QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。 解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
mc1397

2012年11月30日

研修報告

平成24年度 第3回市町村議会議員特別セミナー報告書
1研修期間  平成24年11月21日(水)~22日(木)
2研修先   全国市町村国際文化研修所
3研修内容
○ 11月21日(水)
(1) 講義「活気あるまちへの挑戦~リーダーに必要なもの~」
講師 竹中 功 氏((株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役)
主な内容は次のとおり
・ 「笑い」を「地域のもの」に置き換えてください。共通するものがある。人が人を磨いて、人を高く買ってもらう。
・ 「よしもと」は100年間、所属する芸人数は不明できた。全員が笑わしたい、ドラマに出たい・・・夢を持って集まる。入る人は拒まない。芸人は個人事業主で社員ではない。例、さんまの事務所名「(株)オフィス事務所」など
・ なぜ、よしもとは100年間、維持できたか。人と人の約束を大事にする。口約束は重みがあるし、裏切らない。現在はメールでスケジュール管理している。
・ 芸人は、客のお金と時間をいただき、笑いと言う商品を提供する。これを1912年以来100年間続けている。その間、危機もあった。
・ 1930年代、ラジオが登場。劇場に客が来なくなるのではという危機。しかし、ラジオに出演することで、客は生で見たいと劇場に足を運ぶこととなった。これを「メディア・ミックス」という。
・ 1950~1960年代、テレビの登場。客が劇場に来なくなるのではという危機。しかし、ラジオと同じで生で見たいと客は劇場に来た。二つのものが出合って化学反応した(メディア・ミックス)。これにより人気者が増加した。このように異質なものとの出合いが化学反応し変化する。
・ よしもとが客に笑いを届ける方法・・・明治は劇場、昭和はラジオ、テレビを通じて笑いを届けたが、やはり生で見たいという客の声。客が決めること。
・ モヤモヤワクワクドキドキ、笑わそうと面白いことを考えるが、それを話すと1/10に減る。書いて伝えても目減りする。考えるより感じること。感じることが多ければ、笑いも多い。
・ 笑いは旬だから、昨日や今朝、考え感じたネタが笑いを作る。机の上で考えても笑いは出ない。動いて感じることから笑いがでる。感じることを増やす。感じて上手く話すこと。
・ よしもとのよさは自由度にある。自由の発想がないと笑いは出ない。
・ どう発想するのか。一つの実験。ここにみかんが一個ある。Aさん、Bさんはどう分けるのか。ウインウインの法則で話し合って決めること。
・ジャンケンで決める。
・カードや10円玉で決める。
・Aが皮で、Bが中身(Aは皮を再利用できる)
・ジュースにして分ける。
・Aは種で、Bは中身(Aはみかんを育てる考え)
・Aは韓国ノリとみかんを交換
・Aはみかんをもらう代わりにBの肩を揉む。
など分け方は様々で、発想豊かに交渉できるか。みかんにとらわれると発想が止まる。
量・数の分配と質の分配ができる。
・ 質の分配は、価値の創造であり、サービス業の基本である。
・ よしもとの100年間で、関東大震災があり、太平洋戦争があったが、笑いは平和産業である。社会が平和だからこそ、笑いができ、サービスを提供できる。
・ もう一つの実験。円錐形をイメージせよ。
・ヨコから、ウエから、シタからのイメージ
・円錐形という漢字のイメージあるいは英語のイメージ
など様々なイメージがある。自分の頭の中から見出せるかどうか。自分の知識や経験から見出せるもの。円錐形の周りを歩くことで見えるものがある。
・ 観光名所、産業など見方を変えるといろいろ見えてくる。
・ 自分の所属する会社は、まち起こしの計画をクリエイティブしており、ある町の依頼で企画書を作成した(全国どこでも通用するもの)が、相手から「あて先を変えるだけでどこでも通用するものではないか」と指摘され、気付いたこと。それは、大事な事は先様のものを探り、一緒に考え、一緒に動き、一緒に決めることである。動くことを設定して企画する。
・ 観光客をどのように誘致するのか。土産、名所、トイレ、食べ物、空の色など地元の資源(人、歌、踊りなど)を見直し、創り、売ることである。京都府の山田知事は「人づくり、モノづくり」と言われたが、「金づくり」を追加提案した。ビジネスに結びつけること。
・ パンフレット「あなたの街に住みますプロジェクト」を1年半前から始めている。47都道府県に社員1名を住まわせている。5千人が応募した。地域に住むことで芸を磨く。東京、大阪だけでは全国は見えない。東京中心主義ではなく、地元と密着する。
・ よしもとはテレビで笑いを提供しても、エンドユーザーとのコミュニケーションは成り立っている。誰のために行うのか、川上と川下の関係が見えているのかどうかである。
・ 劇場の1階で、支配人が客の声を聞いている。これが一番のマーケティング
・ 芸人に送る言葉「売れる秘訣は、売れるまで辞めないこと」
以上

