創造協議会について
  産業観光部 須田商工観光課長及び山本同主幹から次のとおり説明があった。
①真庭市地域雇用創造協議会とは
・厳しい雇用状況を改善するため、観光資源の魅力アップによる雇用機会の増大、雇用の創出等を目指し、地域と連帯した雇用推進事業を行うもので、協議会が厚生労働省から事業を受託し、市役所に事務局を置いて平成22年7月から実施している。協議会会長は産業観光部長、事務局長は商工観光課長が就任している。
・地域の雇用状況は0.44で、県内平均0.58を下回っており、厚生労働省の補助事業として採択された。
・市役所以外の構成団体は、商工会、農協、観光連盟、旅館組合などである。
②地域雇用創造推進事業(パッケージ事業)平成22~24年度
・農林、バイオマス、観光、商業、地域が連携し、魅力のアップと連携による観光資源の魅力向上と新たな観光資源の創出を図り、雇用機会の増大を推進した。
・雇用者のスキルアップのためのセミナー(経営支援、魅力あるまちづくり、商品開発、特産品販売力向上など)を開催し雇用の拡大を進めた。
・求職者のスキルアップのためのセミナー(人材育成、IT、観光資源開発、商品開発、創業支援など)を開催し機会拡大を進めた。
○実績
・22~24年度の3か年の実績は、セミナー開催回数258回、県外出張相談会等7回、参加延べ人数2,750人(参加者実数2,268人)で、成果としての就職者数は125人であった。
・セミナー開催により意識改革に努めたが、講師探しに苦労した。参加者からは「聞いてよかった」との評価であった。主に農業や観光を対象にしたセミナーであったが、口コミで広がった。
③実践型地域雇用創造事業 平成24年7月から 事業費約1億5,700万円(3年間)
・第1ステージの.パッケージ事業を受けて、平成24年7月から厚生労働省の受託事業を第2ステージとして開始している。メニュー内容は、雇用拡大、人材育成、実践メニュー、就職促進である。
・平成25年度からは、真庭市の委託事業で企業誘致・繋ぐプロジェクト推進事業を、アグリネットワーク推進協議会の受託事業で地域物流事業を推進している。
・この事業の狙いは、第1ステージのパッケージ事業で培われた「個の魅力アップ」を、第2ステージでは「連携強化」による魅力アップで誘客や販路の拡大を目指すものである。
・事業内容は、事業者向け、求職者向けのセミナー(経営戦略、情報戦略、地域戦略、販売戦略など)を実践的内容で行い、事業化を目指すとともに、総合的かつ戦略的な5つの実践メニューを通じて雇用機会の増大を図る。こうした事業は、行政が展開できない、すきま部分を協議会が行うものである。
・実践メニューの取り組み
・地域物流体制整備
・販路拡大事業・・・東京や大阪で販売促進事業を行うとともに、観光キャラクターを使用したノベルティ商品開発を進めている。
・ICT活用・・・SNS等の活用促進
・商品開発・・・郷土料理の試作を東京の料理屋で、サポーターズクラブを募集して実践し、試作アンケート、ネットリサーチで検証する。
・PRマッチング・・・東京駅前、麻布十番納涼祭や高槻天神祭りで真庭市のPRを行っている。東京の学生グループ「蒜ズ族」がプロデュースし、慶応大学食堂と連携が成立し真庭市をPRするなどマッチングを進めている。また、市内の酒、みそ、パン、チーズの製造業者で「発酵s(はっこうず)」というグループをつくり、イベントを開催し相乗効果を高めている。
④質疑
問 広域的な取り組みは。
答 具体的なものはないが、県外からもセミナー等に参加している。津山市でも同様な組織が立ち上げられたので協力して行っている。
問 事業はいつまで行うのか。
答 平成22年度から26年度までの予定である。
問 観光や農業が主力の中、後継問題はあるのか。
答 観光地の蒜山高原では若い人が就職している。酪農では若手後継者がいる。中、南部地域の農業では高齢化し衰退しつつある。若い人はパン屋などにチャレンジしているが、若者の人口流出が激しい状況である。農業と観光で連携し雇用を生み出すのが目的である。
 
(2)市税等滞納整理対策基本方針について
市民環境部債権回収対策課 河内総括参事及び大森参事から次のとおり説明があっ
た。
①滞納整理対策体制について
