QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。 解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
mc1397

2012年07月14日

行政視察報告

行政視察報告
      
 平成24年7月9日(月)から10日(火)までの二日間、岩倉市議会の会派「創政会」の行政視察に参加し、埼玉県坂戸市及び群馬県高崎市で勉強してきました。
なお、視察項目は
 (1)埼玉県坂戸市
  ・健康なまちづくり計画について
  ・食育の取り組みについて
  ・施設見学(花の栽培温室)
 (2)群馬県高崎市
  ・高崎市観光振興計画について
  ・(社)高崎観光協会について
です。その内容を報告します。

(1)埼玉県坂戸市
埼玉県のほぼ中央部に位置し、都心から45km圏という極めて交通至便な地にある。地形は概ね平坦で、地味も肥沃である。西部には秩父山系の先端が伸びて、市平野部の間に突出している。この丘陵を背にして高麗川が東流し、北部で越辺川と合流し、更に市の東端で入間川に流れ込み、荒川に注いでいる。
人口は99,551人(平成24年1月1日現在)、面積は40.97k㎡で、県内20番目の10万人都市として県西部を代表する中堅都市として調和に取れた発展を遂げている。
①健康なまちづくり計画について
②食育の取り組みについて
   この二つの視察項目は共に関連しているため、一緒に取り扱うこととした。
   坂戸市健康政策課長からの説明の要旨は次のとおり。
 A 坂戸市健康なまちづくり計画~健康日本一坂戸市計画(後期)・坂戸市食育推進計画~
・平成21年3月に策定している。
・策定の経緯
  平成12年に国が「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」をスタートさせ、全国的な行政課題として「健康づくり」が注目を集めた。
  前期計画として、平成15年度に「あなたの出番!おいでおいで健康づくり計画(健康日本坂戸市計画)」を策定した。この計画の策定は、まちづくり市民会議が行った。健康づくりには、市民の意識改革(個人で考える)と市民の行動変容(自分で気付き行動する)が必要であることから、市民との協働で計画づくりが進められた。この市民会議の特徴は次のとおり。
    ・委員は市民ボランティアの公募で21名
    ・全体会議とワーキンググループで議論を進めた(メンバー全員が関わりを持つ)
    ・まちの良いところを探す。肯定から始めよう!
    ・みんなが発言する。人の意見は否定しない。何でも言える雰囲気とする。
    ・集りやすい時間帯で開催する。
    ・行政任せにせず、手間を惜しまない活動(市民アンケートの封入、入力作業も市民が行った。)
    ・市民と行政が一体となって楽しく進めた。
*ポイントは、夢から語る計画づくり、目指す健康なまちの姿を設定し、行動目標を立て、目標値を示したこと。
*こうした経過を踏まえ、平成15年度に「健康日本坂戸市計画(前期)(期間平成16年度から平成25年度)」が策定された。
*平成18年度には内閣総理大臣より認定を受けた「地域再生計画」に基づき、健康づくりを全庁的な課題と位置づけ、様々な健康プロジェクトが展開されている。
*この前期計画は、平成20年度に評価、見直しが行われ、新たに食育の分野を加えて、現在の「健康なまちづくり計画」へと引き継がれた。
 B 施策の展開
・平成16年度に「元気にし隊」が計画の策定に当たった、公募による市民ボランティア等30名で発足した。「元気にし隊」が市と協働して、食育、運動、心の健康、歯科健康などをテーマに、健康パークの開催、市民メニューの給食への導入、キャラクター設定(やるぞうくん)、育膳レシピの開発、元気わくわくゼミナール、健康づくり養成塾、オリジナル体操、健康川柳(大賞 イケメンの 口が臭くて 後退り)、おうちレシピコンテストなどに取り組んでいる。
・葉酸プロジェクト
  葉酸は、ほうれんそうやブロッコリーなどのみどり色野菜や豆類、海藻、レバーなどに多く含まれている水抱性のビタミンである。このビタミンB群の一種である葉酸を摂取することにより、認知症や脳梗塞等のリスクを低減できることが研究で明らかになり、市ではその研究成果を活かし、女子栄養大学と協働により「認知症予防講習会」や地元企業等「葉酸添加食品」の協働開発を進め、市民に葉酸摂取を進めている。
   成人1人1日240μgが必要であるが、高齢者は葉酸を体内で活用できる形に変える能力が低下することから、市では400μgの摂取を市民に促している。
   「さかど葉酸ブレッド研究成果発表会」(平成19年 経済産業省から地域産業資源に認定)の開催。パン、ドレッシング、かりんとう、カレー、うどんなど商品化されている。
・健康づくり応援店の認定
葉酸を多く摂取できるメニューなどを提供する52店舗を「健康づくり応援店」に認定している。
・食育の取り組み
 平成20年度に食育推進計画を策定し、各部署で様々な食育の実践活動に取り組んでいる。
・健康づくり地域寺子屋事業
 地域の集会所を単位に健康づくりを推進している。12地域で実践している。
・ 市内の3大学(女子栄養大学、城西大学、明海大学)と連携協力協定を締結している。
・健康づくり水中リハビリ運動教室の開催
・小中学校、高校と連携した食育の推進など
 C 健康づくりの考え方
・市民の暮らしの夢(幸せ)を実現するためには、自分自身で心や身体の調和が取れた良好な状態に保つことが大切であるが、自分の努力だけでは難しいので、サポートする体制が必要である。
・病気にならず、美味しいものをたべるためは仲間づくり、コミュニティが大切である。人々が関わりあうこと(絆)で健康づくりが進むというように環境を整えることが必要である。今までの健康づくりは、目的が健康であったが、これからは自助、共助、公助で健康づくり、地域づくりに取り組み、豊かな人生(幸せ)を目的にすることである。
・健康づくりのきっかけは様々だから、いろいろなアプローチで、いろいろな人々を巻き込むことが大事である。