(2) 講義「地域の再生に必要なもの」
講師 新川 達郎 氏(同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)
   主な内容は次のとおり
 1地域が直面している問題
①「地域」とは:その考え方
・身近な地域:顔の見える範囲、人の関係ができる範囲・・・合併により地域が大きくなり、従来の地域とは異なり、見づらくなっている。大字、小字程度の地域が身近な地域と言える。
・自治会、集落といった地域が大きく揺らいでいる。地域の成立に向けて、足元から作り直す。
②地域の再生
・地域、まちの衰退が進行中:高齢社会、縮小(人口減少)社会
限界集落のほか都市部でも見られつつある。
・地域の資源、人材を有効に活用することが求められている・・・第一におこなうべきこと。
・まちづくりや地域の活性化に一層積極的に取り組むことが求められている。
施設や資源を活用し、住む人が幸せに暮らせるよう維持し、次の世代に引き継ぐ。
・これからの「まちづくり」は『地域の再生』を考えること
今までの都市計画のまちづくりから地域の暮らしをどう組み立て直すか、維持するのか、まちづくりが変化している。
③なぜ地域が問題なのか
・生活の場からの問題解決が求められる・・・暮らしにくさ、生きにくさが人を流出させる。
・政府の失敗:行政依存から脱却できたか。
行政サービスの提供で地域の維持に努力はしたものの地域住民の幸せを作り出す活動ではなかった。住民の行政依存が進んだ。
・市場の失敗:企業依存から脱却できたか。
金が介在したサービスの提供は必要なサービスであったか。地域の求めるサービスとうまく対応できなかった。市場は自己革新ができず、企業依存の限界である。
・地域組織の弱体化、地域社会の崩壊
地域の持っている力はこの数十年間で行政や企業に取って代わられ、地域は弱体化した。
・東日本大震災の衝撃:地域の崩壊と再生の難しさ
孤立世帯では救援が遅れた。マーケットが上手く機能しなかった。
・低成長経済と財源不足で地域の再生は可能か・・・人手不足
④身近な地域は元気か?
・行政区、自治会の活動は活発か。自治会長、区長や役員だけが動いていないか。
一年交代のため、活動が引き継げずにいる。地域の衰退の一因となる。
・社協やPTA、防災、防犯など各種地域団体は元気か、連携しているか。
従来の組織は高齢化、少子化、同じメンバーなど力を失っている。
・ボランティアや新しい市民団体は生まれたか。
生まれている。それが既存団体を元気にしつつあり、地域に変化が生じているが、一方背を向ける人がいる。
・住民は地域活動に積極的に参加しているか。
民生委員などは若返りつつある。団塊の世代が地域デビューし、ヤル気のある人が参加している。
⑤地域は今?
・人口減少:将来は3人に1人が65歳以上となる。2100年には人口は現在の半分になる。
・地域の組織問題:高齢化、硬直化、停滞化
・市町村行政は引き気味?地域行政活動は停滞していないか?
限られた財政、人員の中で公平、公正な行政サービスの提供は手が回らない状況にある。一方一人暮らし世帯は増加している。サービスの縮小化となり、行政活動は引き気味となる。
2地域課題を解決するまちづくりを進めるために
①地域を取り巻く環境変化
・地方分権、市町村合併、行政構造変化という地域を取り巻く環境が変化している。
・少子高齢、人口減少、経済停滞、担い手不足という社会経済環境変化にどう対応するのか・・・「新しい公共」で打破する動き、従来の公共と合わせて、暮らしを考える。
②「新しい公共」を支える地域
 戦前は、地域住民が橋や道路などの建設を自分たちのために行ってきたが、近代では行政活動が大規模化しインフラ整備を行ってきたため、地域の力が奪われていった。近年、高齢化、少子化、経済停滞などで行政活動が縮小傾向にあり、「新しい公共」のあり方が求められている。
・地域自治団体、各種団体、NPOなどへの期待:新しい公共の担い手づくり
・行政だけでなく住民や地域団体も公共活動を担う:新しい公共
自分たちのために活動する団体、ボランティア、NPOなどが登場し、新しい公共の担い手になりつつある。
・真の豊かさを求めて:身近な暮らしを「みんなの問題解決手段」から再構築していく。
③まちづくり・地域づくりの考え方
・まちづくりとは:一人ひとりの暮らしに必要な地域社会の維持と発展のための活動
 街づくり・・・昭和50~60年代はハードな都市計画的空間づくり(公園など)
 まちづくり・・一人ひとりの暮らしを担っていく活動へ変化している。街づくり(ハード)からまちづくり(ソフト)へ
・まちづくりの主体:市民の地域活動への参加
・市民参加によるまちづくり:市民、住民が主体のまちづくり
・まちづくり、地域づくりは誰のものか:市民による市民のための市民の地域づくりを
地理的なものではなく、活動団体、人、グループがあってまちづくりの場となる。
・まちづくり、地域づくりを支える場:地域自治組織、住民団体
④市民団体、地域組織の役割
・まちづくりは市民、コミュニティ組織が担う。
・地域文化や一体感形成、防災安全機能、教育福祉機能の担い手:地域組織
目的達成だけでなく、助け合って一緒に活動しながら、結びつき、仲間を見つけ出す。
⑤地縁団体・地域自治組織の衰退現象:コミュニティ再生と地域自治再生
・地域組織の衰退、形骸化問題、住民の組織離れ:行政、市場、個人の動き方、考え方の変化(住み方、暮らし方の変化)
・地域コミュニティ再生への取り組み:地域再組織化、NPOとの連携による地域組織活性化
⑥地域団体、自治組織の課題
・自治組織の現状:行政下請け、重い負担、地域活動の担い手、名誉職、活動の硬直化と停滞、自主性や自発性の欠如
住民ニーズに応えきれない。担い手や後継者不足、育たない次世代
⑦全国に広がる地域自治の組織化
・地域自治を軸とする自治基本条例の制定
・まちづくり型の地域自治組織化:地域づくり協議会、まちづくり協議会
・地域のまとまり:一体感、活動の歴史、組織基盤
⑧地域自治を進める行政の課題
・行政の地域自治組織化では、形はできてもすぐに動かない、狙い通りにはならない。
・理念や目的の不一致、既得権の侵害、住民団体切捨てなど従来の組織の反発がある。
・行政の思惑通りには動かない:補助金、交付金、活動内容、組織運営体制など
・住民の地域自治の意識や行動が育つか。
⑨これまでの行政対応
・行政区対応型の町内会、自治会で、行政委託、行政協力組織、下請け型の活動で重荷になっている。
・各種団体は育成され、行政機能の拡大と共に発展しても行政依存となり形骸化する。
・新たな展開が必要である。
⑩地域自治確立に向けての行政の基本姿勢とは
・住民自治領域を確認し、行政との役割を明確化する。
・資源や権限を市民、住民に。
・住民と一緒に考え作るという地域自治の仕組みづくりを考えることから始める。
⑪まちづくり方針の転換
・財政、人、能力など役所の限界があり、行政改革が必要
・行政にできることは「選択と集中」
・従来型の地域行政である施設、サービス、委託、補助金等を見直す。
・従来型の行政変革から脱皮:新しい自治(住民自治、協働)へ
4地域資源によるまちづくりに向けて
①まちづくりとはなにか
・地域活性化、地域の発展、地域づくりなど地域再生の様々な顔がある。その内容は施設整備、道路等の基盤整備、圃場整備などのハード整備とその活用(ソフト)である。
・地域経済の活発化、地場産品の産地化、交流人口の増加などの目標を有する。
・地域住民の活動は継続的で活発であること、そして次世代に引継ぎが可能な持続性を持つことが原則である。
・こうした地域づくりを進めるためには人づくりが基本となる。
②これからのまちづくりの方向
・地域経済発展と地域振興から地域力重視の方向へ:地域内の充実、域内循環
・経済発展の中央主導から地方分権へ。
・多様で個性的な地域づくりが活力あるまちづくりとなる。
・視点を転換し地域重視、内需シフトの地域活性化へ方向性を変えていく。
③まちづくりのための地域資源
・地域資源とは、その存在によってまちづくりが変わるもので、ヒト、モノ、カネ、コト、情報である。
・賦存する資源を活かし、希望する資源を創造する。
・「ないものねだり」から「あるもの探し」へ、そして「ないものづくり」へ地域資源を発見する。