・平成20年11月、副市長を本部長とする「真庭市市税等滞納整理対策本部」を設置し、全庁的に推進している。収入未済額は19年度の約8.5億円から22年度決算では約10.7億円と増大している。
・未収金は根拠法令ごとに事務処理が必要なため、適切な債権の管理、滞納の予防、債権回収に向けて取り組みが必要である。
②市税等滞納整理対策基本方針(平成24年9月改訂)
・法に基づく効果的、効率的な滞納整理の執行
・初期滞納の徹底した抑制と長期、高額滞納の整理促進
・市税等の公平性確保
・関係機関、庁内関係課との連携による効果的な滞納整理の推進
・市税等納付者の立場に立った納付環境の整備促進
・目標数値の設定
③滞納整理対策(平成24年10月)
・債権管理条例の制定・・・債権管理について統一的な基準を整備し、徴収不能となった債権について不能欠損処分を進めるなど債権管理の適正化を図ることが目的に、平成25年4月から施行している。
・徴収一元化、組織化について・・・使用料を含めた市債権を一括して徴収できるよう、平成25年4月に「債権回収対策課」を設置した。これにより滞納者情報の一元化、窓口の一本化ができるようになった。
・滞納者への生活相談体制づくり・・・納付意欲を喚起するため、多重債務相談など生活再建を図る体制づくりを目指す。対応マニュアルの作成、市民相談窓口の紹介、法律家を紹介しての借金問題の解決などをその整備を進めている。
・行政サービスの制限について・・・納付意思の確認ができない悪質と認められる滞納者に対する行政サービスの制限を検討している。26年度からの適用を目標としている。
④収納額実績(個人普徴、個人特徴、法人市民税、固定資産税、軽自動車税の総額)
・平成20年度・・・ 84,906,393円
・平成24年度・・・161,398,826円
⑤徴収方法
・厳しい姿勢で滞納整理を徹底する。
・通知書、督促書など封筒を色別に使用している・・・通常は白色封筒、督促や催告は緑色の封筒、差押通知書は赤色の封筒を使用している。特に赤色封筒は効果がある。
・タイヤロック、財産の差し押さえなど、23年度実績で111件の差し押さえを実施した。
⑥質疑
問 滞納整理の状況は。
答 平成19年度から21年度まで毎年1億円ずつ滞納額が増加した。18年度は部課長で協議会をつくり、強化月間、管理職対応など対策をとってきたが、9町村の合併により不能欠損処理などの事務がバラバラであった。20年度に全体で強化を図るため、対策本部を設置した。21年度に基本方針を定め、臨戸訪問から差押え、滞納処分中心主義へと移行した。
問 対策本部の構成は。
答 副市長が本部長で、本庁の部長で構成している。
問 赤封筒は衝撃的な感じがするが、住民の評価は。
答 通常の白封筒で差押え通知をしても無視されるので、最終通知の意味を込めて、赤封筒を使用している。反応はある。
問 不動産の換価処分はどうしているのか。
答 価値があるものは差押えをする。預貯金、生命保険、損害保険、一般債権が大半である。岡山県市町村税整理組合及び岡山県滞納整理推進機構と一緒に不動産の差し押さえを行う。換価は委託して行う。
問 本年4月に設置された債権回収対策課の人員は。
答 課長以下7人の体制。
 
■所感
  中国山地のほぼ中央に位置する真庭市は平成の大合併で9町村がまとまった、大変大きな市域面積の自治体である。平成23年4月から供用開始している新庁舎は、地域資源である真庭産のヒノキ材を内装などに使用しており、中山間地ならではの庁舎であった。
 「雇用」と「滞納整理」の二つのテーマでの行政視察であった。まず「雇用」については、地域雇用の状況が0.44と働きたくとも働けない状況にある現状を打破するために厚生労働省の補助制度を導入し、雇用の創出と機会の拡大という改善に取り組んでいる。現状では第2期目の事業推進中であるが、若者の流出を抑制したり、東京や大阪という大きなマーケットにチャレンジするなど意欲的な取組に好感が持てた。すぐに効果が出る施策ではないので、第1期目で下地をつくり、第2期目で活かす、成長させるという進め方は、いずれ一定の効果はあるものと思われる。何よりも、地域資源を活用すること、人材を育成することは、どこの自治体でも必要とされるものである。五条川の桜並木しか思い浮かばないようでは夢も希望も持ちえないだろう。資源がなければ作ればいいだけのことで、一番大切なことは、それを担いうる人材を育成できるかどうかにあると思う。セミナーで育成し、実践メニューで企画運営をさせ、創業につなげていき、まちの魅力をアップする