 D 評価
・ 市民アンケート(2000人対象、回収率53%)によると、33項目中11項目で改善が見られた。主観的健康観は84%が評価している。
・医療費(地域差指数)では県内で、平成15年は36位(89団体中)であったが、平成21年では2位(64団体中)となり、医療費は低下している。
・介護給付費では、平成15年39位、平成21年8位である。
・健康づくり応援店の売上げは、「売上げが伸びた 29%」「客の評判が良くなった 24%」「変化なし 39%」であった。
・女子栄養大学と応援店の協働で、食のブランド開発(さかどルーコラ:ルーコラとは葉酸、ビタミンC、カルシウム、鉄などの栄養素を含む葉野菜、醤油ラスク、レトルトカレー)が進み、4月3日から10日間、葉酸フェアが応援店で開催されている。
*質疑
問 葉酸に取り組むきっかけは何か。
答 栄養大学の香川副学長の研究成果から着目された。認知症等の予防効果があることから取り上げた。
問 以前、報道ステーションで医療費の削減効果があると取り上げられたが、実態はどうか。
答 メディアでは医療費が削減と報道されたが、葉酸を始めいろんな要素が関わってのことなので、葉酸との因果関係だけではない。医療費の地域差指数では下がっている。
問 レトルトカレーや醤油ラスクの開発はどのように行ったのか。
答 レトルトカレーの開発は民間会社が、ラスクは栄養大学のゼミ生が企画し事業所と開発した。市はその間を取り持った。
問 市民まちづくり会議は市民以外に専門家がいたのか。
答 医師、歯医者、歯科衛生士、大学教授、管理栄養士が専門委員であった。
問 市民まちづくり会議での市の役割は。
答 進行役、事務局である。
③施設見学(花の栽培温室)
  坂戸市環境部次長及び係長からの説明の要旨は次のとおり。
A 目的:「花いっぱいのまち・坂戸」を目指し、花のまちづくり推進事業を推進するため、花のボランティアの活動拠点・集いの場として、また、花の育苗から花いっぱいのまちづくりを進めるために花の栽培温室を設置するもの。
B 施設概要
・所在地:坂戸市大字石井1550番地 市民総合運動公園内
・落成式:平成19年3月28日
・建設費用:総建築費 22,480,500円(本体工事 19,939,500円)
  うち平成18年度花でもてなす埼玉支援事業費補助金 10,000,000円
・軽量鉄骨造平屋建てガラス温室 263.25㎡(9m×29.25m)
・4mm強化ガラス、自動開閉、自動遮光カーテン、栽培用ベンチ、暖房機、換気扇
 C 運営体制
・花と緑の推進担当4名 うち技術員1名は温室担当
・温室運営ボランティア7名、温室栽培ボランティア90名
 D 活動内容
・市民花壇(55箇所)の整備
・花いっぱいの推進地区の指定
・オープンガーデン事業(市民の庭の公開)など
・道路や交差点のポケットスペースなど市が管理している遊休地を利用して市民花壇として登録し、花の管理を行うボランティア団体に対して、春と秋の年2回提供する花苗の育苗を行う。
・地域や世代を超えて花を通して交流を深め、花いっぱいのまちづくりの裾野を広げるため、花と緑の講習会を開催する。
・花苗供給数
・市民花壇:年間供給数 30,389本(ニチニチソウ、マリーゴールド、サルビア、パンジー)
・施設用、市民配布用:2,200本(ゴーヤ)
・坂戸よさこい会場用:350本(メランポディウム)
・市内園芸農家購入数:15,000本
 E 経費
・施設維持管理費 30~40万円(人件費を除く)
・消耗品費 花苗1鉢70円×2万ポット=140万円
・その他種代、土壌代、肥料代、灯油代などの経費がかかる。
 F 質疑
問 ボランティアの役割は何か。
答 運営ボランティアは水遣り、品種の決定に当たる。栽培ボランティアは温室
で栽培を行う。
問 講習会は誰が行うのか。
答 アドバイザーにお願いしている。