④価値の多様性を組み込んだ地域資源政策
・地域が持つ多様性と多様な価値、多様な地域資源を再発見する。
・新たな地域の価値創造という観点を重視する。
・多様な価値に焦点を当て、見落としてきたもの、評価を変えるべきもの、新たに創造するものなど社会的に見て意味のある多様な価値に焦点を当て地域政策を始める。
⑤地域資源の発見を具体的に進める
・地域資源とは、地域経済、自然、伝統文化、生活様式である。
・優れた産品、見逃していた評価されていない資源など地域の資源を探す。
・地域の条件に合った必要な資源をつくり出す。
・必要な人材づくり(人的資源)
・地域の外にあるネットワークなどの資源を活用する。
5まちづくりは人づくりから
①まちづくりのための人材像を考える
・地域が必要とする人材は、人物像とはどんな人かを考える。
・地域づくりの人材像は様々である。
・地域課題への自覚、課題解決への意欲、解決のための知識技術の習得、そして実践を担う人材の育成を図る。
②「まちづくり」は「人づくり」
・人づくり3段階の原則:共に学び、共に育ち、共に変わる。
・自分自身の気付き、興味関心の触発、新しい取り組みへの意欲など自学自習が基本である。
・気付きがあると育ち始める。育ち始めると成長速度は加速する。
・気付きの環境づくり、育ちの環境づくりが大切となる。
③これからのまちづくりの方向
・身近な地域からのまちづくりは地域コミュニティが担う。
・多様な主体によるまちづくり
・パートナーシップ(協働)によるまちづくり(単一の主体ではできないことを実現する)
・新しいまちづくりのために地域の活力、安心安全(セーフティネット)を構築する。
④地域課題を解決する協働型まちづくり
・特定の担い手では解決できない地域課題を協働型で解決する。
・地域サービスは地域の担い手でという地域の役割分担
・従来型組織を乗り越えて、新たな団体(ボランティア、各種団体)が活躍する。
・課題に応える新しい仕組みづくりと組織を刷新し、NPO型地域組織との協働を進める。
○質疑応答
・ 地域の崩壊に対し発想を変えるとは。→変化にどう対応し、どう考えるかの発想の転換が必要と思う。
・東日本大震災で壊れないものが壊れた。どう考えるのか。→自然災害による地域社会の崩壊で、従来の仕組み、暮らしの維持ができなくなった。どうしていくのか考えさせられる課題である。従来と同じ仕組みは無理なので時間をかけて丁寧に考えること。地域がバラバラになり、残った人がどう仕組みづくりをしていくのかの議論が始まっている。崩壊と捉えるのはマイナスの考えで、危機を直視し再生を考えることと思う。