という戦略に一つのヒントを得た思いである。
 続いて「滞納整理」であるが、本来ならば、執行上のテーマであるが、今回、視察対象としたのは、庁内体制の一部門だけではなく、債権管理条例を定めて庁内全体の債権の一元管理体制へと組織を再編したこと、対策本部の下、滞納整理対策が体系化されていること、実際の徴収現場に置いて、悪質滞納者に対し徹底して対応していることなどに学ぶべ
き点があると考えたからである。
 先日の宝塚市の庁舎放火事件を見ると、収納・徴収の部署は大変な業務をしていると思うが、税は市の歳入の大本である。公平・公正の姿勢で遂行することで市民の信頼を得ることができる。厳しい雇用、非正規雇用が増えている中、生活相談体制づくりを進めている真庭市は、併せて行政サービスの制限も検討中であり、いわば岡山出身の武蔵の「二刀流」のような戦略で、滞納税額の圧縮に取り組んでいることに学ぶべき点があると感じた。
  

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2013年07月23日

研修報告

第8回全国市議会議長会研究フォーラム報告書
                                                               平成25年7月22日
1研修期間  平成25年7月10日(水)~11日(木)
2研修先   旭川市 市民文化会館
3報告内容
■第1日目:7月10日(水)午後1時~午後6時10分
  主催者挨拶(佐藤全国市議会議長会会長、横浜市議会議長)、開催地挨拶(西川旭川市長、三井旭川市議会議長)の後、次のとおり進められた。

第1部 基調講演「地方議会改革」
講師 西尾 勝 氏(公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所理事長)
  主な内容は次のとおり。
はじめに
・「開かれた議会、討論する議会、行動する議会」を目指す議会基本条例の制定運動は高く評価する。
・この運動は、北海道栗山町から始まり、全国化し進化している。学習し推進することが大事である。
・地方議会改革(議会の制度面の手直し)は、短期、中期、長期の課題に分けられる。
・当面する課題は、①長の専決処分の課題(制限を加える)、②議会招集権の問題(議長の権限化)、③議員の身分・処遇の問題(公選職の概念で進めること)の三点である。
・長の専決処分の対象は、①長の執行権に属する事件(財産の処分、契約の締結、訴訟の提起・和解等)と②立法権に属する事件(条例及び予算の制定・議決)があるが、対象が②の立法権に属する事件にまで拡げられているのは議会の立法権の不当な侵害である。制限あるいは削除が必要であるが、簡単に廃止できない原因として国会の運営がある。例えば、税率の改正は地方議会終了後の年度末ギリギリで成立するため、長の専決処分となるので、2月中に国会を通せば、3月定例会の地方議会に間に合うこととなる。三議長会(県、市、町村)で国会に意見書を提出すべきである。
1短期の課題:議会招集権
・三議長会は、現行制度は首長優位の体制になっているとの認識に立ち、本来の二元代表制(長と議会の関係を対等・並立)に改めるべきと主張し、議会招集権を議長に賦与せよと主張している。
・長と議会の関係を対等・並立の関係に改めるために重要なことは、条例と規則の関係を見直すことである。
・国の法律と政省令の関係は明確であるが、自治体における条例は規則より優位とは言い切れない。これはかつての機関委任主義の流れがあるためである。機関委任主義を廃止した時に全面的に洗い直しをすべきであったが、不十分であった。長が決める「規則」に対し、議会は何もできない「規則」がある。
・戦後、憲法は二元代表制の採用を義務付けたが、地方自治法は純粋の二元代表制を採用せず、変則的な二元代表制を導入した。議会の不信任議決権と長の解散権の仕組みは議院内閣制に特徴的な仕組みで、現行の長と議会の仕組みは二元代表制に議院内閣制を加味した変則的な二元代表制である。