<所感>
 坂戸市における健康なまちづくり計画及び食育推進計画に基づく施策、事業の展開は、市民や大学、店舗などの協働事業として実践されている。大学との連携、葉酸プロジェクト、食のブランド化などはまさに地域資源を上手く活用して行われていると感じた。特に、計画づくりから市民の参画を得て、実践段階においても市民が主体として活動していることは特筆すべきものと思う。つまり市民のヤル気を引き出しており、それが病気の予防効果、医療費の節減効果、さらには市民の幸せにつながっていると感じた。地域の資源(市民、大学、企業、店舗、野菜)を上手く活用して、地域の活性化、市民の満足度の向上を図るという自治体経営のモデル的なものではないだろうか。健康・食育分野の行政視察ではあったが、他の分野においても十分通用し学ぶべきことが多い事例であると感じた。
 花の栽培温室の施設見学は、本市においてこれから市民団体がチャレンジする事例であり、その長所等について情報提供できる事例であった。

(2)群馬県高崎市
  高崎市は東京から北西約100kmに位置し、古くから関東と甲信越を結ぶ交通の要衝として発展し、現在でも上越・長野新幹線、関越・上信越・北関東自動車道が集中する内陸交通の拠点となっている。
  平成13年度以降、3回の合併を行い、面積459.41k㎡、人口約37万5千人の県内最大の都市である。「人・もの・情報・文化」の集積や交流によって、「集客都市」としての発展が期待されている。
  高崎市観光課長からの説明の要旨は次のとおり。
①高崎市観光振興計画について
A 計画策定のプロセス
・背景:2005年の国の「観光立国」宣言、長引く不況、人口増加の誘導策、地域の活性化策などを受けて、観光振興に取り組むこととなった。また、平成13年度以降の3回にわたる合併により、面積は約4倍、人口は1.5倍、地目は山林、田畑の増加、産業においても農業、林業が増加したことで、あらゆる分野の地域資源を活かす施策が求められている。観光についても、都市型観光から自然を活かした観光へ移行しつつあり、合併が一つの契機となり、観光振興計画がスタートした。 
・計画の考え方:ゼロからの出発であり、実践性の高いものとする。
・経緯
・前段階として、平成19年に観光ビジョン研究会を立ち上げた。実践的な内容とするため、メンバーは観光協会、商工会議所、観光関連企業等の実務担当者で構成し、観光資源調査、観光客や市民へのアンケート調査、課題・問題点の抽出など実践的な観光振興のための検討を行った。
・平成21年度から22年度まで、3つの委員会を並行開催し計画づくりを行った。
  観光振興計画策定委員会(庁外組織)、観光振興計画庁内策定委員会(庁内組織)、観光振興計画策定作業部会(庁外組織)という3つの組織が連動し、観光振興計画に位置付けられた事業の実現への道筋が確保され、計画の実効性が高まった。
・ 観光振興計画は平成23年3月に策定された。市民周知を行うため、キックオフプログラムを開催し、計画の報告、5つの観光コース体験を行った。
 B 計画の内容
・観光の課題
  交通インフラの整備、情報の一元化、市民の認知、新たな観光資源の発掘、地域固有の食が未活用、観光資源ネットワーク化が不十分、広域的観光連携が不十分といった7つの課題を明示し、19の施策、100の事業を体系化した。
・計画の特徴は、100事業のうちリーディング事業として、策定中からスタートアップ事業を先行して取り組んでいる。これは3年をメドに実施し、その後検証し、次につなげていく事業である。
*スタートアップ事業の内容
・中心市街地の観光回遊促進:マップの作成、ガイドなど人材育成など
・着地型体験観光の推進:自然豊かな里山での田舎暮らし体験など
・高崎だるまを活用した観光活性化:変わりだるま(なでしこだるまなど)
・榛名湖の名物づくり:食材を活かした料理づくり(20店参加)
・観光関係者への研修
・口コミ観光情報発信事業
・コンベンション支援体制の構築
・観光振興推進協議会(仮称)の設立
  C 計画の推進方法
  市民、観光関連団体、観光関連事業者、大学及び市の役割を明確にし、相互の連携を図り、協働により計画の推進を図る。特にスタートアップ事業については、ビジョン研究会及び作業部会のメンバーが推進を行う。
 行政だけではできないので、民間、企業、観光団体、高崎経済大学に協力を依頼し、県及び周辺自治体との広域連携を目指す。
 予算は振興基金(2500万円)をスターアップ事業に充てる。
  D 取り組みの状況
・スタートアップ事業を推進し、それを検証し広げていく。その他の事業は状況を見極めて取り組む。
・平成22年度から3年間、JR6社のキャンペーン共同事業が群馬県で開催され、その中で高崎観光の役割を果たしている。
・協力体制が市民、観光関連事業者、5つの大学のほか、タクシー協会やホテル協会への広がりが出ている。
・県内においては、県の玄関口として広域観光のアプローチ的役割を担い、県外においては、北関東自動車道、今後の北陸新幹線の機軸的役割を担っていくこととなるが、通過点にならないようにしたい。
  E 評価と課題
・評価については、現在実施中の3年間のスタートアップ事業の実施状況を見て判断する。その他の事業は5年間で実施するが、予算編成時での評価など事業を積み重ねる中で評価を検証したい。
・課題は、庁内の連携不足及び観光を取り巻く環境の変化をどう取り込むのかである。まだ試行錯誤の段階である。
② (社)高崎観光協会について
・設立:昭和23年、県内で最初に設立された。当時は市名を入れなかった。市名を入れると、活動範囲が狭くなると言う高い志があって入れなかった。
・事務局:観光課が担っている。
・会員数:357人(平成24年7月現在)で、観光業者、市民、議員全員が会員である。なお会費は一口5千円である。
・役員:40人。昨年までは市長が会長を務めていたが、民間に事業を委託することから本年度から市関係者は役員から外している。
・職員体制:5人で、事務局として市職員3人、観光案内所に2人がいるが、常勤はいない。構成は再任用職員1人、嘱託3人、アルバイト1人である。
・主な事業内容は別紙のとおり。予算は、平成24年度は26,677千円。財源は会費200万円(構成比7.5%)、市委託料19,195千円(72%)、人件費(支出金)5,382千円(20%)で財源のうち92%は支出金である。
・活動状況:観光振興事業及び観光施設管理事業
・評価:体制(人材、財源)が脆弱であること。現状の事業推進で精一杯のため、新しい取り組みができないこと。
・課題:民間組織や民間事業者で牽引するためには自立が必要であること。自主財源の確保。平成25年4月に一般社団法人へ移行予定であり、高い志を持って取り組みを行うこと。行政と民間の両輪で引っ張っていくこと(現在は市のバックアップで行っている。)