○11月22日(木)
(3)講義「地域の再生と活性化~市民が豊かになる地域再生策~」
講師 久繁 哲之助 氏(地域再生プランナー)
主な内容は次のとおり
 はじめに
  よく聞かれる質問が二つ
①成功事例を教えて欲しい。→過去成功しても、現在ダメなものがある。
②どうすれば商店街が成功するのか。→成功の方程式は「成果=知識力×思考力×使う力」
・なぜ掛け算か。どこか一つでもゼロなら、成果はゼロとなる。掛け算で重要性に気付く。
・成功できる人とできない人の違いは何か。成功できる人は思考力と使う力を重視する。できない人は知識を求める。考える力、使う力にポイントを置く。
1)自治体が描く「商店街活性化計画書」の間違い
・ 公務員が描く計画書でおかしいと思うことは、変えようとすると既得権にぶつかるので手を付けないこと。
・税金を使って活性化を図ろうとすること。
・需給のバランスが崩れ、若者が都市へ流失している。
・客が少なくて商店主が困っても、市民は困っていない。
・補助金で勉強会を開いても、閉鎖型の勉強会となり、自分で考えることが欠落している。商店街が自腹で勉強会をやらない。
・毎年、既得権化している同じメニューに税金を投入しており、同じことを繰り返している。
・若い人は自腹で勉強する。
2)街なか再生を願い、講演と懇親会を依頼した公務員の間違い
・懇親会で講師だけがビール、公務員はウーロン茶、なぜ?
 答は自動車通勤だから。懇親になるのかの問いに答えず。
 さらに日常的に商店街に行くのかの問いに、忙しいから行かないの答。
 では誰が商店街に行くのかと聞くと、暇な人と答える。
・商店街活性化計画では「誰もが訪れる、賑わいのある商店街」とあるのに、公務員の行動は違う。
・街なかの駐車場を整備しても利用がない。商店街に行かないのに整備することの矛盾に気付かない。成功事例のみを真似て計画している。リアルティの欠如、思考力の欠如がある。
3)H/W(ハード)とS/W(ソフト)とO/S(オーエス)の連携
・ハードとソフトは議論されても、基本であるオーエスは議論されない。どんなハードやソフトを導入しても上手くいかない。
・街なかに駐車場を作っても上手くいかない。ライフスタイルを街なかで暮らしたい、過ごしたいというオーエスになっていない。街なかで過ごすという意識がない。
・リアルティ、責任感がない中では無理である。活性化計画は「見かけ」で作成される。
・かつて20万人の観光客を集客していた豊後高田市の商店街は現在、閑古鳥が鳴いている。当初は、昭和レトロ調の雰囲気があったが、全国至るところで真似をされたため廃れている。江東区亀戸の商店街も2億数千万円の補助金でレトロ商店街を整備したが、活性化していない。なぜなら、土・日を定休日にしており、リアルティがない。
・既得権とぶつかっても改革することが重要である。
4)成功のヒント
・ 成功のヒントはオフィスの中にも仕事中にもない。仕事外で生まれるという意識を持つ。
・成功例1 「葉っぱビジネス」・・・毎年2万人が視察に訪れる。ヒントは女性客の一言「この葉っぱカワイイ」からビジネス化した。地元民をヤル気にさせ、情報のシステム化が成功につながっている。人間関係が重要である。
・成功例2 「もみじ饅頭」・・・明治の終わり、当時の伊藤博文首相が「お嬢さんの手はもみじのように美しい」の一言に、商店主は饅頭を商品化した。しかもこの一言を誕生物語としてカード化しPRした。この成果は「一言×思考×使う=成果」の方程式である。成功のヒントは偶然の利用である。
・成功例3 「松山市の商店街」・・・日本一のコンパクトシティで、自転車が利用されている。ハコモノではなく、郷土愛を打ち出して、ぼっちゃん、坂の上の雲といった地域資源を上手く利用している。市民が何を求めるのかというニーズを把握し、物語を活用したまちづくりを進めている。
以上

(4)講義「まちの文化人類学-住み続けたいまちとは」
講師 船曳 健夫 氏(東京大学名誉教授)
主な内容は次のとおり
0)はじめに
住み続けたいまちにするために何が必要か。キーワードは「ヤンキー」「地元志向」
1)これまでの日本
①三つの文明
 ・狩猟採集(移動)・・・3~6千年前、広い範囲を生存のため移動する生活
 ・農耕(定住)・・・農業により労働が集約され定住生活となった。安定だが退屈な生活。エキサイティングなまつり、人間関係の変化(支配者、グループ)
 ・産業(移住)・・・農業以外の産業へ人が集中する。地方から中央へ人が移住した。
②日本列島では
 ・農耕文明の時代・・・定着者(農民)と移動者(支配者・非農業民)
 ・江戸時代・・・「イエ・ムラ・藩」システム。移動者(支配者)は参勤交代で移動したが、移動の自由は制限された。安定社会のため、農民は移動させない。物品移動も制限された。非農業民(職人、琵琶法師、サンカなど)は移動していた。
 ・明治時代・・・定着者は地方人、移住者は中央人(学歴はシステム化された)
2)いまの日本(2012年の日本を考えてみる)
「インテリとオタクとヤンキー」という三種類の社会・文化「傾向」のモデルで考える。
①インテリ
歴史的には貴族と武士で、支配者の持つ傾向の歴史的継承者である。明治以降、それ以下の身分からも学歴エリートとして、この傾向は続いている。
②オタク
アニメオタクなどの言葉があるが、歴史的には江戸の町人、武士の次男・三男、「風狂人」などが源流である。
江戸時代、宗教は形式化し政治の下に置かれ、茶や生け花の世界が楽しみとなった(宗教の世俗化の代わり)。家元制は世間付き合いが半分の目的で、精神(心)を込めることである。仕事でも、モノづくりに工夫し後に残した。職人の世界は精神論から入っている。オタクは生存活動におけるエネルギー消費量が比較的少ないので、経済の悪環境にもサバイバルしやすい。中央に生息し、現在のIT産業においてもリーダーとなる者がいる。
③ヤンキー
歴史的には非農業民であり、柳田国男の考えた「山人」であり、「河原者(歌舞伎役者)」であり、漂白民であり、職能集団であり、野武士であり、見えない人々である。
ヤンキーは日本における新しい流れで、必要な存在である。まつりの担い手はヤンキーっぽい(金髪、不良)。地元志向の点でインテリ傾向と異なり、結婚・ファミリー志向の点でオタクと異なる。
3)これからの日本のまち
・三つの傾向(インテリ、オタク、ヤンキー)はどこで折り合いが付くのか。
・オタクは、ただ乗り(社会貢献をしない)をやめるか。社会志向を持てるか。
・ヤンキーは、ファミリー、ムラに忠誠であり、反世間で、日の丸が好きであるが、イエ、ムラ(族)以上に枠組みに意味を見出せるか。世間にどう自覚を持つのか。やがてヤンキーで「リーダーシップ」を握る人が出てくる。歴史的には西郷隆盛、伊藤博文がヤンキーと言える。最近では小泉進次郎がそれに近いと考える。
○質疑応答
・酒席に出席しない人をどう説得するのか→嫌な思いをさせないような酒の飲み方文化が確立していない。強要はよくない。
・インテリ、オタク、ヤンキーの分類は一人で三つあってもいいのでないか→色の三原則のようなものである。一人に三つの傾向があってもおかしくない。
以上