・三議長会が二元代表制の建前に固執すると、純粋な二元代表制に改めてはどうかという議論になる。そうなれば長に対する不信任議決と長の議会解散権はなくなり、それぞれ任期を全うすることになり、緊張関係がなくなるのではないか。
2中期の課題:議員構成の改革
・地方議会は常に国会をモデルにしている。しかし、地方議会と国会では制度上の位置付けも現実の役割も大きく異なる。都道府県議会と市区町村議会を一括して論じることにも問題が多い。それぞれを明確に区別して、それぞれにふさわしい制度を構築すべきである。
・市区町村議会の議員の顔触れは性別、年齢、職種で著しく偏っている。男性で、高齢者層が多く、サラリーマンで議員を兼職している人は乏しい。
・現状を改める方策は、議会の運営方法の見直しと選挙制度の見直しがある。
・議会の運営方法の見直しは、拘束を短くする、集中して審議する、夜間に開催する、通年議会制の採用などの改善策が考えられる。
・選挙制度の見直しは、労基法などの労働法制や休職しての立候補など公務員法制の見直し、小選挙区・中選挙区など選挙制度の見直し、選挙運動・政治資金制度の見直し等があるが、差し当たり労働法制や公務員法制の見直しから着手すべきである。
3長期の課題:個別利益の仲介斡旋活動からの脱却
・日本の政治の後進性は、議員が地元の有権者からの相談や陳情、役所への仲介斡旋、その解決の業務に追われていることにある。
・役所への仲介斡旋行為(口利き)は、職員に対して権力を背景にした横暴な行為であってはならない。
・住民側が議員にこうした行為を期待しているという政治文化を変えていくための真剣な議論が必要である。

第2部パネルディスカッション
「住民自治の実現と地方議会への期待」
 
 コーディネーター:宮脇 淳(北海道大学公共政策大学院教授)
 パネリスト    :片木 淳 (早稲田大学公共経営大学院教授)
            大山 礼子(駒澤大学法学部教授)
            人羅 格 (毎日新聞論説委員)
            三井 幸雄(旭川市議会議長)
 主な内容は次のとおり。
(1)地方議会を取り巻く状況について
パネリストから意見表明があった。
○片木 淳
・早稲田大学マニュフェスト研究所の議会改革ランキングの取り組みの紹介があった。
・回答した議会は76.6%の1371議会
・調査項目は、情報公開、住民参加、議会報告会、議会機能の強化、議会基本条例の制定状況などで、これにより順位付けが行われる。
○大山 礼子
・議会を取り巻く情勢・・・議会は住民代表機関として信頼されているか。定数削減、手当引下げばかりが改革の論点になっている。
・議員は住民を代表しているか・・・議員の偏り、面白くない選挙、過剰な選挙規制
・住民の議会に対する否定的な考え方がある。議会の質の向上、品質管理に力を入れ、信頼を得ること。
○人羅 格
・一言で地方議会を言えば、「惜しい」。地方議会をどう変えるのか。
・何をしているのか、住民から分からない。議会、議員の政策立法が見えてこない。
・住民から見て、つながりが感じられない。首長は住民と直結している。
・メディアが取り上げにくい。議員個人の活動をアピールする手段がない。ネットが状況を大きく変える。
○三井 幸雄
・住民自治とは何か・・・求められるのは、自治体の事務をその地域の住民の意思に基づき、その責任において処理し、その結果、住民の福祉が増進すること。
・議員は住民を代表しているのか・・・住民は、議員を権力機構の一部と見ており、距離感がある。
・旭川市では、かつて国道から車両を締め出し、買物公園の整備、旭山動物園の開園を行ったが、これらの政策は、少数与党、多数野党型議会の中、与野党が徹底した議論を行った結果である。言わば議会が住民直結型市政の生みの親、反面教師の役割を果たした。
(2)ディスカッション
パネリストからの意見表明の後、ディスカッションに入った。
①住民力をどう考えるか。
人羅)住民に近い立場なのに、なぜか住民は国会議員の方が身近に感じる。地方議員は遠い存在となっている。この背景として、自治体は生き残るために、首長は競争意識を持ち、マニフェストで議会を攻撃したりするので、首長と議会にギャップが生じている。片山善博教授は、議会を学芸会と評し、答弁はすり合わせ、シナリオ型と指摘している。
②人羅氏の三つの指摘に対して、旭川市議会の状況は。