  *質疑
問 観光振興計画策定に当たり、なぜ3つの組織を設置したのか。
答 実効性を確保するため、計画策定委員会のほかに実務担当者の作業部会を設けた。
問 前橋市との関係は。
答 前橋市は政治の中心、高崎市は商業の中心としての役割が歴史的にある。
問 商工会議所と観光協会の関係は。
答 交流人口の拡大を図るため、イベントなど一緒に行うよう呼びかけている。事業として市街地観光回遊促進事業がある。
問 ゆるキャラは。
答 タカポンとタカマルくん(だるまをイメージしたもの)の2つがある。
問 観光協会の自主財源を確保するための方策は。
答 民間組織として、収益性のある事業展開を進めたい。

<所感>
 地域の観光振興には、地域住民、観光関連事業者、団体、行政などの諸主体が連携して、地域に埋もれた観光資源を認識、発見、発掘し、それに磨きをかけ、地域内外の人達に発信していこうという積極性が求められる。
 高崎市は観光振興計画の策定に当たり、まず最初に観光ビジョン研究会を立ち上げ、観光の実務を担当する人達で構成し、観光の現状や課題を把握して観光振興方策をまとめ、観光振興計画に反映させている。さらに観光振興計画の策定について、策定委員会(学識経験者、観光団体、公募市民)、庁内策定委員会(副市長、関係部局長、課長)、策定作業部会(学識経験者、観光関連団体の実務担当)の三層構造の組織で策定したことは、実践性を求めてのことであり、この策定プロセスは先駆的な方策として評価できるものと考える。また、施策や事業の展開についても、スタートアップ事業を先行実施し、計画の実践性や機動性を高めていること、実施に当たっても、観光関連事業者、観光関連団体、市民、大学、行政など地域の多様な主体が連携して自律的に進めようとしていることは、持続性と発展性を展望してのことである。計画策定後2年を経過した現在、まだ試行錯誤、暗中模索の過渡期であると思うが、地域協働で創り上げた観光振興計画がどのように地域協働
で取り組みが進められるか、注目すべき事例であると感じた。
以上
  

Posted by mc1397 at 11:44Comments(0)TrackBack(0)