○所感
今回のセミナーは、多彩な講師による講義で面白くかつ得るものが多いセミナーであった。従来は学者による大学のような講義が多かったが、「笑い」のよしもとの講師、日本全国で地域再生に駆け回るプランナーと、まさに異色の講師陣であった。
 以下特徴的な点を所感として述べる。
 竹中氏の講義では、「笑い」というサービスを提供し、客の「お金と時間」を支配する「よしもと」が100年間持続していることは、自治体に共通する点が多い。それは「笑い」は平和産業であることを基本とし、自由さを失わず、感じて「笑い」を提供しているから、時代が変わっても多くの人の支持を集めることにつながる。昨年から47都道府県に芸人を派遣し、地域に「住まわせる」プロジェクトを展開している。近隣では犬山市で実践している。これは、まち起こしと同時に芸人そのものを磨くことに力点があるのだろう。自治体のあるべき姿を「笑い」の中に見ることができると感じた。
 新川氏の講義は、地域再生という全国の自治体の共通課題がテーマであった。正面から向き合った講義で、問題、課題、方向性が改めて整理できたものである。
 地域再生プランナーの久繁氏の講義は、まさに実践論に基づくもので、机上では発想し得ないものである。成功の方程式は実践に裏打ちされたもので、活用できる一つの考え方と感心した。
 「まちの文化人類学」の船曳氏の講義は、考えたこともない、異色の講義であり、まさに文化人類学的に見ると、日本民族の過去、現在、そして未来を感じるものであった。ヤンキーが日本の未来にとって重要との指摘である。その持つエネルギーは大きなものがあると思うが、人を何色と決めずに、その人の持つ能力、個性が発揮できれば、地域の再生は時間がかかっても可能と思う。要するにヤル気があるかどうかの問題で、議員は市民の持つエネルギーを最大限に引き出す役割をきちんと果たすべきであると改めて感じたセミナーであった。
以上
                                 
  

Posted by mc1397 at 22:25Comments(0)TrackBack(0)