三井)議会のチェック機能の総括は必要。住民の選挙で選ばれるが、住民と議員個人のつながりはあっても、議会とのつながりは弱い。議会自ら条例提案に至っておらず、市長の提案を修正しているのが現状である。メディアとの関係は日頃からいい関係にある。
③立法力をどう考えるか。
大山)地方議会は住民を代弁し、政策を実現する装置なのに、住民は議会を「う回」し、住民投票に期待している。こうしたことは議会の姿勢に問題がある。住民の代表と思ってもらえない。日々の活動で信頼を得る。議員は支援者以外の人にどこで聞くのか、住民は議員にどう伝えるのか、パイプが詰まっている。首長の提案を議論し精査すること。政策条例も大事であり、住民からのアイディアを活用してはどうか。
④インターネット選挙が解禁されたが、住民とのつながりではどうか。
片木)住民から信頼されなくなっている。小平市の住民投票条例を求める動きは直接民主制である。ドイツでは直接民主制で決着をつけている。住民代表より住民自身の方が賢いとの考えである。住民から見れば、様々な課題をひとまとまりで選ぶ選挙は仕方ないかなの感覚ではないか。食い違いが出れば、直接民主制へ。ルソーは「イギリス国民の自由は選挙の時だけ」と指摘している。住民の選択は白紙委任ではない。議会活動の中で反映させていくこと。議会基本条例のポイントは市民主権の考え方である。
⑤議会における住民参加について
大山)公聴会の活用で住民の声を聴く。議会は直接民主制とどう向き合うのか。どう影響があるのか、アセスメントなしの住民投票という政策提案は乱暴である。議会は議論する場で、住民に伝えることが大事である。
人羅)議会を夜間開催すれば参加しやすい。効果はある。委員会で地域の問題を取り上げること。ネット選挙は地方選での効果は疑問である。日常的な活動でネットを活用してはどうか。若い人の参入となればいい。
三井)平成22年12月の議会基本条例検討会議を住民に公開しプロセスを見てもらった。重要なことは地域へ行き、意見交換会を開催することである。
⑥議員の政策力や立法力について
大山)議員定数はこれ以上減らさない。住民との協働で政策を作る。議会は今、何をしているのかを伝えること。通年会期制とし、スケジュールを決めて活動してはどうか。インターネットの活用をすること。議会から発信することは意味ある情報提供となる。
人羅)首長の予算提出権限を侵さないという抑制意識が強すぎる。議会は議決権があるので、それをどうやって発揮するのか、議決権との関係を考えてほしい。
⑦反問権、議員定数という問題についてはどう考えるか。
三井)議会基本条例に反問権を定めているが、実績はない。住民との意見交換会では、議員定数は多すぎるとか、報酬は半分でよいとかの意見はある。議長の諮問会議で検討しているが、定数を減とする意見、増とする意見の両論併記の状況で、改選期の一年前には結論を出す方向で検討している。
(3)会場からの質疑
 問 二元代表制と言うが、議会はばらばらの状態なので、どうすればまとまるか。
 答(大山))国会のマネをしないこと。党派対立ではなく、議会人として議論すること。
 問 メディアが取り上げてくれないが、報道の決まりはあるのか。
 答(人羅)決まりはない。支局へのアプローチは有効である。
 問 夜間議会は職員手当などがかさむが、どう考えるのか。
 答(片木)休日、夜間の議会開催例は少ない。金のことばかり言うのはどうか。何が大事か、金以上に価値があれば出せばよいのではないか。大事なことは公共として行うことである。
(4)まとめ
三井)無投票選挙や低投票率は議員の魅力が住民に伝わっていないからだ。議員に挑戦する風潮を作ること。議会の中で討論し、地域に入って議論することが大事と思う。
人羅)二元代表制が機能しないのはいけない。人口減の時代を迎える中、市が主役となる。議論するオープンな議会としてほしい。
大山)党派対立のない政策条例を目指してほしい。プロセスを公開し、住民の関心を引き付けること。住民が議会を使うというレベルへ持っていくこと。
片木)住民と真剣な議論をしてほしい。議会報告会は会を重ねると、住民から様々な意見が出る。
宮脇)住民と向き合って議論をし、地域の民主主義を育てること。
第3部 意見交換会

■第2日目:7月11日(木)午前9時~午前11時
第4部 課題討議
「政務活動費を考える」
 