2012年11月01日

行政視察報告

平成24年11月1日
平成24年度岩倉市議会総務・産業建設常任委員会の委員として行政視察をしてきました。その内容の報告です
1行政視察期日   平成24年10月17日(水)~19日(金)
2行政視察先及   (1)佐賀県武雄市 「フェイスブックの活用について」
び調査事項      (2)福岡県那珂川町「まちづくり住民条例について」
             (3)福岡県大野城市「パートナーシップ活動支援について」
                     「買い物代行『ごきげんお届け便』について」
3視察者      総務・産業建設常任委員(8人)、議会事務局長
4行政視察内容
(1)佐賀県武雄市 
日時:10月17日(水)13:30~15:30
場所:武雄市役所1階 会議室
  調査事項
<1>フェイスブックの活用
 樋渡市長自らが概要を説明しました。主な内容は次のとおり。
・フェイスブックは実名の会員制サイトであり、現在では世界で約10億人がユーザー(利用者)である。フェイスブックが他のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)と大きく違う点は「実名で登録する」というところにあり、安心して個人と個人がつながることができる。
・1年半前に行政でも活用できるのではないかと思い、昨年8月に市のホームページをフェイスブックに一元化した。
・アクセス数は、ホームページ当時は月5万件であったが、フェイスブック移行後は月330万件(多いときで360万件)で、年間4千万件のアクセスである。
・フェイスブックの使い方が分からないという市民に対しては、民間団体が運営する「ICT寺子屋」で講習会を開催しており、受講は順番待ちの状況である。受講者の平均年齢は60歳を超えている。
・情報漏えいのリスクを指摘されるが、漏らしてもいいものしか載せない。
・武雄市の特産品をフェイスブックで販売し地域の活性化を目指している。商業者から手数料は取らない。地域の所得を増やし、税を納めてもらう。年商10億円を目指す。
・その他の施策として、ツタヤと連携して図書館のリニューアルを考えており、Tポイントカードを活用し特産品の購入につなげたい。
次にフェイスブックシティ課担当職員から調査項目に従い、次のとおり説明があった。
・ 維持管理費用は、ホームページでは年間600万円であったものが、フェイスブックでは年間200万円である。
・ 平成23年11月から通販サイトを開始している。最初は2品目であったが、今では50品目を扱っており、月800万円以上の売上げである。将来は年商10億円を目指している。通常の通販サイトでは、出店料は有料であるが、武雄市の通販サイトでは、出店者からは手数料をもらわず、売上げはすべて出店者の所得としており、これが税収増加につながると考えている。
・ 今後の方策として、図書館の運営をツタヤにお願いしている。現在、利用者が減っており、維持管理でもムダが多い。夜の開館時間も現行6時を9時までに延長する。またTポイントカードを使うことができるので、貸出し1冊につき1ポイント付与することを考えている。委託費用は現行の費用より1割減の1億円程度で、約1千万円が節約できると見込んでいる。
① フェイスブックの活用に至った経緯
市長が一番のユーザーで、行政に使えると信じて開始した。今では多くの自治体が視察に訪れており、1日2~3件である。武雄市内で宿泊をお願いしており、これも地域の活性化につながっている。
② フェイスブックの具体的な活用方策について
・ 本年7月13日、大雨警報が発令され、道路の冠水状況や災害情報をフェイスブックで流したところ、市民から河川水位などの情報がフィードバックされ、これを受けて職員が現場確認し、写真を付けて情報を30分おきに更新した。このように通行止め情報は有効に機能した。またフェイスブックではマップが可視化できるので、市民にとって分かりやすい情報を提供し、災害状況の把握に貢献できたと考えている。この他、巡回バスの運休情報などフェイスブックを活用して発信した。7月13日の災害情報により新規の登録者が急増している。
・ 職員研修では、職員は研修を受講し、ガイドラインやルールなど公務員としての意識を持つよう啓発している。390人の全職員がアカウントを取得している。
③ 実名登録のリスクについて
・ 実名、顔写真で担保されており、荒れにくく、炎上は基本的にはないと考える。中には偽名らしきものが見受けられるが仕方がない。
・ 投稿する職員数は10分の1位で、顔写真は強制していない(女性や税務課職員など)。投稿で市内の状況や情報を集めている。産休や出向している職員が見ることができる。
④ 市民同士の交流及びコミュニティの活性化について
・ 市役所がフェイスブックを始めたことで、公民館、学校、市民団体、温泉旅館など様々な分野でフェイスブックが始められ、つながるようになり、まち全体が「共感」を発信し始めている。
⑤ 今後の活用方策について
・ フェイスブックだけで情報発信しているわけではなく、チャンネルが一つ増えただけのことで、他に有効なものがあれば、それも利用する。
⑥ 質疑応答
問 職員がプライベートなことでアップできないものはあるのか。
答 職員は公私一体で、行政だけでなく、地域活動などでも発信している。職員に対する市民からの親近感は高まる効果があり、市民が職場に訪ねてくる。職員が媒体になっている。コメントに対しては、正式回答な形でなくても、休日であっても職員が対応している。24時間365日対応している。
問 何人で対応しているのか。
答 フェイスブックシティ課は2係体制で、情報係は2名で庁内のインフラ整備担当、フェイスブック係は5名で更新、広報等を担当している。
問 議員の反応はどうか。
答 議会からの批判はない。
問 市民からの批判コメントはあったのか。
答 ガレキ受入れを市長が表明したとき、批判の意見があったが、市民同士のコメントで収束した。実名なのでムチャなことは言いにくいと思う。
<2> F&B良品の取り組み
 営業部商工流通課の担当職員から概要説明があった。主な内容は次のとおり。
・ きっかけは、ホームページからフェイスブックに移行して、アクセス数が月5万件から300万件に、半年で1,800万件となり、これを地域に活かそう、地域所得を向上させようと考え、物産品販売を考案した。
・ ステーキハンバーグセット、佐賀牛セットの販売を開始し、NHKなどTV5社、新聞社6社が取り上げた。
・ Amazonに対抗し、Comazonと名称を付け、ロゴも作成した。
・ 本年1月、2品目で販売を始めたが、4月には肉と野菜のお鍋セット、竹林亭旅館宿泊プランなど50品目を扱っている。
・ 販売戦略は、物産を購入した人がコメントを発信し、それを見た人が友達に発信するなどコメントが通販拡大となっている。
・ 物産品販売のシステムは、注文者がF&BTAKEOで注文し、出店者が運送業者に依頼して宅配する。支払いはクレジットか代引となる。出店料は無料である。
・ 全国的に販売網を拡大する考えであるが、6つの約束がある(自治体の直接販売、出店料は無料、地元の物産、選定委員会で選定、F&Bで展開、F&Bロゴの使用)。
◎質疑応答
問 F&B良品を始めることのとまどいはあったのか。
答 当然あったが、今は楽しく仕事ができている。
問 コメントに対し、職員は残業で対応するのか。
答 市長の考えは「スピードこそ最高の付加価値」である。出してもいい情報しか出さない。コメントには職員が対応するが、必要なら上司と相談する。スピード感が大事である。
問 議会のフェイスブック活用はどうか。
答 議会では行っていない。議会だよりは出していないが、個人で出している議員はいる。本年3月からテレビモニターを導入し、9月定例会で一般質問者16人中13人がパワーポイントを使用した。半分は写真を使い、分かりやすい説明であった。
◎所感、意見
・ フェイスブックを活用した政策を推進する武雄市はITのトップランナーであり、新しい公共の一つのモデルと言える。
・ フェイスブックの職員対応では24時間365日、公私一体型の仕事となる。こうしたあり方に職員が対応し切れるのか、若い職員は楽しく仕事ができても、ベテランの職員はどうなのか。フェイスブックを始めて1年3ヶ月の時点では早計な結論は出ないだろうが、今後注視していく必要がある。
・ 市内で会ったお年寄りの方から、フェイスブックやITの活用で若者のまち離れが止まればという、市長の手腕を期待する声があったが、市民の関心を引き寄せる、樋渡市長のの政策観に学ぶべき点はあると感じた。
・ 概要説明をした職員の仕事は4つの課(商工流通課では流通係と桜門朝市係、海外対策課ではセールス係、フェイスブックシティ課ではフェイスブック係、食育課ではたのしい食卓係)にわたっている。それぞれが関連しており、情報の共有化で支障が出ないようにしているとのことである。縦割り組織における事業の横断的な進め方として、一つのモデルかもしれないが、公務員も民間並みの仕事になってきたのかと感じた。
・ 武雄市のフェイスブックの活用方策は発展途上にあり、今後の進め方を注視したい。防災面で効果があったとの説明であったが、行政の不足する部分を市民がリアルタイムで情報提供し、行政が対応するという面ではフェイスブックの持つ強みが発揮できたと感じた。
・ サイトでの物産販売に行政が関わることは、行政がフェイスブックを先行していることからやむを得ない面もあると思うが、観光協会や商工会などが担うべきものではないだろうかと感じた。

(2) 福岡県那珂川町
日時:10月18日(木)13:30~15:00
場所:那珂川町役場3階 大会議室
調査事項
<1> まちづくり住民参画条例について
経営企画課担当職員から概要説明があった。主な内容は次のとおり。
① 条例制定の背景
・ 地方分権改革が大きな理由で、画一的な行政運営から自治体による「自己決定・自己責任」が求められることになった。
・ これからのまちづくりは、住民が積極的に地域や人と関わり、地域で考え、決定し、実行していく仕組みが必要で、その実行する手段として「住民参画条例」を制定した。
・ 町長の公約の一つでもあった。
② 経過
・ 平成21年6月、住民参画条例審議会を設置(公募委員、識見者の20人で構成。議員、職員は入らず)。1年間で7回開催した。
・ 下部組織の「住民参画条例まちづくり会議」(100人)で、7回の会議を開催し、条例化の検討を行った。
・ 条例の骨子を基にフォーラムを開催した後、原案を立案し、パブリックコメントを実施した。これを受けて、条例案を確定し、町長に答申した。
・ 平成22年12月議会で上程し制定した。平成23年4月1日から施行した。
③ 条例の特徴及び内容
・ 自治基本条例を制定するには、住民、議会、行政が「機を熟した状態」にあることが重要である。協働のまちづくりの推進を始めたばかりであったことから、住民参画条例を制定した。
・ 条例に練りこんだものは、「まちづくり」に対する「理念」「決意」「約束」で、この条例が原点となるように「ふりかえるもの」「よりどころ」となるよう考えた。
・ 議会との関係では、住民参画は政策立案過程において参画を求めるものであり、より熟した案、議論を尽くした案を議会に提案できることから、議会軽視ではないと考えた。
④ 条例の執行状況
○ 実績
・平成23年度は、環境基本計画事業など9つの計画策定に当たり住民の意見を取り入れた。
○ 問題点
・条例の周知のため、37行政区の役員会での説明、パンフレットの配布等を実施したが、認知されていない方が多数いることが現状である。必ずしも無関心ではないので、対象事業を選び、住民に投げかけることが必要と思う。
○ 課題
・実効性の確保(協働のまちづくりの展開)にいかにつなげるかが課題と考える。
・条例制定まで携わった職員の人事異動によりトーンダウンしたので、仕事の継続性が必要と考える。
○ 期待できる効果
・即効性のあるものではなく、漢方薬的に地道に進め、住民が主体的にまちづくりに関わるよう期待している。
○ 住民参画推進委員会の体制及び活動状況
・10名で構成している(一般公募4名、学識経験者3名、町長が認める者3名)。
・平成23年度は7回開催、24年度は2回開催し23年度の評価を行った。
⑤ その他(アドバイス)
・ これからの行政運営は市民(団体等)や議会の協力なしではできない。原点に立ち返って自治を考える。
・ 自治基本条例で住民の参画を制度化、ルール化し、協働のまちづくりを推進する。
・ 子どもを育てる感覚(叱咤激励の気持ち、長期的展望など)で、行政任せにしない。
◎ 質疑応答
問 参画する住民の特徴は。
答 4割が女性である。年配者が多い。会議は定例で夜の時間に開催している。最初は紛糾し、まとめるのに時間を要した。
問 職員の意識はどうか。
答 住民の意見を聞くべきものかどうかを考えるようになった。実際、判断するのは住民参画推進委員会である。
問 住民投票の手続きはどのように考えるのか。
答 常設型ではなく、必要な都度に設置(個別設置型)する考えで進めている。
問 ボランティアの高齢化については。
答 福祉ボランティアの活性化が必要と思う。ボランティア支援センターを立ち上げて、ボランティアをしたい人、してほしい人を対象に行動している。
問 まちづくり住民参画条例第17条に「意向の把握」とあるが、どのように把握するのか。
答 職員が地域に入って話を聞くことができるかどうかがポイントである。
問 議会側から条例への意見は。
答 一般質問で、議会が不要になるとの意見があったが、議会との関係を説明した。
問 住民参画推進委員会の委員で、町長が認める者とは。
答 条例策定に携わった審議会委員のうちの3名を推進委員とした。
問 請願や陳情との関係は。
答 議会への請願や陳情とは違うルールとして扱っている。まだ住民政策提案はない。
 ◎ 所感、意見
 ・ 住民の意見や要求は多様であり、その住民パワーをいかに行政に取り込んでいくのか、協働のまちづくりに参加、参画させていくのか、共通の課題である。那珂川町は「住民や議会の機が熟していない状態」から自治基本条例ではなく、前段階の「まちづくり住民参画条例」を制定した。いずれ「自治基本条例」に進化するものと思われるが、着実かつ堅実に「協働のまちづくり」を進める町の考え方、方針が伺われた。
 ・ 岩倉市では12月定例会に自治基本条例が提案される予定であるが、住民のまちづくりへの参加、参画をどのように担保するのか、その方法をどうするのか、今後具体化するための一助となる視察であった。