 コーディネーター:江藤 俊昭 (山梨学院大学法学部教授)
 事例報告者   :斎藤 佐知子(函館市議会副議長)
             江原 和明 (宝塚市議会副議長)
             鈴木 弘  (熊本市議会副議長)
 コメンテーター  :橋本 勇  (弁護士)
  主な内容は次のとおり。
 最初に、江藤氏から政務活動費を考える論点が示された。
江藤)政務活動費のグレーゾーンを明確にすること。特に「その他」の部分が不透明である。政務活動費は月50万円から0円と自治体によって様々である。中には政務活動費の条例がない自治体がある。考える視点は、議会力・議員力のアップ、透明性及び説明責任である。
(1)事例報告 
次に、事例報告者から「政務活動費の動向と課題」について報告があった。
○斎藤 佐知子(函館市議会副議長)
 ・函館市議会の政務活動費は、平成13年4月に条例・規則を定めた。
 ・議員定数は30人で、政務活動費は月額7万円であったものを、平成24年から月額4.5万円の減額している。半年ごとの交付である。
 ・使途基準取扱要綱、支出事務処理の申合わせ、運用に関する会派間協議の場で使徒の適正化を図っている。
 ・市民団体から、平成13年度、16年度の二回、住民訴訟が提訴された。争点は「会派性の要件」と「使途基準適合性」であった。こうしたことを踏まえ、使途について「自主的・自律的裁量権」で対応している。
 ・ホームページで全面公開し、使途に関する説明責任は会派及び議員にある。
 ・平成25年度からの政務活動費の扱いは、「陳情・要望活動」への使途は見送りとした。「函館市議会政務活動費の使途基準および透明性の確保に関する運用方針」を施行し、市民から疑義が持たれるような支出はしないこととしている。
○江原 和明(宝塚市議会副議長)
 ・議員定数26人、月額8万円で3か月ごとの交付である。
 ・平成25年3月、政務活動費交付条例を制定し、前年度政務活動費をインターネットで公開している。
 ・過去3回、市民団体「見張り番宝塚」から住民監査請求があった。いずれも違法性はなしであった。現在では、市民団体と定期的に意見交換をしている。
 ・住民訴訟が提訴され、一部目的外使用分返還命令の判決(広報紙等の目的外支出)が出た。
 ・政務活動費交付条例のポイント・・・携帯電話代は一部のみ対象(1/2按分)、広報紙は面積按分、書籍台帳、備品台帳の整備、議長の調査権(4半期ごとのチェック)、インターネット公開など
○鈴木 弘(熊本市議会副議長)
 ・議員定数48人、月額20万円、半年ごとの交付である。
 ・報酬審議会に諮問し決定している。
 ・平成19年に返還履行請求の提訴があり、返還命令の判決であった。これを受けて、議会活性化検討会を設置し、使途基準やマニュアルを作成した。検討会では、公認会計士からの報告書をもとに政務調査費運用の手引きを作成した。なお、領収書類は議会図書館で閲覧できる。
 ・議長の調査権により、第三者の専門的見地から意見を聞くため、南九州税理士会に使途調査委託業務を21年度分から実施している。
 ・随時、使途基準の改正を行っている。例 車燃料費の上限設定(年間24万円)、購入書籍の明確化、備品の返却方法の変更(パソコンの未償却分を返却)
○橋本 勇(弁護士)
 ・議員と市民団体との認識の違いがある。職責を全うするための調査研究は必要。報酬が議会活動の対価なら、それ以外は調査研究となる。市民団体はすべて報酬に入っていると主張している。
(2)討議
 コーディネーターから、従来の政務調査費から政務活動費(25年度から)へ移行したこと、透明性、第三者機関、範囲の広がり、市民への説明責任という論点の説明があった後、討議に入った。
斎藤)政務活動費の額は、報酬審議会にはなじまない。市民の意見は聞かない。過去自主的に、月額を7万円→5万円→4.5万円へと減額している。執行率は65%で、不用額は返還している。説明責任については、収支報告書、領収書、活動報告書が閲覧できるようになっている。要請や陳情は対象外としている。疑義あるような使い方はしないこととし、会派が責任を持って説明する。スマホ、タブレットは支給しない。パソコンは専用回線のみ使用できる。
江原)政務活動費は昭和47年から始まり、月額5千円→10万円→8万円へと推移している。改正の「その他」の扱いは、要請や陳情については議長への事前の届出と報告書で認めることとし、政党活動、後援会活動は認めないこととしている。特別職等報酬審議会に活動を報告し意見を聞いている。高いという意見はなく、成果を求める意見はある。海外視察には使わない。ただし姉妹都市との交流は公務となる。携帯電話、スマホ、タブレットの購入代には充てない。
鈴木)行政の海外事務所がある台湾など東アジアとの都市間交流の海外派遣には充てている。個人の場合は、議会運営委員会に事前報告する(出張申請→報告)。政務活動費への改正事項については、税理士会に使途調査を委託している。
橋本)政務活動費の「その他」はよくわからない部分がある。東京都では第三者機関にチェックさせているが、従来どおり変更がないものとしている。陳情や要請活動に使途できるが、その内容が説明できるかどうかである。
(3)会場からの質疑 
 問 裁判所に提訴される例があるが、どう考えるのか。
 答(橋本)提訴されても、自信と信念をもって対応すること。そのためには、説明責任を果たし、記録を残すことである。
 問 函館市議会の執行率は65%と報告があったが、別途立法や政策提案のための経費はあるのか。
 答(斎藤)65%の執行で、残り35%は返還している。事務局の経費は十分でない。
 問 旅費は職員のものを準用しているが、議員は別と考えてもいいのではないか。
 答(江原)職員の旅費規定を準用するが、一部例外もある。
  (斎藤、鈴木)旅費は職員のものを準用している。
 問 成果はどう示すのか。
 答(斎藤)活動報告書や支出報告書を作成し、議会報告会などで説明する。
  (江原)一般質問に活用したり、先進地の提案を議会報に掲載したりする。議会報告会で住民の意見を聞く。オンブズマン的な人と定期的に話し合い、市民感覚をつかむ。
(5)まとめ
斎藤)議会の役割と機能を周知し、住民の意見を反映させるようにするとともに議会の活性化を進める。
江原)昨年10月、定数と報酬のカットを求める住民直接請求(条例)があったが、否決された。透明性の確保が課題と考える。
鈴木)市民団体からの監査請求は毎年あり、市民理解は進んでいると思う。二元代表制の一機関として、執行部をチェックすること、議会の透明性の確保や改善が必要と考える。
江藤)透明性の確保、第三者機関、市民との関わり(説明責任)という視点をしっかり持たないと、住民は報酬削減に関心を持つ。行政改革と議会改革は異なるので、政務活動費だけでなく、議会の権限を活かし説明責任を果たすこと。そのためには議員間討議を行い、独善性を排除し、住民の意見を聞くことである。それを支えるのが政務調査研究と考える。
 ■所感 創政会として、昨年に続き2回目の参加となる全国市議会議長会研究フォーラムであった。地方分権が進展する中、地方自治をどう実現していくのか、また住民は地方議会に何を期待するのかというパネルディスカッション、そして平成25年度から新たに政務活動費(従来は政務調査費)として衣替えした政務調査研究経費の在り方が今回のテーマであった。
 識見者であるパネリストからは、今の議会は「住民から見て、何をしているのか分からない、繋がりが感じられない」という指摘があった。議会だよりの発行とか議会報告会の開催とか個人議員の活動報告とか様々な形態での住民への周知を行っているものの、それは議会側、議員側の自己満足かもしれない。大事なことは本質に触れることではないかと感じた。ただ単に「定例会がありますから傍聴に来てください」と呼びかけるだけでなく、議場に足を運んでもらうためにはどうするのか、住民の目線に立った発想が必要ではないか。今後、会派内で議論を深め、会派間協議や議会改革特別委員会等に持ち込みたいと思う。
 政務活動費については、その使途は厳格に捉えるべきと思う。そして何より大事なことは、住民への説明責任を果たすこと、疑義を持たれないようにすること、「行ってきました。勉強しました」だけではなく、その成果を議会の場で発揮できるようにすることを改めて再認識した。住民のより身近な議員として、その存在感を強くアピールするとともに、信頼を勝ち得るようさらに精進をしたいと感じた研究フォーラムであった。
  

Posted by mc1397 at 11:43Comments(0)TrackBack(0)