(3) 福岡県大野城市
日時:10月19日(金)10:00~12:00
場所:大野城市 東コミュニティセンター 大会議室
調査事項
  <1>パートナーシップ活動支援について
東地域行政センター所長から概要説明があった。主な内容は次のとおり。
・ 市内27行政区を4地区に分け、コミュニティ運営委員会を置き、地域で様々な活動(夜間パトロール、エクスポ祭など)を行っている。
・ 団塊の世代の高齢化等により新しい形でのコミュニティによるまちづくり(地域と行政の共働のまちづくり)を進めるため、アクションプランを作成した。
・ 地域づくりに意欲がある人々や団体を「志民」「志縁団体」と呼び、連携・共働して地域課題に取り組んでいる。
・ 平成23年度に4地区コミュニティ協議会連絡会議やコミュニティ協議会を設置し、自助組織として「コミュニティ運営委員会」、共助組織として「パートナーシップ活動支援センター」、公助組織として「地域行政センター」を置き、それぞれの役割を明確化している。
・ 活動拠点となるコミュニティセンターでは、志民や志縁団体の活動を支援するため、メールボックスやパソコン、印刷機などを格安に利用できるようにしている。
・ コミュニティ運営委員会(自助)は、行政区の役員が担っており、体育部、文化部、福祉部などの活動を行っている。また任意の職員コミュニティ隊が支援をしている。
・ パートナーシップ活動支援センター(共助)は、NPO法人が指定管理者となり、地域や行政が単独では解決できない課題等に共働で取り組み解決するなどの活動を行っている。
・ 地域行政センター(公助)は、地域情報の発信や支援、各種証明発行サービスなどの活動を行っている。また災害時には活動拠点にもなる。
・ 手伝いを必要としている人と登録ボランティアをつなぐ仕組みとして、「使ってバンク」を平成25年度から設置する。サービスを提供するボランティアには「ありがとう券(10分100円)」を交付する。
・ 平成25年度から新しいコミュニティのかたちづくりを推進するための事業や取り組みを行うに当たり、新コミュニティ交付金を創設し、コミュニティ協議会へ交付する。これにより「コミュニティわくわく推進事業」「コミまかせんしゃい事業」「共働き提案事業」等を推進する。
・4地区のパートナーシップ活動支援センターの指定管理者への交付金は、平成23年度は141,400千円を交付した。
<2>買物代行「ごきげんお届け便」について
NPO法人「共働のまち大野城東コミ」の担当から概要説明があった。主な内容は次のとおり。
・ 買い物に行きたいが交通が不便、育児や介護などで買い物に行く暇がないなど買物難民対策としてスタートした。
・ サービスの内容は、利用者がカタログを基にFAXまたは電話でPSセンターへ注文、センターは注文をインターネットへ入力、注文を受けたイオン大野城が利用者宅へ商品を配達し料金を受け取るというものである。
・ 個々では難しい買物代行事業は、三者(大野城市、イオン大野城、NPO法人)が共働することにより相互補完ができ、事業の推進が可能となった。
・ 買物代行「ごきげんお届け便」の特徴
・注文したその日にうちに自宅へ届ける。
・3,000円以上で送料無料、代金引換手数料210円が必要
・生鮮食品はその時々の時価で買い物ができる。
・入会金、年会費は無料
・ 実績(平成23年5月5日から24年9月30日まで)
利用件数299件、登録者87名
・ 今後の課題
・登録者、利用者の拡大
・商品カタログを月1回届ける際に意見を聞いているが、細かな要望を聞き取る仕組みの構築が必要
◎ 質疑応答
問 利用者への負担や問題はあるのか。
答 カタログで注文を聞くが、FAXと電話で半々の注文である。手数料として210円が要るが、これはイオンが配送業者に委託する費用となる。配送料は3,000円以上の買い物の場合は無料である、3,000円未満の場合は380円が必要となる。カタログはパートナーシップ活動支援センター、市、イオンで月1回会議を持ち、作成している。
問 イオンに限定した理由は。
答 イオンから市に相談があった。NPOとしても考えていた課題であったことから事業を推進したが、イオンに限らず、他でも続けたい。
問 間違って商品を配達するなどの問題はあるのか、また苦情はあるのか。
答 苦情は一度もない。カタログを配布する際に意見を聞いている。配達した野菜が古かったケースがあり、イオンが代替を持参した。
問 冷凍食品や傷みやすい商品の配達はどうしているのか。
答 クールパックと発砲スチロール製の専用箱を使用している。留守の場合は持ち帰って、連絡の上再度配達する。配達時間は2時間以内で、1日3回配達する。
問 「共働」という言葉を使用しているが、その意味とは。
答 以前は「協働」を使っていたが、これからは新しいコミュニティの形として「共働」という言葉を使用している。
問 NPO法人の体制は。
答 理事長、事務局長、コーディネータ(4人)、施設受付としてコーディネータ(1人)、パート(6人)の13人で1地区を担当し、4地区で52人の体制となる。
問 「志民」という言葉はいつから使用しているのか。
答 平成21年度のアクションプランから使用を始めた。
◎所感、意見
 ・人口約10万人の大野城市は福岡市に隣接する住宅都市であり、岩倉市とよく似た性格のまちであるので、課題は共通していると思う。大野城市は、40年もの歴史あるコミュニティを土台に、団塊の世代の高齢化等の状況に対応するため、新しいコミュニティ(地域と行政の共働のまちづくり)づくりに取り組んでおり、コミュニティ組織が1箇所しかない本市の今後のあり方を学ぶことができた。
 ・住民、地域との協働のまちづくりを進めるためには、しっかりとした体制と人材、財源が必要である。行政が何から何までを担う時代は過去のものである。自助、共助、公助の観点から、住民、地域、行政がコミュニティにおいて果たすべき役割を明確にした大野城市のアクションプランに共感した。
 ・住民、地域と行政を結びつける組織として、NPO法人の存在は大きなものがある。片手間にできるものではなく、やはり専任のコーディネータが必要であると感じた。
 ・買い物代行の「ごきげんお届け便」はユニークな買物難民対策の一つのモデルと思う。大野城市では丘陵地区からの要望が多かったとのことであるが、平野部の岩倉市においては、買物代行も一つの方法と思うが、買い物の楽しみを確保するために送迎をどうするのか、一工夫が要るのではないかと思う。
以上
  

Posted by mc1397 at 21:29Comments(814)TrackBack(0)